最新のお仕事|『別冊太陽 日本のグラフィックデザイン一五〇年』(平凡社)
『別冊太陽 日本のグラフィックデザイン一五〇年』(平凡社)の編集をお手伝いしました!
前半の作品図版の申請、つまり「所蔵作品の写真を雑誌に掲載したいのですが……」と所蔵先とやりとりをしました。
ポスターを中心に雑誌や本の装丁などの貴重な図版を多数掲載、研究者の読み応えのあるテキストとともに、日本のグラフィックデザインを振り返ります。
本を開くと、とってもインクの匂い!
巻頭は、東京都現代美術館の展覧会でも大きな話題を呼んだ石岡瑛子。
百貨店の広告を手がけた杉浦非水や当時の女学生の心を掴んだ竹久夢二、洋画家でもあり社会運動にも参加した柳瀬正夢、1964年の東京オリンピックのシンボルマークなどを担当した亀倉雄策、古典の美をグラフィックデザインに取り入れた田中一光——現役世代からは横尾忠則や浅葉克己らが取り上げられています。
東京オペラシティ アートギャラリーでの個展も予定されているイラストレーターの宇野亞喜良、虚構の世界をシャッターひとつで現実にする写真家の十文字美信のインタビューも必読です。
以前、『日本美術史 美術出版ライブラリー 歴史編』(美術出版社、2014)でも作品図版の申請を経験しましたが(大方同僚の子が担当していた)、こちらは時代の古い作品なので、所蔵先も明確で著作権の申請も必要ない場合がほとんどでした。
今回は近現代の作品がメインで、戦時中のポスターのように制作者や所蔵先が不明なものも多く、著作権処理も必要な案件もあり、難航しました。特に後者は身分や所属のないフリーランスには難しい案件で(一般の方の個人情報を扱うため)、チーフの編集さんにお願いせざるを得なかったので、あまりお力になれなかったなと感じています。
申請先は美術館や図書館のほか、企業や地方自治体など、各方面さまざまな方にお世話になりました。みなさん丁寧に、親切に対応してくださって、苦手な電話対応も落ち着いてできました。
誠に、大変、とても、ありがとうございました。
ビジュアルで圧倒されるのはもちろんのこと、資料性も高いので、デザインの勉強や時代の雰囲気を掴むのにも適した一冊です。