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「アートでおしゃべり」体験者インタビューVol.03 京王電鉄株式会社 菊池祥子様

フクフクプラスが展開する、チームビルディングのためのプログラム「アートでおしゃべり」。実際にご体験いただいた企業の皆さまの声をご紹介する体験者インタビューリレーです。
(インタビュアー:磯村歩、文:服部しのぶ)

第3回目は、京王電鉄株式会社 開発事業本部開発担当 菊池 祥子さんにお話をお伺いしました。

鑑賞会やっている様子_all

コロナ禍で高まる「連携」への意識

-- まず初めに、菊池さんの現在の業務内容について教えてください。

菊池さん(以下:菊):私は京王電鉄の開発推進部に属しており、開発担当をしています。沿線でいくつかの場所を担当していますが、今担当している中で一番大きなところは、今年(2022年3月)に開業予定の下北沢の高架下の開発です。

-- 開発業務では、会社を超えての連携が多いのでしょうか?

菊:すごく多いです。建物を建てることだけを考えても、もちろん自分たちだけでは出来ないことですし、その建物を建てただけでも意味がなく、そこに魅力的な方々に集まっていただきたい。そういう意味で本当に多くの人たちと関わる部署にいると思っています。


-- 具体的にはどういった方々との連携や、関わることが多いですか?

菊:建物を建ててオープンさせるまでが私たちの仕事ですが、その中でも大きく分けると建築に関するハード面と、どういう方々に集まってもらって、そこで何を起こしていくか、というソフト面の2つの分野に分かれています。ハード面で言うと、設計についての話、行政、施工会社との調整や協議などの内容が多いですが、一方ソフト面は、魅力的なテナントを誘致し、出店が決まった後は開業に向けての店舗づくりを協議したり、オープン間近には実際にそのお店で働く方々、例えば店長さんたちとその場所をどうやって盛り上げていこうか、というような関わり方をしています。

-- そういった外部との繋がりもたくさんある中で、今回プログラムにご参加いただいたのは皆さん同じ京王電鉄の方でしたよね。外部との連携や繋がりだけでなく、日常業務の中、社内での繋がりやチームビルディングについての問題意識も普段からあるのでしょうか?

菊:私の所属する開発事業本部の他に、弊社には鉄道に関する事業部がありますが、私自身意識してお互いに連携するところまでいっていませんでした。ここ数年、コロナの影響もあり電車の乗客もすごく減っていますし、人の移動も少なくなり街に訪れる人も減ってきたというところで、お互いに苦しい状況の中、全社的にもこれからはもっと連携していこうという意識が強くなってきています。
また、開発担当の中でも私達は“作る”側の担当ですが、作ったものを“運営する”担当がいます。今回プログラムに参加させていただいたのは “作る”担当のチームメンバーと、ショッピングセンターを “運営する”担当のチーム、その2チームの合同メンバーです。下北沢の高架下開発でも2チームは今一緒に仕事をしていて、今後は開発担当から運営担当へ仕事が移管していくような段階にいるので、より一層の連携強化が必要なので、チームビルディング研修にこのメンバーで参加してみると良いかなと考えました。

「みんなの得意なことは何だろう?」サーヴァントリーダーとしての考え方

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プログラム参加者へ贈呈している記念品のミニ額装アート


-- チーム内でも、今のテレワーク時代にコミュニケーションの良化等について、何か課題感はありますか?


菊:弊社は現状完全テレワークではなく、チームを2つに分けて交代制での出社を行っています。そのため全く会わない、と言うことはないのですが、チームメンバーが一堂に揃うような機会はこれまでと比べてとても少なくなりました。私も実際、今の担当に着任して1年半ほどですが、歓送迎会も1度もやっていないですし。
今回参加したメンバーは、幸いこういった状況の中でも特に大きなコミュニケーションの問題や課題を抱えているわけではありません。ただやはり同じ担当内にいても、コロナ禍でなかなか実際には会えず「はじめまして」のメンバーもいるので、こうしたプログラムに参加することでお互いをより深く、相手の人柄を知ることが出来たり、まだ顔を合わせていないメンバーとも実際に次会ったときに話すきっかけが生まれたら良いな、という思いがありました。

-- そういった課題に対して、普段の業務内で何か工夫をしたり、外部の研修を受けたりすることは今までもよくありましたか?

菊:チームで仕事する時に私がいつも思うことは、「みんなの得意なことは何だろう」ということです。チームビルディングというか、リーダーシップのあり方として、パワーで牽引していく形のリーダーではなく、奉仕、サポートする形のサーヴァントタイプのリーダーシップが自分には近いと思っているんです。なので、皆さんの得意なことが何なのか、どこまで相手に任せられるのかという、性格と力量みたいなものを見ながら業務を進めて、その中で個人の足りていないところや得意そうなところをどうしていくか、というようなことをよく考えて工夫するようにしています。
ただ、そういった普段の工夫以外に、研修プログラムへの参加などは基本的には社内の人事が仕切っていることなので、チームリーダーが単独でお金をかけて何かをやる、ということは普段あまりありません。


「他の人の目の付けどころは自分とは違う」体験から改めて気づく“視点”の違い


-- では今回アート鑑賞における研修プログラムをご体験いただいて、改めてのご感想や、何か印象に残ったことはありますか?


菊:まず率直に、すごく良い時間を過ごせたなって思います。特に今は開業を控えていて、忙しさから頭はフル回転していても、一つ一つじっくり考えてみたり、多方面から見てみようというようなことはあまり出来ていないという反省もあります。もちろんそれが必要な仕事内容の時もありますが、改めて立ち止まって、みんなの意見を聞いてみようとか、5分間ゆっくり時間をとって絵を見てみましょうとか、そういう一つに対して丁寧な時間は日常ではなかなか取れないですし、とても新鮮でした。
印象に残っていることとしては、他の人の目の付けどころは自分とは違う、というところ。日常でもそれは同じで、「そういうものだ」とはもちろん思っていますが、頭でわかっていることと実際に体験して気づくこと、感じることは違うと思うんです。参加したメンバーの中でも、普段からよく知っているメンバーに対して、「この人はやっぱりここを見てるんだな」とか「逆にこっちを見てるんだ!」というような気づきや驚きもあって、それは知っているメンバーだからこその面白さがありました。

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チーム全員で考えたアートのタイトル

-- 先ほどお話しされていたサーヴァントリーダーとして、メンバーの強みをどう活かすか、どう定義するか、ということと、今回のプログラムの体験は何か連動する部分はありましたか?

菊:そういった面で言うと、今回新鮮だったのは自分の部下同士の関係が改めて見えたというところですね。例えば普段私と私の補佐である部下、さらにその下の部下という3人で仕事をすることがありますが、私から見た補佐という立場と、さらに下の部下から見た補佐は、立場が同じでも見え方の違いがあるんだな、ということに改めて気づかされました。360度評価じゃないですが、下からはこういう風に見えてるんだ、なるほどね、という新鮮な驚きがありましたね。例えば、下の部下からは頼りになるからと何でも頼られている補佐が、私から見ると業務量が多くて大変そうに見える、じゃあそれをどう解決するのか。下の部下にもどうやって仕事を振り分けていくかとか、どうやってそのことを伝えていくか、その面では(今回の体験が)今後のチームビルディングに活かせることだなと思います。

記念写真

プログラム参加後のチームメンバーの皆さん。楽しげな雰囲気が笑顔に表れています。

-- そうやって気づいたことをどんどん活かしたり、次に繋げていくことがチームビルディングには大事ですよね。研修への参加はもちろん一回ですべてが済まされるわけではなく、参加するメンバーによっても結果は変わりますし、状況によっても変わってくると思うので、その中でリーダーは毎回新しい気づきや、どんどんトライアンドエラーを繰り返して、少しずつチームをほぐしていく、チームを築いていくのが必要なんじゃないかなと感じます。

菊:そうですね、例えば今回のように体験が終わった後のアンケートひとつにしても、近しい関係のメンバーには自分から今日どうだった?と聞くことはできますが、実際にはなかなか全員に詳しく聞くことが出来なかったり、その人がどういう風に感じたのか、実際にその言葉通りに感じたのかなど、本来はそういったところからその人の内面も見えてくると思うので、それを可視化できるツールとして、1回やったら終わり、ではなく、フォローアップもしていただけるととても良いと思いました。
しかしながら、正直、一般的な会社としてはチームビルディングに外部の力を入れて手伝ってもらう、というような考えが今のところあまりないかなと思いますし、それを理解してもらうのはなかなか難しいようにも感じました。でも、私自身は受けてみて良いなと感じましたし、例えば今後はショッピングセンターの現場のリーダーや店長たちの研修プログラムにしてみる、なども検討できるかな、と思いました。

-- 私たちのアート鑑賞プログラムも、もちろん一度やったら終わり、ではなく、終わった後のフォローアップを大切にしています。定期的な開催や、違うメンバーでのご参加もぜひお待ちしております!


本日はどうも有り難うございました!


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