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yoshitomo Nara


AZabu hills

日本の美大と大学院を卒業した後、ドイツのデュッセルドルフに渡って美術を学び、ケルンにスタジオを構えて、結局ドイツでは12年間暮らしました。

最初は誰も知り合いがいないし言葉も通じず、孤独な日々を過ごすなかで思い出したのは、子どもの頃に過ごした青森の気候でした。
日が暮れるのが早く、ほとんど毎日のように厚い雲に覆われた、暗くて寒くて長い青森の冬。
それは他の人にはない特有な経験であり、あの青森での記憶が自分の創作の核になっているんだと、ドイツにいる間にあらためて気づかされました。
僕自身が、どこに行っても仲間に入れなかったり、入りたくても誰も声をかけてくれなかったりする少年だったので。

著作権や著作者人格権は納品後も作者に帰属している

ご覧の通り、僕の絵はほとんどの場合、画面の中に一人しか登場しません。背景は単色になり、地平線も水平線も消滅してしまって。
そこには疎外感を覚えるのと同時に, 孤独が好き でも人恋しいという自分自身のアンバランスな精神が投影されています。
そういう矛盾は僕だけじゃなく、誰もが感じることだと思いますが。

小さなコミュニティの中なら、何かができるという確信はあります。

実際に昨年の夏には、北海道で子どもたち30人を集めて1カ月間ワークショップをし、一人ずつと交換日記のような絵を描き続けました。
子どもたちが描いたものに僕がちょっと付け足したりするんです。が、
その間、自分の作品は一枚も描けませんでした.

そこには自分のスタジオに籠もって絵を描くよりも、もっと目に見えないものを得られます。それがいつか違う形で僕の作品に現れるでしょう。

Copyrights
CINRA, Inc.

https://hillslife.jp/art/2023/08/18/yoshitomonara/




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