創作日誌 #010 -作字挑戦記①-(1〜10作目)
日誌をテーマ毎に分けることにしたので、作字についての学びなんかもこちらに分けることにした。
ヘッダーを作字にするというのは変わらないが、その過程の学びや、デザインの意味についてはこちらでまとめていこうと思う。
今までの7作品、ダイジェスト紹介
折角なので1作〜7作目まで、当時の記事に書いてたりなかったりしたことを振り返ろう。
1作目は『睡眠不足』
よく寝るイメージの猫と自身の寝不足の対比イメージから作成した。この時はただ思い付いたラフスケッチをなぞっただけの仕上がりだ。
2作目『沈黙は金なり』
四字熟語縛りにしては面白くないなと思い、慣用句にしてみた。手書きはあかんなと思い、グリッドなどを使い真面目に文字を作ってみたが、逆に固くなって遊びがない。
3作目『無知の知』
アウトプット出来ない期はインプットがメインになることで、学びが多くなり相対的に自分の無知に触れる機会も多くなるな、という所感と共に思い浮かんだ言葉。
ソクラテスは偉大な人のようだ。
4作目『日進月歩』
やる期がしんだ期をやりすごしていたら、自然とテンションが上がって元気になったのが嬉しくて前向きな言葉が出て来た回だ。この時初めて体調の周期を管理して、自覚的に気力の変化を感じた。
そういえばドキュメントの形を正方形にしたのもここからだ。これでかなりデザインへの制限が無くなった。
5作目『成せば成る』
やる気がないと出来ない、時間がかかりそうでやりたくないことでもちょっとずつやると何とかなるもんだな〜と思ったのでこの言葉を選んだ。
そのまんまだな。
6作目『行きあたりばったり』
これまでは単語全体のイメージをビジュアライズする意識で作っていたが、もっと一文字一文字のニュアンスを表現しても良いのでは?と思った。むしろ単語をしっかり書くより、イメージが伝わるように変えてしまって良いのでは!?と、意識が急に変わった。
一字ずつかなり遊びが入り、効果や文字の形は普段イラレで作る雰囲気に近づいてきた。
多分作字のイメージが、ピンタレストで昔見かけた線画ベースのものから離れてきたのだと思う。
7作目『意気消沈』
元にしたフォント:游明朝体
やる気が出ないターンがまたやってきた。折角気分が沈んでるので、それにぴったりな単語にしようと思った。活字が崩れてる感じを出したかったので、敢えて手書きではなくきちんとしたフォントを使ったうえで変形で崩した。
フォントを使うだけでかなり質が上がった気がする。
さて、ここまでは今までの記事である程度掘り下げてあるのでダイジェストでまとめてみた。8作目からは記事ヘッダには使っているが、工程や考えなどの記録はここにまとめる。
8作目『喧喧諤諤(ケンケンガクガク』
作字8作目は『喧喧諤諤』
元にしたフォント:BIZ UDGothic / Bold
これは丁度、漫画の勉強がてら色んな動画で多様な意見を見ていたことから思い付いた単語だ。色んな人が色んな方法論や考え方を紹介していて、とても甲乙つけがたい。
最初は色んな意見が飛び交っている様を、単純にフキダシで表現してみた。
(途中のボツ案)
なんか微妙だ。イマイチ勢いというか、みんなが好き勝手に話している感じがしない。
もっと色んな意見が飛び交い、ぶつかり、色んなものが生み出されてるようなエネルギーが表現したい。
ということで、吹き出しを止めて、自分に響くものが閃きをもたらすあの感じを出すために、漫画の驚きを表現するトーン的な効果を付けてみた。
色味や立体感など、全体的には力強く、良い意味で煩い感じを出したかったので、昭和の怪獣映画の題字をイメージしている。
記事の内容といつも絶妙にマッチしてるようなしてないような単語になっているので、とても良い出来だったと思う。
9作目『役満』
9作目は『役満』
元にしたフォント:BIZ UDMincho / Regular
全く記事とは関係なく、知人が麻雀アプリをやり始めてマンガンだの役がどうたらと呪文を唱え始めたので、ふと思い付いたにすぎない(私に麻雀の知識は全くない)。
丁度調べていたCLIP STUDIOも、色んな機能が揃った痒いところに手が届くアプリだったというのもあり、そのまま作字した。
イメージはまんま麻雀であり、どちらかというとギンギラなパチンコのような、チープなめでたさ?(背景の電飾が点滅するような)が表現したかったのだが、中々そう派手にはならなかった。
麻雀牌や紙吹雪といった、仕事の制作物なら絶対素材を使うようなものを手書きで作ったので、疲労感が半端無かった。
どうにも気乗りせず、最初から明確なイメージがあるのに関わらず時間がかかったのは、これが『誰でも作れる』デザインに思えたからだと思う。もっとオリジナリティのある表現にしないと、作る意味が見出だせずやる気が出ないようだ。
これは新しい観点だった。
まあ、何だかんだ縁起のいい感じもあり、新年一発目の記事のヘッダーにはちょうど良かったので良しとしよう。
10作目『焼肉食べたい』
10作目は『焼肉食べたい』
四字熟語でも慣用句でも何でもない、ただの願望である。正月休みの間焼肉パーティだったので、明けて早々恋しくなってしまった。
焼肉美味しかったなぁ……。
普通にデザインすると9作目同様イメージそのまんま(お肉屋のチラシ的)な仕上がりになると思ったので、敢えてハンドレタリング的なシャレオツな方向にしてみた。
『焼肉』はルンルンな鼻歌気分を音符で表現・プレートをイメージした罫線で囲み煙で装飾。他の文字はそれに合わせたポップなイメージとハートで好きを表現。空いたスペースに掛け声的な?Yummyの文字を追加することでそれっぽくなった気がする。
パッと見はお洒落で素敵な言葉に見えて、中身は願望丸出しという仕上がり。
中々面白いんじゃなかろうか。
作字の方向性について
作字のいろはなんて知らん!と始めたが、作品数も2桁に入り色々分かってきた事がある。
まず、フォントの力がとてつもなく大きい。
そして自分の手書きの文字の面白くなさ。
これはショックだが認めるしか無い。
思いつきで書いたフリーハンドの字面に面白さは見いだせなかった。これはフリーハンドが悪いわけではない。
私がフリーハンドで書いたとしても、既存のフォントをなぞるばかりで面白味に欠けるという話だ。
10作目でハンドレタリングを調べるにあたって、一般的に欧文の文化らしいと理解した。
これに近い日本の文化は、DTP普及前の大正辺りのポスター等で登場する文字郡だ。
当時の独創的で統一感の無い文字は見ていてとても面白い。
この大正時代あたりの独創的な手書きの文字と、出来れば今までで一番気に入った表現、7作目のリアルな空間表現みたいなものを組み合わせて作れないだろうか。
……なんかこう、良い感じに。
うん、まだちょっとふわっとしているが、おおよその方向性は見えた気がする。
これまでは折角なので、ハウトゥーや参考作品を集めず敢えて思いつくままの制作をしていたが、これからは一応上記のイメージに近づけるための努力を挟んでいこうと思う。
楽しくなってきたな!
これは次どうなるかワクワクだぞ〜〜〜!!
あくまでイラストよりは時間をかけない程度に、文字で遊んでいきたい。
『みんなのフォトギャラリー』参戦!
とうとう作品数が二桁に入ったので、まとめて『みんなのフォトギャラリー』に登録する事にした。これからも作字に関してはある程度の数が溜まったらUP、という形を取ろうと思う。
(帰ってから……今日の夜頃UPします。)
もし誰かが面白がって使ってくれたら嬉しいなと思いつつ、特別使いやすさに配慮した言葉選びは今後もしないつもりなので、マイペースに続けていきたい。
(1/6追記)
バッジもらいました。やったあ!