大腸がん日記 66日目
さあ、ついにやってきたメインイベントの日でございます。とはいえ、覚えていることは少なく記録できることはあまりないんだけど。
入院3日目 手術当日
本当にぐっすり眠って朝6時に起床。検温して身支度をどんどん済ませる。ピアスを取って、髪を結わいて、手術着に着替えて、着圧ソックス履いて、あっという間に完了した。
回診前に先生も様子を見に来てくださった。個人の感想ですけど、外科の先生ってやっぱ体育会系だなぁ。私にはないあの元気な感じ、好き。
まだ使うために出していた洗面道具などもバッグにしまって、看護師さんからお呼びがかかるのを待つ。
もうね、さすがにドキドキです。昨日YouTubeにアップされたあるおさんのトスカをリピートして、ひたすら現実逃避してた。
この曲、最初の5秒でヤラれる。最後まで展開がドラマチック。動画でしか観たことないけど、非日常のオペラの世界に引き込まれる。本当に素敵だから現実逃避したいみんなに聴いてほしい。
看護師さんに荷物を託していよいよ手術室へ移動する。手術着で歩くのが寒い。生地は厚手なんだけど、緊張しているから寒く感じるのかな?
入り口で付き添いの家族と別れて、ここからは手術室の看護師さんに付いていく。何度も名前、生年月日、ネームバンドも確認する。あってはいけない間違いがないように細かい手順を踏んでいくのかな。そう思うと安心できた。
手術台に乗って上からシートをかけてもらうと、あったかい~ようやくカチコチの体が緩んだように感じた。看護師さんが右手に輸血用のルートを取ったり、体の傷の有無を調べたり、手際よく準備が進んでいく。一つひとつ、確実に。プロに任せる安心感をここでも感じた。
すぐに麻酔科の先生がいらして、左手に麻酔が始まる。マスクとキャップでハッキリしないけど、おそらく昨日、部屋に説明に来てくださった先生だと思う。たぶん。とてもていねいに説明してくださった頼もしい先生。
薬が入って眠くなります~
で、記憶がなくなる。瞬殺。
終わりましたよ~
で、目が覚める。手術台を離れてベッドの上にいるみたい。たぶん場所は手術室の中ではなく入り口付近だと思う。しかし痛い。
何なのこれ?聞いてないよ。いや、たぶん事前に説明されてるけど、想定外の痛みだよ。
そのまま手術の結果を聞く。事前の説明よりも大きく腸を切り取って低位前方切除術となった、と。
え、排便障害が残るやつじゃん。マジか。最悪。どうしよう。
そのまま長い通路を通ってICUへ。寒い。とにかく痛くて寒い。寒気で体が震えて痛みが増す。左手に痛み止めの追加ができるボタン、右手にナースコールのボタンを持って一晩を過ごす。
時計を見ていると、およそ10分毎にモニターのアラームが鳴って目が覚める。そのタイミングで痛み止めの追加をショットすると少し楽になってウトウトする。そしてまた10分後にアラームが鳴って……の繰り返し。しかし昼か夜かの区別はついていない。
手術の前は、私にできることなんて何もない、あとはプロにお任せ、切り取っちゃえば終了、としか思っていなかった。
痛み、寒気、のどの渇き、動けない辛さ、そして排便障害の不安。手術後ってこんなに辛いんだ。
このときは、今が最高潮に痛くて辛いんだと思っていたけど……
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