『思わずクリックしたくなる バナーデザインのきほん』感想
こんにちは、みなえです。
久しぶりに本を読んだ感想を書いてみようと思います。
はじめに
先日の『COLOR DESIGN カラー別配色デザインブック』同様、ご紹介していただいた本となります。というのも、予てより自分のお品書きを気に入ってはいるものの見栄え的にはイマイチだと思っていて、「良いなぁ〜」と思うお品書きを出されている方にデザイン系で参考になる本はありますか、と不躾にも伺ったところ教えていただいたご本となります。
「デザイン」とか「センス」とか今まで簡単に言ってきましたが、最近は、何も思いつきで良い感じになるのではなく、そのような点に着目して学んできたことを本にしてくれた人がいたからこそ、誰もがわかりやすいとか、気持ち良い色使いとか、積み重ねによる集合知の産物なのだなと思いを馳せました。
こういう情報にすぐアクセスできる現代文明に感謝です。本って素晴らしい。
この本を読み始めるまで
バナーとはなんぞや。
インターネットに触れたことのある人ならば、おそらく「バナー」という言葉を聞いたことはあるでしょう。私もです。
「バナーをクリック!」のように、広告画像と共に見る文章だよな、と思い、本を読む前に今一度バナーの意味について調べたところ、本来は「旗」「のぼり」という意味ですが、インターネット上においては「広告主が自社の商品やサービスを宣伝するために使用される広告画像」ということだそうです。
大体思った通りで安心しました。
とは思っているのですが、同時に、私は個人サイト最盛期(pixv台頭前)にオタクの走りだったので、バナーとは、「個人サイトのリンクをする時に使用する画像でついでに直リン禁止である」というのを思い出しました。何もわからずにバナーという言葉を使っていましたね。
話を戻して、本のタイトル・表紙を見て、もしかしなくても「今の私が必要とする本なのでは?」と思いました。
私は二次創作イラストを嗜んでいるのですが、二次(に限らず) 創作イラストを描くオタクは、よく文字をイラストに書くことがあり、それは何かと問われれば「○○発売おめでとう」とか「○○記念」とか、季節イベントとか…etcということです。
とにかく絵を描くオタクは森羅万象を絵で表す傾向にあり、そこに文字も載せることが多いのです。
これってつまり、バナー(のような画像)では?バナーデザインの技術、お品書きだけでなく普通に二次創作イラストに応用できるのでは?
と思ってワクワクしました。
読む前のミリ知ら状態は不可逆であるので取り急ぎ上記書き留めましたが、はよ読めと思います。読みます。
本文を読んで
PART1伝わるバナーってどう作るの?
PART1は基本の解説とのことです。
実例に近い作例と共に「△の作例」「〇の作例」が提示され、たまに「xNG 例」の紹介もあり、一目でわかりやすかったです。
メリハリの説明では「サイズに差をつける」とあり、以前からお品書きにて実施(金額は大きく、説明文は小さく)できているなと思いましたが、「左右の幅を揃えて並べる」や「優先度の小さい助詞は小さくしてOK」など、意識していなかったけどすぐ取り入れられそうなポイントがあり、やる気が出ました。
「サイズに差をつける」を一目見ただけで「私はもうやってるぞ」と一瞬思った自分が恥ずかしいです。
でも、見様見真似も含め、自分が良しと思ってやってきたことがデザインの基本として紹介されているのを見ると、方向性として合ってはいたのだなと安心しました。
逆に、もっと早くデザインの勉強をしてみても良かったかも。
また、レイアウトの説明で、「囲みや色を工夫することで(中略)情報を整理」とあり、ここは私が最も苦手とするポイントだなと思いました。
特に「重心のバランスを整える」としているところで、NG 例で「重なりを避けるとこじんまりしてスカスカに」とあり、広告バナーを制作したことは無いのですが私が作ったとしたらこういう NG 例になりそうだなと思いました。
改善例の、良い感じに画像素材を重ねた作例や画像素材の置き方で重心を整えた作例を見て、一気に「デザイナーのデザインしたデザイン」に見えたので、ここで紹介されていたステップを自作品に取り入れてみたいです。
トリミングの説明では、「図形を部分的にカット」とあり、「図形の外周に注目する必要は無いので周囲を部分的ににカットすることで中の文字を読みやすく」とのことです。
この説明を読んだ瞬間、漫画の吹き出しの配置を思い出しました。
大事なのは吹き出しの中の「文字情報」であるので、今まで沼酸先生の真似してなんとなくでコマの端で切れさせたりしていましたが、このポイントを意識して必要に応じて図形(吹き出し)の一部カットをしたいと思いました。
でも、その「必要に応じて」がよくわからないのですが、幸いにも今漫画を描く機会が多いので、試しに行なってみたいと思います。
なんというか、1P1P 書いていけそうなのですが、文の主従が分からなくなる程抜き出してしまいそうなので割愛します。
「リズム」「視線誘導」は漫画に、「配色」「装飾・あしらい」はイラストに応用できそうです。読んでるだけで面白いです。
特にイラストの背景のごまかし方にいつも苦心しているので、配色の説明にあった「配色は3色 割合は 7:2:1」を実行するだけで方向性を固められそうで助かります。
PART2~PART7を読んで
PART2からは応用編とのことで、ビフォーアフターの作例で解説があり、「バナーお題」としてどういう条件のバナーを作るかという前提が提示され、より実例に近く、ページを捲るたびに思わずなるほど、と頷きました。
PART6までは見開き2Pで、左にビフォー、右にアフター、と載っているので、まずは左ページのみ凝視して(右ページを隠して)、「どうしたらもっと良くなるのか(何を大きくしたりレイアウトを変えるのか)」を考えながら読んでいるのですが、ぜーんぜんわかりません。当てられません。
「えぇ〜これ (左ページ)で十分な広告じゃん」と思いながら右ページのアフターを見ると、確かにアフターの方が洗練されていて読みやすいのですが、かと言ってビフォーの段階で自分ではアフターに至れず、烏滸がましいかもしれませんが気付けるようになりたいな〜と思いました。
紹介されているテクニックはどれも素晴らしいものですが、特に感動したものをピックアップしてご紹介します。
PART3の「文字を色で分解」の箇所で、文字(漢字)の一部を違う色にする、という改善を行っていたのですが、この色の配色を、先日読んだ『COLOR DESIGN カラー別配色デザインブック』から引用して、組み合わせて行なってみたいと思いました!
文字の一部の色を変えるだけで、こんなにもデザイン的に感じると思っていなかったので感動です。
この本の作例だとポップな感じですが、色を変えればゆめかわにもシックにも応用できそうで、試してみたいです。
同じくPART3の「版ずれ文字」も感動しました。ベタ打ちしただけのものから一転、抜け感がありオシャレに感じます。これも早く実践してみたいです。
「作字」は自分で応用するには難しそうですが、こういう作例を見たことを忘れたくないです。
ついつい私は縁取りだけで済ませがちな文字回り、この版ずれのように少しの手間(決して簡単という意味ではなく、クリスタを使って自分でも見様見真似で掛けられる手間という意味)でロゴ等に生かせそうなポイントが沢山あって楽しくなりました。
PART4の「帯を敷く」も心を打たれて、絶対このテクニックを忘れないぞ、という気持ちを込めて付箋を貼りました。
お品書きで一部実行していましたが、見出しの背景に囲みの帯を敷くことはしたことがありませんでした。つまり、今まで考えもしないテクニックであったということです。
知ってからだとこのテクニックが使われている広告が目に付くようになったので、目から鱗です。みんな知ってた。
前述の「版ずれ文字」の箇所でも書きましたが、私は縁取りで文字強調を頑張り過ぎていたので、そういう時は下に囲みの帯を敷けばいいのだと、明確に過去の自作を思い浮かべながら読みました。
コラムを読んで
コラムで「バナーを違うサイズに展開するコツ」という紹介があり、これは何に生かせるではなく単純に読んでいて面白かったです。
世の中の広告で、媒体や展示方法によってさまざまなサイズ展開で同じキャンペーン等のバナーがあることには気づいていたのですが、その工場見学ができた気分です。
こういうサイズ展開は同時に作るのかな、と思っていましたが、正方形に近いバナーを制作しそれを元に展開、とあり、「基準となるバナーを作ってからでも良いのか〜!」と妙に納得しました。
他にも、バナーデザインの練習として「模写トレーニング」を紹介しており、トレースや色スポイトをしない、と書いてあるところで「絵の練習と同じだ!」という感動を覚えました。
畑は違えど、感覚の養い方って似ているのかなと思います。
それと、「やってはいけない人物写真の構図」という紹介があり、これは以前何かで見たことがあったのですが、改めて納得して「やらないようにするぞ!」と思えました。
「首切り構図」「串刺し構図」「目刺し構図」の3点なのですが、漫画・イラストでも同様に応用できると思います。最も、漫画・イラストであれば背景との間にボカシを入れるなど、実写より避けやすいですが、気にするに越したことは無いと思います。
正直に言うと、肩以下を描くのをめんどくさがって、漫画のコマで「首切り構図」となってしまった自分の作品が何個か思い浮かびました。そういう時の対処法を考えたいと思います、
おわりに
この本は実例に近い作例が多く、それ故に例えば身近なチラシ1枚とっても、自分の思っている以上に色や配置などデザインを考えられているのだなと思えるようになりました。
世の中のどんなデザインにも作り手側のメッセージが込められていると思うと、自分の見える世界により深みが増しました。
スゲー!って感想だけに終わらず、(主に二次創作ですが)何かを生み出す側でありたいと思っているので、このスゲー!を自分の作品にも生かしてみたいと思います。
「はじめに」ですっかり忘れていましたが、私は絵を描く人であると同時にたまに動画を作る人なので、動画のサムネイルはまさしくバナーかと思います。この本で紹介されていることを一番ストレートに実践できそうです。
動画のサムネイルは動画内の切り抜きだけでなく、別に設定することもできるので早速生かしててみたいです。
とは言うものの、まずはそのアップする動画が無いと試せないですね。
いや、過去動画のサムネイルで試してみても良いかも!
おわり。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
またお目にかかることがありましたら、よろしくお願いいたします。
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