先生が教える授業なんてツマラナイ、意味ない。
キッズプログラミング教室アルスクール、代表の村野です。500人以上の子ども達とプログラミングを学んできていますが、プログラミングを学ぶ上でとても大切なことを書きます。
知識を教える(説明する)ことに意味はない
丁寧に教えてほしいとか、マンツーマンでみっちり教えてほしいとか、そういう声を聞くことも多いです。でも、それは実はあまり効果がありません。
プログラミングを学ぶ上で、子どもに口頭で説明しても、ほぼ意味がありません。理解しません。仮にその場で理解したように見えても、同じ問題も解けません。
授業というと、先生が板書したり、教科書を読んで生徒が聞いてノートを取るイメージがあるかも知れません。そんなやり方はプログラミングでは全然ダメです。
知識は教えてもらうのではなく、獲得するもの
ではどうしたらいいか。とにかくやってみる。いじくってみる。いじくる前に「こうかな?」と仮説を立てるのは素晴らしいです。でも考えるだけじゃダメ。とにかくやってみること。
「〇〇にするにはどうしたらいい?」と聞けば、子どもは正解することも間違えることもあります。どちらでもいいです。
いずれにしてもやらせてみる。正解しても間違えても「じゃあここを〇〇にしたらどうなるかな?」とさらにいじくらせる。
それを繰り返すと「そういうことか…」と子どもがぼそっといいます。その瞬間が理解しスキルを獲得しているタイミングです。
僕らは「正解する」ことに重きをまったく置いていません。正解したら次のステップに進むなど、ナンセンスすぎます。
大事なのは「理解し使いこなせるようになること」です。正解することではないんです。
教えすぎは子どもの成長を阻害する
アルスクールは自由な教室なので、体験会でも保護者の方がお子さんのレッスンを自由に見て回れますし、声がけも自由です。何なら他の子と話しても全然OK。
そうすると保護者の方が「あ、それ違うんじゃない?」など子どもを正解に誘導する声がけをされることが多いです。
保護者の皆さまが子どものためを思って声がけしているのはとても理解できます。なのでその様子も極力見守ります。
一方で、僕らスタッフは、「ケチだから答え教えないよ!」と子どもに伝えます。そして実際に、子どもを正解に誘導するようなヒントはあまりいいません。むしろ間違えてもいいから実験するような声がけをします。
正解に誘導する声がけの方が、もちろん、早く正解にたどりつきます。でも子どもの達成感は低いです。「大人のいうとおりやったらできた」という感想です。
一方で、苦労してでも自分でやりとげると「僕が(私が)自分でこれを作ったんだ!」となります。圧倒的にこちらの方が達成感があり、次の挑戦へ繋がります。
そして、理解度も圧倒的に後者のほうが高いです。正解することで本質的に成長はしません。思考し試行するときにこそ成長しているのです。
大人が正解に誘導することで、その大事な成長する時間を奪ってしまいます。子どもに正解してほしいのか、成長してほしいのか、どちらでしょうか。ぜひ考えてみてください。
体験会で実践してみせると、ほとんどの保護者の方は「そういうことかぁ」と納得してくれます。それだけ子どもの様子も理解も違うからです。
もちろん、子どもによって考え続けることができなかったり、めげてしまうこともあります。そういうケースで頑張らせすぎると、プログラミングが嫌になっちゃいます。
僕らは子どもの様子をみながら、そういう場合は早めに正解に導くことも多いです。
でもほとんどのケースでは、子どもは大人が思っている以上に頑張れます。
めげた直後に正解にもっていけば、すぐ切り替えて復活します。もっと子どもを信じても大丈夫です。
子どもが取り組んでいるのをじっくり待つのは、実際にやってみるとものすごく大変です。つい答えをいいたくなります。気持ちはすごく分かります。
そこを待てるのが僕らです。ご自身でうまくいかなればぜひプロに委ねてください。
とはいえ、ゼロからそれでうまくいくのかというと、それもなかなか難しいです。
プログラミングははじめの30分が壁が高い
全くはじめてプログラミングをやる子は、最初の壁がかなり高いです。なのでここは例外的に捉えた方がいいです。
経験値としては、ツールの意味を理解し軌道に乗る最初の20分〜30分くらいは、厚めに教えた方がいいです。
教える時間 : 試す時間 = 5:5 くらいです。
それを超えたら、あるいはその中でも子どもが自分でいじくりだしたら、教えるのをすっと控える。
次の1時間は 教える時間 : 試す時間 = 3:7 くらい。
だいたいこれくらいで、軌道に乗ります。
そしてその後は 教える時間 : 試す時間 = 1:9 くらい。これが一番伸びます。子ども自身、成長していることが分かるので、学ぶ面白さを感じます。だから継続します。
次のステップへいくタイミング
ただずっとそのままでいいわけではありません。
例えば小3だと、だいたい4〜8ヶ月程度で、その子の知識レベルだと試行錯誤をしつくします。
そうなったら、また一段上の知識・テクニックを教える時間を持ちます。Scratchでいうとクローンなどでしょうか。錯誤だけではたどり着かない、子どもが知らないテクニックを教えます。
そのタイミングではまた教える時間を増やします。子どもも知識欲が高まってるので、喜んで聞いてくれます。
教える時間 : 試す時間 = 3:7 くらいですね。
子どもが持っている知識で試行錯誤&創作をしつくすタイミングで、ポーンとテクニックを教える時間を持つことで、学びのループが回り続けます。
自調自考、自立・自律へ
エンジニアは自分で意欲的に学べるようにならなければ成長しません。アルスクールは、子どもたちが、やりたいことを自分で調べ自分で考え、自立・自律して学べるようになって卒業してほしいと強く願っています。
そして卒業しても、僕らスタッフをメンターとして慕ってくれて、たまに遊びにきてくれるようなコミュニティを作っていきたいです。
実際に、教え子が先生をやったり遊びにきてくれることも多いです。教える人、教えられる人ではなく、共に創り学ぶ仲間という関係性。レッスン中でもそれを強く意識していますし、それが継続していければ教育者としてこれ以上の幸せはありません。
無料体験会やってます!
そんなアルスクールですが、体験会は随時無料で受けつけております。ご興味ある方、ぜひ一度体験してみてください。