人を変える力がある、実業家が語るDU|在校生インタビュー
今回お話を伺ったのは3期生の安信政裕さん(通称:安信さん)です。
岡山市で鉄工所の代表をしています。また、「NPO法人心の扉」の運営もしていて、ちょうど先日、能楽堂で狂言師の先生をお招きして500名を超える方々にご来場いただきました。
その他には山伏として大峰山に修行しに行ったり、地元の自治会メンバーだったり、バスケットボールのチーム運営をしたり…
気がついたら何役も担っていましたね。
DUに入学したのも経営者の集まりがきっかけなんです。会合の中で、あつよしさん(DU創始者:中村あつよし)に出会いました。当時はまだ大学はなく、僕も今とは異なる事業に熱心に取り組んでいましたね。
ジビエ料理で社会に貢献しようと活動していました。
実は捕獲したイノシシって多くが食べられずに捨てられてしまうんですね。会社の事業の一つとして罠の販売をしていることもあり、ジビエ解体工場をつくるなど、命を最後までいただく働きをしていたんです。
ですが、新型コロナウイルスが流行しはじめて2020年には続けられなくなってしまいました。
その後、地元の空き家問題に取り組むことにしたんです。
実は、父親が御津町(現岡山市北区、2005年に合併)の町長でして。合併時に父親がやり残したことを実現したいという想いがあり、実業家として町の課題を解決したいと取り組みはじめました。町には空き家の課題があります。
どうやって活用しようか模索していたところ、ちょうどあつよしさんから「ジビエまだやってるの?」と電話があったんです。
そうです。「自立自走する人が集まる大学を開くから一緒に学ばない?」とお誘いいただきました。
あつよしさんは、ゲストハウス開業合宿を主催するまちづくりの実践者です。僕たちの共通した考えは、「教育」という文字を変えるとしたら、地域が人を育むという「郷育」だということ。このような接点もあり入学を決めました。
自分がだいぶ変わりました。当初は村をどう良くしていこうか不安に思っていたこともあったんですが、「この夢は諦めるわけにはいかない、社会的にもやっていかなければ」という気持ちになりました。
毎回のゼミで、対話をしながらコンセプトを練り上げていくと、仲間が夢を応援してくれるんですよね。自分一人の夢だったのに、気づいたらみんなの夢になっていた。もうやるしかないですよね(笑)逆も然りで、僕も仲間の10年後を楽しみにしています。
僕の町にDUの仲間が来てくれたんです。「あそこに五右衛門風呂を置くといいよね〜」「空き家でジビエを作る過程を体験しながら、汗をながして最後にみんなで食べたらいいんじゃない?」と散策しながら、理想の町を構想しました。
外から目線と自分が思っていた町の魅力が一致しているところもあれば、全く新しい視点をいただくこともありました。
また、2022年の9月には実践フィールドのひとつの瀬戸内ライフに集まり、そこで町の未来構想図を描きました。
この図を岡山に持って帰ってきて自宅の客間に置いているのですが、町の人たちや、仕事関係の方、家族までもが「こんな町になったらいいよね!」と共感してくれて。どんどんアイディアを出したり協力してくれたりするようになりました。
DUには人を変える力があると思います。
僕はいくつか起業塾に入った経験がありますが、講師一人に対して何十人もの生徒という構図がほとんどです。一方で、DUは少人数のダイアログを重視しています。事業プランを2分ピッチした場合、ゼミ生からも教授からも意見をもらう。気づき合う水平教育ですね。
多様性があるところも特徴です。サラリーマンも実業家も学生もいる。いろんな視点が入ることで、新しい発見があります。
特に印象的だったのは佐藤正和教授のゼミ「社会起業家のアート思考」です。経営学の発祥の地とも言われる神戸大学の客員教授であり、いくつもの新規事業に携わっている社会起業家です。事業をブラッシュアップしていくビジネスモデルがとても勉強になりました。
悩んでいて自分の壁をぶち破れていない人でしょうか。
もしも心の中にやってみたいな〜というものがあるのであれば「DUでやってみようよ!」とおすすめしたいです。やりたいことはビジネス以外でも良いと思います。
1つは、旭川流域構想を練りあげています。
岡山には3本の一級河川があります。川沿いには宿場町だった郷がいくつもあるんですね。それぞれの郷に温泉宿の名残や、四季を楽しめる自然がある。旭川の郷同士が繋がって、子どもたちが育つ豊かな環境を作れたらと考えています。
このアイディアは自分の村の20件の空き家活用から出発しました。けれど、1つの村で成功したら別の村にも転用できる。社会的に意味のある活動になると信じています。
2つめは、空き倉庫を活用した緊急時物資支援センターをつくることです。
国際医療ボランティア団体AMDAの菅波理事長とのご縁から、このプロジェクトが始まりました。
岡山市は全国的にも地盤が強いエリアです。南海トラフなどの震災が起きた際に、ここを拠点とし四国や周辺地域へ支援に向かう想定をしています。
被災地へ送る支援物資や、AMDA派遣員の食料の保管庫として、空き倉庫を活用することにしたのです。使われなくなった田畑は、保存食に適しているさつまいも栽培に利用しています。
その他にも、バスケットチームの教え子たちと一緒に仕事するという夢もありますね。チャレンジする人の背中を押す役割を今後も担っていきます。
安信さんありがとうございました!
今後も多方面の活動の行方が気になりますね。DU4期はOBとしてチューターの役割をになってくれるそうです。
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