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秩父三十四ヶ所観音霊場 序章《クリエーター(トレーダー)様と遊ぶ企画 わらしべ長者・外伝》

私はとある理由で、家を失い全国を旅しているホームレスの女なのだが、今は住み込みで仲居として働かせてもらっている。
山に囲まれた都市、埼玉県秩父市は観光地として有名で冬には秩父市最大のイベント、秩父夜祭とかはよく知られているが実はもう一つある。
それが“秩父三十四観音霊場”と呼ばれる所謂お遍路さんと呼ばれるものだったりする。

『あの…この旅館の近くに札所があると聞いたのですが。』

旅館に来たお客さんから聞かれたのだが、当時私はお遍路というものを全く理解していなかったのであたふたしていたところ、女将さんがフォローしてくれた。

『そうですね、当旅館からだと国道140号線を道なりに進んで左に曲がればお遍路の始まりと言われる“一番”があります。逆に国道を長瀞方面に戻って左に曲がってそのまま進むと終わりの水潜寺というお寺さんがあります。』

お客さんはふむふむ…と女将さんの話を聞いていた。

『秩父にはお遍路と言われる巡礼のルートがあって一番〜三十四番まであるの。全部回ることができればいい事があるんだって。貴女も暇を見てチャレンジしてみるといいかもね。』

お遍路か…確かに楽しそうだし、願いながら回ればきっと願いが叶う。何よりもお遍路に興味を持ったお客さんにもアドバイスできるかも…と思った。

私はお遍路に興味を持った。

ネットで調べてみると確かに秩父のお遍路はあって一番有名な四国の次に有名らしい。しかも関西圏の札所を回る“西国”、関東圏を“坂東”、そして秩父周辺の秩父を合わせて“百観音”と呼ばれる霊場の一部らしい。

私は女将さんにお遍路をしたいと申し出た。

『秩父のお遍路は全部で34。つまり全部を回るには34ヶ所のお寺を回りきらないといけない。歩いて行くのも悪くはないけど、車で回るのも回り方の一つ。色々やり方はあるんだよ。お客さんにも説明できるし、仕事上必要な知識だから。』

私はますます興味を持った。私が休みの日とかに行ってみることにしたのだが、女将さんは車を貸してあげると言われたので甘えることにした。

基本的な巡礼スタイル、白衣といいますが普段着でも大丈夫ですよ。

総行程、約100km…頑張ろと思う。
(このストーリーは実際に巡礼をした体験を元に小説化したフィクションです。)

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