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暁の影(シャドウ)最終話序章・Ⅱ“秘宝の奪取、そして逆転”

秘宝奪取作戦

栄角邸、地下金庫前――。

セレナは息を潜めながら、厳重なセキュリティを突破してきた。
最新鋭のレーザーセンサー、指紋認証、虹彩認証――それら全てを、大門龍星がハッキングにより無効化する。

「この先が最後の金庫だ。」

龍星はノートパソコンの画面を睨みながら言った。

「開けるぞ。」

金庫のロックが解除され、扉がゆっくりと開く。
そこにあったのは――最後の秘宝。
虹色の光を放つ、それまでとは違う特別な輝きを持つ石だった。

「……ついに、最後の一つ。」

セレナは秘宝を手に取り、慎重に懐へとしまう。

「行くぞ。」

龍星とともに、二人は栄角邸を脱出する。

2. 駿河台研究所へ

「次の目的地は、駿河台の研究所だ。」

龍星はセレナにそう告げた。

「なぜ?」

「そこに行けば、すべてがわかる。」

セレナは訝しげに思いながらも、彼の言葉を信じ、駿河台へと向かう。

3. 研究所の罠

駿河台研究所――。

セレナが中に入ると、そこには信じられない光景が広がっていた。
金庫前で別れたはずの大門龍星が、そこにいたのだ。

「……大門?」

「秘宝を渡せ。」

龍星の声色が冷たく響く。

セレナは一瞬、困惑する。だがすぐに直感が働く。
目の前の男は――本物ではない。

「……偽物ね。」

だが、周囲には無数の警備システムが起動しており、セレナに銃口を向けていた。

「今は抵抗しないほうがいいぞ。」

偽の龍星は淡々と言う。

セレナは歯を食いしばった。ここで無理をすれば、確実に撃たれる。

「……仕方ないわね。」

彼女は懐から秘宝を取り出し、偽の龍星に渡した。

すると、その場に新たな人物が姿を現した。

「さすがだな、怪盗セレナ。」

丹部栄角――。

法務大臣の地位を失ったばかりの男が、不敵な笑みを浮かべて立っていた。

「これで秘宝はすべて揃った。あとは、装置を起動するだけだ。」

偽の龍星が手にした秘宝をセットしようとする。

「……っ!」

セレナは拳を握りしめた。

「さて、ここからが最終章だ。貴様らの正義とやらが、どこまで通じるか見ものだな。」

丹部の笑みが、暗闇の中で不気味に光る。

次回:「覚醒する光、最後の戦い」へ続く――。

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