2019/11/24 vs Southampton(H)
1.プレビュー
2.レビュー
1.プレビュー
前節、レスターに完敗し、公式戦は5試合勝ちなし、プレミアリーグに限っては、4試合勝ちなし、最後に勝ったのは1か月半前と苦しむアーセナル。
エメリ解任もなくインターナショナルウィークは明けて、とりあえず今節は、彼に託すしか無くなってしまった。
一方のセインツも、公式戦は7試合勝利なしで、19位と今年も降格争いで苦しんでいる。
アーセナルが簡単に勝てるはずの戦いではあるが、セインツのアウェーの成績はリーグ8位と悪くはなく、油断は禁物である。
まず、ガーディアン紙の予想である。
arsenal 4-3-1-2
レノ
ベジェリン パパ ルイス ティアニー
ゲンドゥージ トレイラ ウィロック
エジル
バメヤン ラカ
Southampton 3-4-3
イングス
レドモンド アームストロング
ウォード=プラウズ ロメウ
ホイビュルク ヴァレリー
ベドナレク ステファンス ヴェスターゴーア
アーセナルの中盤は、セバージョス(ハムストリング)は怪我でアウト、ジャカは例の一件で出場微妙(今節出なかったら、チームを出そうだが)なので、選択肢はかなり限られる。
しかし、山中拓磨さん(@gern3137)によるとエメリはトレイラを、なぜ低い位置で使わないのかについて「守備的MFは攻撃力を備えていなくてはならない、ビルドアップは大事だからね」と答えているように、トレイラに信頼を置いて、底に一枚だけ置くというのは考えにくい。
一方で、ゲンドゥージとトレイラを並べて、その前に、エジルとウィラックを並べるようなフォーメーションは、エメリ体制下ではみない。
よって、4-2-3-1が最も現実的だ。
ウィロックの代わりに、ぺぺを右に配置し、前節と同じ中盤構成にすることが考えられる。
一方のサウサンプトンは、tektekさん(@tekmarsenal)の言うように、エジルがいるアーセナルの3枚の中盤に2枚の中盤をぶつけてくると言うのは守備的にかなり問題がありそうである。
一方、ガーディアン紙が予想するように、アーセナルの2トップの可能性も捨て切るわけにはいかないので、おそらくバックは3枚置いてくる。
よって、セインツは3-5-2が一番妥当であろう。
噛み合わせの面を見ていこう。
アーセナル攻撃
フォーメーション上、中盤の枚数は合っているので、サイド攻撃が鍵となる。
セインツとしては、オーバメヤン、ぺぺを1vs1で見るのはリスクが高いため、WB+サイドのCBで見る必要がある。
何回、深い位置でSBにフリーでボールを触らせることができるかでアーセナルの攻撃の良し悪しは定義されるだろう。
もう一つ、エジルが中盤の間で受けることができた場合は当然チャンスになるのでそこにも注目である。
アーセナル攻→守
セインツのツートップを2人で見るわけだから、当然ながら、ルイスとパパの対応に一瞬の隙間も許されない。当然だが。
そして、攻め上がったSBのスペースをトレイラ、ゲンドゥージがカバーしなければならない。
アーセナル守備
おそらく、前節と同じく、エジルはボランチをマークすることになるだろう。この仕事は問題ないように感じる。
tektekさんによると、セインツの攻撃の形は、ロメウから始まるそうなので、そこを抑えるエジルの仕事は今日は大切なものになりそうだ。
アーセナル守→攻
WBの裏を狙うオバメヤンはいつも通り最大のチャンスだ。
また、ここでもSBの上下動が大きな役割を果たすだろう。
これらのことから今日の注目選手は、
エジル
だろう。
2.レビュー
まずは、スターティングメンバーから。
アーセナル3-4-1-2
レノ
チェンバース ルイス ソクラティス
ベジェリン ティアニー
トレイラ ゲンドゥージ
エジル
ラカゼット オーバメヤン
サウサンプトン4-3-2-1
マッカーシー
ベドナレク ステファンス
セドリック バートランド
アームスト ウォード=プラウズ ホイビュルク
オバフェミ レドモンド
イングス
アーセナルは予想と反して3バックで登場した。
その狙いの1つとしてか、ビルドアップの際、特にゴールキック時は、ルイスが0.5列前に出てつなぎの役割を担っていた。
守備面での2トップで来うる相手への対策という点もあっただろう。
一方のサウサンプトンは4バック。これは意外だった。守備時の3トップのハイプレス、そして、中盤の人数を保証する代わりにバックは4ということだろうか。
前半途中から、4-4-2(レドモンドが一列下がる)となっていたようだ。
前半アーセナル攻撃
ビルドアップでは、3トップ(途中から2トップ)のハイプレスに苦しんでいた。ルイスが少し前でつなぎを担っていたが、そこまで効果的には見えなかった。
一方サイドにゲンドゥージが降りてくる時は、前進することができていた。これこそゲンドゥージの真骨頂で、安全な場所まで降りてきてくれることで、局面で数的優位を作ることができる。
相手陣地では、4バックに対して、CBとSBの間で効果的なポジションを取る、特にラカゼットのサイトではSBをうまく使うことができていた。
追いついた点も、CBとSBの間で受けたオバメヤンの動きでティアニーをフリーにしていた。
エジルの先見の明による3人目の動き、ティアニーのクロス、オバラカのクロスポジショニング、ラカゼットのワールドクラス反転シュートもまた見事だったが。
4ー4ー2になって、セットしてくる相手に対してはエジルのポジションが鍵になるだろう。サウサンプトンがサイドに人を配置したことでサイドでの優位は作りづらくなった一方で、中盤の枚数は優位を作ることができる。
その点でエジルに与えられるスペースは大きくなり、嫌なポジションをとりやすくなる。
前半アーセナル攻→守
サウサンプトンは3バックのWBの裏を、執拗に狙ってきていた。そういう意味でルイスのカバーリングは引き続き大切になってきそうだ。
また、トレイラに1枚カードが出ているところも懸念点ではある。
ラカゼットは、前半最後に自らのミスを取り返す形でイエローカードをもらっていたが、その戻りは、随所でチームを助けていた。
アーセナル守備
サウサンプトンの第一優先はWBの裏であるように見えた。オバフェミを中心にシンプルなボールも交えて裏を狙ってくるのに対して、ルイスは問題ない対応を見せていた。
ただ失点シーンでは、誰のせいとも言えないが、誰もボールを見ていなかった。非常にもったいない失点であった。
ソクラティスにもカードが出ているため注意を払った対応が求められる。
また、ペナ内を使われてロングシュートを打たれるシーンが目立った。バイタルエリアで、狭い距離間でパスを繋がれることが多く、少なくとも裏を取られないような対応が必要だ。
アーセナル守→攻
カウンターを発動するシーンはそう多くなく、オバメヤンのスピードを生かすシーンはあまりなかった。
後半スタート
アーセナル4-2-3-1
レノ
パパ ルイス
ベジェリン ティアニー
トレイラ ゲンドゥージ
エジル
ぺぺ オバメヤン
ラカゼット
サウサンプトン4-4-2
マッカーシー
ベドナレク ステファンス
セドリック バートランド
ウォード=プラウズ ホイビュルク
アームストロング レドモンド
オバフェミ イングス
アーセナル攻撃
ゲンドゥージからエジルの効果的な縦パスが何本も通っていた。ゲンドゥージが最終ライン左まで降りてきて、そこから一本でエジルに出すというのは2人がイメージを共有していたと言える。
エジルをこれから外す理由はしばらく見つからなさそうだ。
ティアニーに対してベジェリンのクロスは物足りなさを感じた。また、ビルドアップの際のソクラティスは怖さを感じる。
攻撃という面では1-2になったシーンから、チームから戦う様子はいつもどおり見えなかった。試合途中の解説であったように、このシーンで声をかけて鼓舞すべきはキャプテンである。オーバメヤンはそのような役割を果たさず、その一方でエジルやラカゼットにキャプテンマークを渡してもその役割を果たしてくれるかは一向に謎である。
アーセナル攻→守
失点したのはまさにカウンターによるPKだった。あのシーンまでは悪くない攻撃が続いており、まさにカウンターに気をつけるべきシーンだった。
ワンツーで軽くゲンドゥージはかわされ、3-3になったシーンで、ティアニーが前に入られて引っ張ってしまった。
そこまでのシーンでトレイラに加えてゲンドゥージもいい回収を見せていたので非常に痛い失点となってしまった。
アーセナル守備
セットした守備というシーンはあまりなかったが、あまりにも決定機を作られすぎた。奪ったボールをゾーンから抜けられず奪え返されるシーンが目立ち、そのままシュートなんてシーンも少なくなかった。
アーセナル守→攻
後半は前半よりも多くのカウンターシーンを作ることができた。ただ、ぺぺがエジルに出したシーンは、DFが間にいたし、GKにも読まれており、是非打って欲したシーンであった。
カウンターが強みの今のチーム構成である以上カウンターを活かすことができないなら負けに直結すると言っても過言ではない。
総括
今日も負けに近い試合だった。これでプレミアは5試合勝ちなし。山中拓磨さんが言うように、エメリがやることをやって、いつも、いいできだった、と言い限界を晒している以上、解任しないフロントの問題だ。エジルのチャンスクリエイトは5でチーム最多だったようで、エジルのチームをパスのチームを誰かが作り直さなければならない。本当に年末まで待つのだろうか。
柴