今回は、加藤直樹くん「ウクライナ侵略を考える 「大国」の視線を超えて』に関して色々私の考えを書いていくシリーズの続きです。
前回は:
第3章まで書こうとしたけど長くなったので2章だけです。ごめんなさい(´・ω・`)
今回は、基本的に第2章について書いていこうと思います。本当は3章まで入れたかったのですが、長くなってるので…ただまぁ、前回書いたように
と言う辺りは、このシリーズでは貫きますので、そこはお許しを。
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「思考の歪み」とは?というところから、危機センサーがどう働くかへの注意を払うことの重要さを考えていく。
第2章『「ロシア擁護論」批判① -- それは大国主義である』では、しょっぱなから「1 思考の歪みをどう見抜くか」と題して、2022年の2月24日に、ロシアが正式にウクライナと戦争を始めるまで関心のなかった自分が、どのようにして、即時停戦論や「ロシア擁護」を言う人達のような「思考の歪み」にならなかったか。ということを書いちゃってるわけですよ。
これねぇ、一見、もっともらしいことを言ってるんです。そして、人情家で勉強家である加藤くんが、どのようにして一方的なバイアスの情報にのめり込み・それとは逆の情報を拒絶して、エコー・チェンバーに身を投じていったか。ということを、非常に明白に告白してるという感じがするんです。
これは、右であれ左であれ中道であれ、全ての人達が気をつけないといけないことが何か。ということを身を以って示してもいる。
この文章だけだと、まぁ、基本的な手法は間違ってないよね。とはなるんです。でも、重大なところが欠けている。
「常識的な判断力」の限界。それは、戦時プロパガンダの特殊性への注意の払い方によって違ってくる。
それは、何か。
戦争にまつわるものや「世界秩序」の維持のような大きな利害とか、宗教的な大義、そして、日本だと表現規制問題や共同親権問題や水着撮影会への攻撃なんかで表面化してるような、イデオロギー的な「大義」の実現という問題が絡んでくると、そもそも「常識的な判断力」では対応しきれなくなるんですよ。
大きな利害や大義が絡んでる問題では、企業もある種の政治勢力も、長い時間をかけて「専門家」を絡め取り・マスメディアだけではなく場合によっては学会/学界をも取り込み統制して、片方に都合のいい見解で染めてしまう。それに反する見解は、事前に葬り去るような事が、普通に起きている。
「戦争」に関して言うならば、2011年9月11日のニューヨーク・国際貿易センターへ旅客機が突っ込んだ事件からイラク戦争とアフガニスタン戦争へとなだれ込んだときの日本やアメリカの流れがそうであったし(アメリカなんかは愛国者法などまで作ってましたよね)、そのような事は、シリア内戦で一気に進んでて、片方・要はアメリカやなんや西側の息のかかった人達に都合のいい話ばかりが「戦場ジャーナリズム」の左派の人達に信じられ・アサド政権側が一方的な悪魔としてみなされるという構図に陥った訳ですね。
「アメリカから〈自由〉が消える」 堤未果、扶桑社新書、2010
例えば、シリアの反政府派支配地域で人命救助に活躍し、シリア政府・要はアサド政権やロシアの非道ぶりを度々伝えつつ、反政府派支配地域での反政府派の人道犯罪行為を無視したり「嘘だ」と主張してきたホワイト・ヘルメットに対する評価が、西側とそれ以外でバックリ割れてたりするのがいい例でしょう。
一番最後に出した記事の一部の自動翻訳を載せますが、
この延長線上に、ウクライナ・ロシア戦争を巡っての左派の「認知の歪み」ができてると思うんです。
「反米をこじらせてる」というディスりの言葉が、まさに「認知の歪み」「思考の歪み」を象徴している。
戦場ジャーナリストの志葉玲氏が、開戦直後、ウクライナやアメリカの極端な経済制裁に対する批判や早期停戦論に対して「反米をこじらせてる」とえげつない言い方をしていましたが、それは、まさに、そういう、「認知の歪み」そのものだった。
※件の志葉氏ツイート「など」についての、私のツイート:
加藤くんも、志葉玲氏と同じラインで、2章以降を書いている。
「ウクライナ批判者は反米をこじらせてる」論を踏まえて、もう一度、本の内容に立ち返っていく。
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予告
近日公開予定である次回(5/19の未明時点で本番稿を書き始められてません!!)では、第3章+第4章(予定)を批判的に読み解いていきます。
この2つの章ではエマニュエル・トッドなどの「リアリズム国際政治学」を加藤くんがけちょんけちょんにディスり・「原理主義的反戦論」をメッタ斬りにしてる…ように読めるのですが?