大腸がん日記 70日目
前日、夕方の回診で担当の先生が来てくださった。明日からは年末年始で先生方が交代制の当番になるそう。10月からの2か月間お世話になりました。また来年もよろしくお願いいたします。
入院7日目 術後4日目
痛みは日に日に良くなっている。本当に。どんどん良くなる。体ってすごい!
しかし、右側だけは痛み止めを入れてもずっと痛い。安静時でも痛いのなんでだろ?おへその長い大きい傷よりも痛いなんて不安になる。
それでも気分はかなり良い。朝の身支度を終えて、術後初めてあちこちへLINEした。これまでまったく連絡する気力が湧かなかったの。知らない間にデジタルデトックスもしてたのね、私。
少しだけど荷物も触ってみる。読みかけの本とかマスクとか靴下とかお買い物マイバッグとか、そして音楽用に持ってきたスピーカーも出せた。またあるおさんのトスカを聴く。素敵。
今日から病院がお休みだから外来フロアを歩きに行ってみた。ほとんど人がいないから、自分のペースでゆっくり歩いても誰の邪魔にもならない。快適。
ただし、通路の8割方はエアコンが効いていないから寒い。早々に部屋に戻り、上着と小物で防寒をして改めて出発した。30分続けて歩いても歩数は2000歩程度。これ以上歩くと傷だけでなくお腹全体が痛くなってくる。午前中の散歩はここまで。
お昼から食事が始まった。正直、ご飯を食べられる喜びよりも、桃ドリンクから解放された嬉しさの方が上回っているが。
術後初めての食事は重湯、具無しのお味噌汁、くず湯、牛乳。
私ね、牛乳好きじゃないの。カフェオレとかなら全然OKなんだけど、牛乳単体はね……ごめんね牛乳。
好きなものは最後に食べるタイプなので、必然的に最初が牛乳になったのだけど、これが意外とイケたの、不思議。牛乳のあのモヤモヤが口に残る感じはやはり好きじゃないんだけど、世に言う「ミルクの甘さ」とはこのことか。
夕食はお味噌汁がコンポタみたいなスープに。大変美味しうございました。
それにしても、重湯が重い。こんな飲み物だけみたいなメニューなのに、完食まで30分以上かかってしまった。
午後は介護士さんがシャンプーしてくれた。これがねぇ、とっても気持ちよくて贅沢な気分になれたの最高だった。ありがたい。
午前中にお尻の管が取れて、かなり楽になった。気のせいだろうけど痛みも和らいだように感じる。
看護師さんには着替えてよいと言われたけど、やはり心配でまだオムツにしておく。だって術式が低位前方切除に変わっちゃったんだよ。排便障害が起こるんだよ。こうなるなんて思ってなかったから便失禁用のパッドも用意してないし、コンビニにも売ってなかった。もし失敗したら、こんな痛みを抱えながら洗濯しなきゃいけないし、困ったなぁ。
夜勤の担当の看護師さんに相談してみたら「まだ流動食だからね」って。そうだよね、食べてないんだからお腹は緩くなるし、食事が変われば様子も変わるよね。
言われるまでまったく気付かなかったよ。かなり大きな希望が見えた気分。
看護師さんからしたら当然のお話なんだろうけど、この先ずっと排便障害に悩み続けるんだと思っていた私には、この看護師さんの一言は大きな光となった。ありがとう。
そのとき流れていた曲は大好きな「晴れのちケルト」。こんなに気持ちとマッチする曲がちょうど流れてくるなんて、不思議。