暁の影(シャドウ)第三話 “影を追う真実”
プロローグ:ミス・レディの指令
深夜。セレナは通信機を手に取り、映し出されたミス・レディの姿に耳を傾けていた。
「セレナ、次の秘宝の手がかりを伝えるわ。駿河台にある古い邸宅よ。そこには、秘宝だけでなく、20年前の闇の一端が眠っている。」
「20年前…母が命を奪われたきっかけの?」セレナの声に緊張が滲む。
「そう。覚悟して向かいなさい。そこはただの廃墟ではない。何かが待っているわ。」
駿河台の邸宅:霊的セキュリティと月姫の登場
その夜、セレナが駿河台の邸宅に足を踏み入れると、不気味な雰囲気が漂い、空間が歪み始めた。耳元で囁く不気味な声や幻影が現れ、セレナの行く手を阻む。
「超常現象…まさかここまでして隠そうとしているなんて。」
同じ頃、凛も別の入口から邸宅に侵入していたが、精神的な幻影に苛まれていた。
「こんなの…何なのよ!」凛は銃を構えつつも動揺を隠せない。
そんな二人の前に、月姫がふわりと現れる。
「この地には、霊的な力が渦巻いておる。それがセキュリティとして仕掛けられておるのじゃ。」
凛は月姫を見て驚愕し、怯えながら叫ぶ。「またお化け!?今度は何なのよ!」
月姫は冷静に笑みを浮かべ、「麻が言うておった通り、肝が小さいのう。」と揶揄う。セレナは「姫様、警部さんをあまり脅かさないでください。」と笑いながらフォローした。
月姫は指先をかざし、霊的なセキュリティを無効化していく。「この先に秘宝と闇の手がかりが眠っておる。覚悟を持つがよい。」
最深部での発見:秘宝と名簿
二人は月姫の助けを借りて最深部にたどり着く。そこには、虹色に輝く「橙の秘宝」と、20年前の事件に関する名簿が残されていた。
「この名前…!」凛は名簿を見て驚きの表情を浮かべる。それは、母・美桜の冤罪に関わった人物たちの名前だった。
セレナは静かに秘宝を手に取り、名簿を握りしめる。「また一歩近づいたわね。」
「その名簿をどうするつもり?」凛が問いかけるが、セレナは振り返らずに答える。
「真実を暴くためよ。母の無念を晴らすためにも。」
凛は葛藤しながらも、セレナの決意を止められなかった。
エンディング:月姫の助言と別れ
邸宅を後にする二人に、月姫が最後の助言を与える。
「其方ら二人がこの地の闇を暴いたことで、新たな光が差し込むじゃろう。しかし、道はまだ遠い。次なる試練が待っておる。」
セレナは深く頷き、「ありがとうございます、姫様。」と礼を言う。
一方、凛は複雑な表情を浮かべながら呟く。「真実を追う…それが私の役目なら。」
月姫は二人を見つめ、満足げに微笑む。「汝らの覚悟を見た。これからも見守っておるぞ。」
月姫の姿が消え、夜の闇に包まれた邸宅を後にするセレナと凛。互いに無言のまま別々の道を進むが、心の奥には同じ決意が芽生えていた。
次回予告(伏線)
最後のシーン。セレナが手にした名簿の端に刻まれた一つの名前がアップにされる。それは、凛が信頼する上司の名前だった――。