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【CWS】前半戦を振り返る
お久しぶりです。アルタです。早いものでもう7月。すっかり夏本番といった雰囲気です。いや、本当に早いですね、僕なんかこれが開幕後初Noteですよ。
さて、本題に入りましょう。
現状
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MLB最弱との呼び声も高いAL中地区で堂々の4位!!
地区首位(借金)まで6.0ゲーム!!!れ!!!
...少し解像度を上げると
OPS+ 85(30)
OBP .291(30)
ERA+ 96(20)
BB9 4.0(28)
と投打に大荒れ。そりゃ借金も2桁いくわな。
Benintendi以外の打者が揃いも揃ってフリースインガーなので、ホームランこそMLB平均の92本と少なくはないのですが、うち59本がソロ弾で得点数は324(24)と、得点には繋がっていません。
辛うじて接戦を演じても、量産型剛腕制球難リリーフ*が甘いボールをしばかれて試合を決定づける失点を喫するというパターンが多く、観ていて非常にストレスが溜まるものです。
さらに、開幕前のFarm System Rankingsでは26位、Total PayrollではMLB全体12位とそこだけはコンテンダーらしいのが、より一層悲壮感を漂わせます。
ここ数年のMLBで最もファンの期待に答えられなかったチームと言えるのは間違い無いでしょう。
*: ブルペン成績はERA 4.56(25), BB9 4.37(27), S09 9.50(11)
注目選手
Luis Robert Jr.
20年のデビュー以降怪我に悩まされ、昨季は自己最多の99試合に出場したもののHR 12, OPS .746と伸び悩んだRobert。シーズン前にはWBCにキューバ代表として出場し、チームメイトのYoan Moncadaと共にチームの準決勝進出に貢献しました。(ん?)
After review, Luis Robert is ruled out at second base
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) March 8, 2023
📺: FS1 and the FOX Sports App pic.twitter.com/ZztBd9Qu6l
そんなRobertは開幕から試合に出続け、81試合中78試合でプレイしています。正直これだけでもCWSファンからすれば「ちゃんと試合出れて偉いで賞」をあげたいくらいですが、今季のRobertがすごいのはそれだけではなく...
BA .269 / OBP .324 / OPS .885 / OPS+ 137 / HR 22 / RBI 43 / wRC+ 140
と自慢の打棒を発揮、チームの主砲となっています。
さらに守備でも、ヒューストンでの開幕シリーズから早速足を活かした好プレーを披露。ここまでのDRS 9 / OAA 8は、CFとしてあの守備の名手Kevin Kiermaierに次ぐMLB2位の数字です。
LUIS ROBERT! MERCY! 😱 pic.twitter.com/40HtFo4dWa
— Chicago White Sox (@whitesox) April 1, 2023
SO% 29.7 / BB% 5.0 / whiff% 33.8 が示すようにまだ伸び代はありますし、Robertに期待されているのはMVP級の成績なので満点とまでは言いませんが、前半戦のbWAR 3.7はMLB全体で4位と、確実にステップアップはできたと思います。
ちなみに今季から登録名にJr.が追加されたのは、英語圏の同名の子供にJr.をつける習慣を父親に話したところ変更を勧められたのが理由だそう。
Gregory Santos
昨年12月にSFジャイアンツとのトレードで加入した23歳のSantos。STでのアピールに成功し開幕ロースターに入ると、その後も順調に好投を続け、35試合40イニングでERA 2.70 / SO 39を記録。しかもBarrelになった打球はただの一つもなく、先述のガタガタなリリーフ陣の中では数少ない試合を壊さない選手です。
Santosの投球スタイルとしては、平均91mphのスライダーと98mphのシンカーの2球種をほぼ半分ずつ投げるというもの。特にスライダーはスピードと平均以上の変化量を両立していて、Run Valueは-10ととても優秀。
Gregory Santos, Filth. 😷 pic.twitter.com/zQ2TjfsoF2
— Rob Friedman (@PitchingNinja) June 24, 2023
徐々に信頼を勝ち得たことで最近はセットアッパーとしての起用も多くなり、今後のチーム状況次第では地位を確立していけるのではないでしょうか。
どうする?
これまでの内容と、今季または来季終了後にFAとなる選手を見れば、夏のトレード市場で売りに回るのは必定です。
確かに直近の再建からまだ3年やそこらしか経っていませんが、すっからかんのマイナーを見るにいくら待っても組織内からの大幅な戦力アップは見込めないですし、借金が13もあっては致し方ないでしょう。というか、ダメージコントロールとして必要なステップかな、と思っています。
では具体的に誰を売るのかという話になりますと、以下の候補が挙げられます。
Lucas Giolito
22年はERA 4.90と振るわなかったものの、ここまでは各成績でキャリアハイに並ぶペースで来ており、今季終了後のFAを前に調子を取り戻したかのようです。QOを提示することも考えられなくはないですが、昨季並のxERAと今夏市場に出てきそうな選手を見るに今が売り時かなと。
移籍先の候補はNL西地区のAZとLAD、または今年に全てを賭けてきてもおかしくないLAAあたりが思い浮かぶところです。
ちなみに個人的にはAZ→LAA→LADの順で可能性が高いと思ってます。
LADが保有期間半年の先発に対価を払うのかが不透明な点、LAAよりAZの方が3番手以降の先発不足が深刻でかつプロスペクトも充実している点が理由ですが、まぁ他球団ファンの戯言でしかないです。Kendall Graveman
22年開幕前に3年$24Mで契約をしたリリーフ右腕。昨季はwhip 1.40が示すようにやや不安定でしたが、今季はERA 2.70とチームトップの6セーブを記録しています。圧倒的な数字こそないものの実績もありますし、需要はある筈です。
ホワイトソックスとしても、歪なPayrollの最大の要因であるリリーバーを売りたいし売るべきなので、放出を模索するのではないでしょうか。
こちらの移籍先候補は、先述の3球団(AZ, LAD, LAA)に加えて、AL西地区首位を走るTEX等が挙げられます。Yasmani Grandal
オフェンスとフレーミングが売りの選手でしたが、今やそのパワーや選球眼は鳴りをひそめ、OPS+は96と平均以下。それでも捕手というポジションを加味すればまだ評価できるのですが、問題は守備のパフォーマンスが下降の一途を辿っていることです。
正直今年の買い手でかつ捕手が明確に穴になっているチームは思い浮かばない上に半年しか保有できないので、プロスペクトが貰えないならキープする選択肢も有りますが。
本来ならここにJoe KellyやReynaldo Lopezらの名前がある筈だったのですが、正に彼らは量産型剛(ryの筆頭ですし、そもそも彼らが抑えてたらここまで悲惨なチーム状況では無かったので順当ですかね。
おわりに
かなり感情を抑えて書いたつもりですが、このチームの問題はもっと根深いと思っています。
というのも、以下の3点のように
Total PayrollはMLB全体12位
そのうちリリーフに割いているのは$42M / 23.04%で額、割合共に3位
チーム史上最高額のFA契約は昨オフにBenintendiと結んだ$75Mの5年契約
金があるんだかないんだかよくわからないムーブを繰り返しています。いや、動かせる金はあるはずなんです。なんせオーナーのJerry ReisdorfはNBAのブルズも所有するビリオネアですから。ただそれをスター選手の獲得資金に使うのは怠り、代わりに短期的にリリーフに投資して「コンテンドしてる感」を見繕った結果が今の焼け野原を作ったのではないでしょうか。
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MLBのオーナーが全員CohenやSeidlerのようなファンにとっての聖人オーナーではないのは理解していますが、かといってそれを許容できるかは別の話。
取り返しのつかない状況になる前に諸悪の根源を断たなければいけません。
ここまでお読み頂きありがとうございました。各月毎の振り返りは以下のスーパートミーさんのNoteに詳しいです。合わせてお読みください。
参考
球団公式Twitter(サムネイル)