見出し画像

【イギリス・カントリーハウス訪問記】600年の歴史ある邸宅と暗号日記

2023年9月末、イギリスのウェスト・ヨークシャーにあるShibden Hall(シブデン・ホール)というカントリー・ハウスに行きました。

今回の旅行で必ず行く!と決めていた場所の一つです。その場所が昨年初め頃見たBBCのドラマ「ジェントルマン・ジャック」の舞台だったからです。

ドラマの脚本はシブデン・ホールの当主だったアン・リスター(1791-1840)の日記が元になっている。そう!ただのドラマのロケ地ではないのです。

白と黒の模様が美しいハーフティンバーの建物が見たいのはもちろんですが、それ以上に興味があるのがアン・リスター。

ドラマの中で女性当主として屋敷を改造したり、鉱山経営を男性と競い合いながら行っていく。鉄道の将来を見て地元の人たちの方向転換をけしかけたり、旅をして新しいことを学び自分の糧にしていく生き方に、当時女性でこんな生き方をした人がいるんだと驚きました。

Going abroad always likely to do good. People should not grow mouldy at home.
海外へ行くことはいつでも良いことだわ。人は家に閉じこもってカビを生やすべきではないのよ。

アン・リスター, 1834年11月3日

そして、女性を愛した人ということでかなりスキャンダラスであったこと、自身の記録として大量の日記を残し、その一部には暗号を使って書いていたなんてちょっと驚きませんか?

シブデン・ホールの歴史や邸宅の中の様子、アン・リスターが残した暗号日記についてご紹介します。

ここから先は

3,657字 / 20画像

この記事は現在販売されていません

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?