「プロ無職」 るってぃさんにインタビューしてみた
はーい、Art isの里見優衣です!
私はアートや芸術家さんとの出会いを求めて全国旅をしていますが、お友達から「面白い芸術家さんがいる」と言われました。
その人は「プロ無職」という肩書きで活動しているらしく、おもしろい人アンテナがビンビン反応して、紹介してもらうことになりました。
■るってぃ氏
プロ無職です
Contemporary artist based in Japan🇯🇵
Contact : rutty07z@gmail.com
HP:rutty07.com
Twitter:るってぃ/プロ無職
Instagram:@rutty07z
note:るってぃ/プロ無職
ーアートに興味を持ったきっかけは何ですか?
実は大学が美術系でもなければ、27歳になるまで美術館にも行ったことがなく、美術に興味がありませんでした。
ピカソやゴッホなど、アートやアーティストは自分とは縁のない特別な存在だと思っていました。
自分は2015年から会社を独立して、「プロ無職」という名前でブログやYouTubeの活動をしていたのですが、発信すればするほどシガラミ(言葉の限界)にぶち当たりました。
Twitterフォロワーは3万人にも達して、フォロワーの関心に引っ張られて、誇張したり誤解されてしまったり、言葉の持つ矛盾性に限界を感じました。
その頃から言葉にできないことを言葉を使わずに表現できるアートに興味を持ち始めたのです。
ーそこからどのような活動を始めたのですか?
まずは、渋谷東急ハンズで油絵具セットを買って、抽象画を描いて発信してくことから始めました。
まだ自分の作品に納得しているわけではないのですが、今はオーロラフィルムという素材を使った作品を作っています。
※オーロラフィルム…レジンなどに利用できるオーロラに光る偏光フィルム
ーオーロラフィルムを使った理由は何でしたか?
アートを始めたきっかけはインターネットやSNSへの違和感だったのですが、オーロラフィルムがSNSっぽく見えました。
1,000円でペラペラなのに綺麗で、さらには角度によって見え方も違います。
そのオーロラフィルムという素材を使えば、映えてそれっぽい作品が簡単に作れるのが、まるでインターネット社会を表しているようでした。
ー制作活動をする上でのコンセプトはありますか?
全体のコンセプトは「プロ無職」であること。
時々によって変わりますが、それ自体が問いです。
最初は働きたくないという理由でプロ無職になりましたが、例えば気が向けば明日オランダ行けるといったように、やりたいことが何でも自由にできるようになったら逆に面白くなくて生きている実感が持ちづらくなりました。
アートは実物のものを作ったり、展示しに会場に行ったり、そこで人と一対一で話したり、お金がかかったりと、インターネット上で活動してきた自分にとって死ぬほど効率が悪いと感じますがそれはそれで楽しいです。
ー影響を受けたアーティストや作品はありますか?
最近だと、コンセプチュアル・アートの第一人者として国際的に高い評価を得ている河原温さんが挙がりますが、彼はバケモノです。
死ぬまで自分の存在を隠し続けて、その日の日付をキャンバスに書き続けているのですが、「日付」という普遍的な数字を使っており、時空を超えて100年後も残るような作品だと思います。
アーティストは自身が生きた時代にある人類の問題点や課題点をアートとして表現しているのですが、そのように永久的・普遍的に自分の作品が残るようなメッセージを考えたいです。
ー制作活動の目的は?
考えたことなかったですが、暇なので生きる実感が欲しいからですかね。
ー制作活動をしていて辛いときは?
アイデアが出ない時です。
やりたいと思っていたことは過去どこかの時代に誰かが既にやっていることが多いですし。
ただ、根がポジティブなので辛いことがあっても大体は忘れています。
ー制作活動を続けていく上で困っていることは?
アート界特有のルールやお作法に対して、自由がないと感じます。
ー大事にしている価値観や人生観は?
「柔軟に」です、プロの無職なので。
ー今後の野望は?
国際的なアーティストになりたいです。
やはり、日本ではアートで食べいけないと考えているので。
あとは、アーティストという肩書きに規定されず生きていきたいと思います。
ダンス、言葉、音楽とか好きなものを表現することはやめません。
ーあなたにとってアートとは?
生きがいとか、崇高なものとして捉えてないので、そう言いたくないはないです。
自分にとってアートとは、生活そのものです。