よりより研修②五感を研ぎ澄ませる
館内ツアーのための探索
深い理由はないけれど、ドイツ語の勉強を再開した。
大学時代、第二外国語で選択したドイツ語の授業が意外と面白く、それ以上に当時サークルもアルバイトもしていなかったのでかなり暇で、半年の基礎講座が終わった後も独学でコツコツ勉強。それがのちの語学留学とバックパッカーの旅という大学生活のハイライトに繋がるとは思ってもみなかった。
とはいえ専攻も将来の夢も全く異なるため、徐々にドイツ語から離れ、もはや社会人になる頃には知識の貯金もほぼつきかけた。
…が、存外まだ残っていた小銭はあったようで笑、簡単な挨拶だけではなく、人称変化などは割とスラスラ出てきた。しかし単語の性や文法はほとんど覚え直し。先が長いけど、別に誰から言われてやるものでもないし、マイペースにやってみよう。どうなることやら。
アートコミュニケーター「よりより」研修の第2回。梅雨明け前なのにセミの鳴き声が大きく響く中、いそいそ美術館へ。
今回のテーマは「館内ツアーの内容を検討する」。長崎県美術館では子どもたちに展示作品を案内しおしゃべり鑑賞をサポートするだけではなく、特徴的な施設自体を案内するツアーも実施している。普段は入れないゾーンも見学することができるとあって、子どもたちからも好評のようだ。
今回もグループごとに分かれて席に着くが、最初は個別ワークに取り組むことに。各々美術館内を歩いて、自分なりの魅力や見所、疑問などを付箋にどんどん書いていく。なるほど、子どものような目線で見ていけばいいのかな。
稲佐山が笑ってる
とりあえず歩こうと1階、2階、屋上とブラブラしたものの…いや、ダメだ、ホントこういうの苦手。素材、音、明暗、デザインetc、確かに興味深い美術館だけど、なんか子どもにガイドするにはカタイ魅力ばかり気付いてしまう。
これまでの研修のなかで館内ツアー体験もあったので、美術館の建物のコンセプトや一部材料の由来、デザインの意図などは知っていたけど、そういうのじゃない、もっと素朴なポイントを見つけるのが難しい。「ガラス張りのエレベーターって珍しい」「芝生がフカフカで気持ちよさそう」とか、いや、もっと何かないのか自分…。
途中で同じグループの方に聞いてみると「屋上から見える稲佐山、あの道路のところの影が口みたいで、笑ってるように見えません?」と笑顔。うおーなるほど。そういう視点ね!(どういうこと)。
結局大した見どころを見つけられないままグループワークへ。他の方からは「運河近くにカニがいた!」とか「植物、ミントっぽいのがあった」、「オシャレな公衆電話が新鮮だった」などユニークな見どころ・魅力がわんさかと。んーこれは参考になる。頭のカタイ自分には浮かばなかった視点ばかりだ。
今回もグループでまとめた付箋を模造紙に貼って最後にプレゼン。せめてもと今回も発表役を担った。
次回は今回の気付きをもとに、グループごとに館内ツアーのコースや内容を話し合って決めていくそう。かなり実践的な内容になってきた。そして8月から「おしゃべり鑑賞ツアー」のサポート役も勉強の一環で申し込めるらしい。百聞は一見にしかず。早く申し込んで現場を見てみたいところだ。