対話型鑑賞ファシリテーター活動報告①
先月、美術系YouTuberいとはる氏が
運営するアートコミュニティArtousで
対話型鑑賞のファシリテーターを務めました。
10人ほどの鑑賞者を相手に、
全3セクション行いました。
今回はそんな対話型鑑賞イベントの
振り返りと感想をご紹介致します。
対話型鑑賞とはなんぞや?
という方はこちらをどうぞ↓
鑑賞者の属性
まず始めに、今回鑑賞者として
参加して下さった方々は
同じコミュニティのメンバーです。
当然、アートには興味があって
中には美術史を猛勉強していたり、
美大卒業生の方もいました。
そんな鑑賞者を前に
どんな作品でVTSを行うかは
ファシリテーターの腕の見せどころ
でもあります。
有名絵画は選択肢から外した
で、まず確認しておきたいのが
VTSは作品の背景や知識を
話すものではないということ。
そして今回の鑑賞者の多くは
知識を蓄えている人が多いです。
そんな方々を前に超有名な絵画で
「知識ではなく主観で作品を見ましょう」
といっても通用しにくい場合があります。
いえ、もっと詳しくいうと
きちんとVTSの趣旨を説明すれば
とりあえず形にはなるのだけれど
知識のフィルターを取り払うのが難しい
という鑑賞者が出てきてしまいます。
特にそれまで専らアートは
知識で鑑賞していくものという
スタイルでいた方に当てはまります。
そこをあえて有名絵画を使って
知識ではなく主観でアートを楽しむこと
を体験させるというデザインも
なくはないと思ったのですが、
(フィルターを)取り払えなくて
本来のVTSを楽しんでもらえないという
リスクもあるので、
今回は有名絵画を取り払いました。
3作品目は試験的な内容にした
対話型鑑賞はデザインによって
内容が大きく変わるものですが、
その1つに時間内に何作品やるのか
も大きな要素になります。
コンパクトに1作品だけの場合もあれば、
2時間程度でじっくり3作品行うという
デザインもあります。
そこで経験したことない方には
わかりにくい感覚なのですが、
VTSは作品数を重ねるごとに
鑑賞が深くなっていきます。
私はこのことを勝手に
鑑賞する目のエンジンがかかっていく
と表現しています。
個人差はありますが、
対話型鑑賞を重ねていくほど、
であったり
などの声があったりします。
つまりVTSを重ねることで
鑑賞の目が養われていくのです。
これをファシリテーター目線で考えると、
1作品目は何が描かれているのか
わかりやすい作品でVTSを行って、
3作品目には抽象画であったり、
シュルレアリスムの作品など
解釈の幅が広い作品を使っていく
といったデザインにすることがあります。
簡単なものから難しいものへ
このようなイメージですね。
(ここでいう簡単・難しいとは
意見を言いやすいか否かなどを指します)
具体的には、
↑のような作品は
その作品が好きか嫌いかは別として、
・なにが描かれているかはわかりやすい
・ある程度ストーリーや場面の推察がしやすい
作品だと思います。
一方で、
↑のような作品は
・何が描かれているのか
・なぜこれを描いたのか
などがわかりにくかったり、
解釈の幅が広い作品であると考えます。
このようにファシリテーターは
何番目にどの作品を持ってくるのか
なども意識して企画しています。
で、今回のArtousVTSでは
2作品を同時に提示するという
試験的な内容を行ってみました。
(最後のセクションで実施)
その実際の場面が↓
2作品を同時に提示し、
・左右を比較して共通する点
・左右を比較して違うと思う点
・左右の作品の関係性
などをオープンに
話してもらいました。
おそらくパッと見ただけでは
わかりにくいでしょうが、
最後のセクションで行うことで
多くの意見を発表してもらいました。
これを行った意図としては、
知識を蓄えた鑑賞者が多いからこそ
複合的なイメージや解釈を求めれば
知識で語るのは無理だと思ったからです。
本やネット上にあるのは
1作品ごとの解釈や解説、
画家の人生などですから
選んだ2つの作品の複合的な感想などは
知識では語れない→主観で楽しんでほしい
と考えてデザインしました。
わりと積極的に
意見を出して頂けたので、
楽しんではもらえたかなと思っています。
鑑賞者の感想
Artousメンバーの方々から
VTSの感想を頂いたので
一部をご紹介させて頂きます。
貴重な機会を設けて下さった
Artousの皆様には
改めて感謝申し上げます!
最後に
私は現在、
ココナラにてオンライン1対1VTSを
実施中です。
ご興味ある方は是非!
最後まで読んで頂き、
ありがとうございました!
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