“読も” 2022年7月度 第30回|アルカラ
こんにちは。アルカラ稲村太佑です。
初めてARTHOUSEの扉を開いた瞬間。
今もしっかり胸に刻まれている。
そこから始まる音楽家ストーリー。
巻頭カラーの1コマ目。
1997年。高校2年生の春。
直近で目の当たりにしたバンド、生で見るライブの迫力や魅力に「あっ」という言葉すらも失い、ただただ衝撃を受けたバンド「LAZARUS」(店主昇平さんが当時活動)が「どうやらツキイチほどこのアートハウスに出演している」という情報だけを頼りに
鬼が出るか蛇が出るか
「階段」を駆け上がった。
スマホもインターネットもない時代。
どこにあるのか、そこにあるのか、一体、誰が出ているのか。未知への探求。不安と期待。伊豆ビル。3階。無我夢中で開いた扉を向こう。そこに立っていたのは
まさかまさか
ちょうどライブを終えたばかりの
LAZARUS(昇平さん)だった
ただただ導かれるままに辿り着いたアートハウス。今思えば、引き寄せの法則か何か、前世からの腐れ縁か、宿命なのか、ただの偶然か。ただその時、確かに心は躍っていた。そのまま呼ばれるかのように、数ヶ月後にはライブ出演、その後スタッフにもなった。
演者としても、スタッフとしても、ここで学んだことが偉大すぎて、もはや感謝してもしきれない。なんの迷いもなくこのストーリーを選んでいる自分がいた。
ステージに立つ楽しさ、喜び。怒り。憤り。汗。涙。悔しさ。夢。キラキラ。仲間との出会い。別れ。諦めない心。諦めたい心。去りいく背中。恋。慰め。勝ち。負け。覚悟。酒。飲まれた夜。ビールの「泡」の美味しさ知った日。「泡」のような日々。そして旅立ち。。。言葉では表現しきれない。
音楽家として必要な感情や経験の全ては
すでにこのARTHOUSEでいただいていたのだなと言っても過言ではない。だから、ただただ感謝しかない。
あの「階段」を駆け上がった日々。機材を上げ下ろしした日々。泣いても笑ってもあと明日1回のみとなりました。
そしてこの夢の続きは、昇平さんが新たに立ち上げた神戸では令和初のライブハウス「PADOMA」に引き継がれていきます。ただただ楽しみですね。また新たな巻頭カラー1コマ目。お祝いしにいきましょう。
あ。今度は機材搬入用の「エレベーター」がついてるらしいですよ。(出演バンドのみんなよかったね)
個人的に16歳から出演バンドとして、20歳からスタッフとしても、そして22歳から30歳までブッキングマネージャーとしても関わらせていただきまして、26年間の中、素敵な才能たちに出会い、刺激をたくさんいただきました。そして、その時出会った仲間たちと今も、音楽、あるいはそう遠くない世界で刺激し合いながら切磋琢磨しております。改めてその出会いに感謝申し上げつつ、この夢の続きの一翼を担わせていただけますと幸いです。イエー!!
「別れ、それはスタート」と書いてみる。
最後になりましたが、ARTHOUSEを愛する皆様のより一層のご健勝、ご活躍をお祈りしております。