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【セルフインタビュー】謎解きゲーム「PARALLEL BOX」の箱に詰まった思いとは?(第4回)

2019年7月にスタートした箱なぞ型リアル謎解きゲーム「PARALLEL BOX」シリーズ。新作『TRAVELERS』が来月3月21日に福岡でスタートします。開催を記念し、過去4作の想いと新作について「インタビュー」形式でお伝えします。

前回の記事はこちら
「イーハトーブナイトメア」について

【第4回】Cageについて

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――第4回目です。徐々に太陽が昇ってまいりましたが、まだまだしゃべれそうですか?

はい。まだまだいけます。過去3回分についてもまだまだ話せる内容はあるのですが、そこはまたの機会にということで。

――分かりました。では、引き続きよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

――さて、2019年12月にスタートしたCageについて詳しくお話を伺っていきたいのですが。

分かりました。ストーリーについて、リンクで飛ばすとめんどくさいっぽいので今回からこちらに記載させていただきたいと思います。文章量多くなってしまうのですが、許してくださいね。

2019年某月某日。あなたは「鳥と会話できる」という類まれなる特技を持つことから、現在国のために働いている近衛兵だ。ある日、王女アンネリーゼ(6歳)が「とある花」を百科事典で見つけ、どうしても見たいとわがままを言ってくる。
困り果てたあなたはふと横を見ると王女が飼っている鳥の「カエルム」があなたに話しかけてくる。「私にお手伝いさせてください。 僕も彼女の喜ぶ顔が見たいんです。あなたにしか、お願いできないんです。」
あなたは、鳥の健康診断だと言い彼女の部屋からカエルムの籠を持ち出す。全員でなんとかして「とある花」を見つけ出そう。

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――時代背景が大きく変わり、2019年という時期設定が出てきましたね。過去2作を踏まえて何か心変わりなどがあったりしたのでしょうか?

はい。僕の中で過去2作はどちらも2019年に起きた物語だと思って作っています。ですが、書かないと伝わらないという反省を踏まえ、いつ起きたものかということを書くようになりました。初演2作で反省したことや気付きが沢山あって、その中の1つである「背景」をきちんと書く。ということをより意識してやるように決めました。

――そうなんですね。「反省したこと」や「気づきがあった」というところについて詳しく聞かせてもらってもいいでしょうか。

分かりました。まず、「反省」についてお話しします。主に、過去2作は物量で圧倒しているところがありました。また、箱なぞではないというご指摘もたくさんいただきました。よく「箱なぞルーム型」と言ったり・言われたりこともあり、「箱なぞ」型になりきれていませんでした。

――箱なぞルーム型ですか。

はい。ずっとルーム型しか作ってこなかったのでそのテイストから抜けきれなかったようで、どうしても残ってしまったようです。なので、今回はいわゆる、箱なぞふぇしたで出展されているようないくつかの箱を組み合わせた複合箱のような…いわゆる「オーソドックスな箱なぞ」に挑戦してみようかと。

――箱謎にも沢山の種類が合っていいと思いますが…

そういっていただけると嬉しいのですが、これを作っているときは怯えていましたね…。そのうちのけ者にされてしまうのではないかと。「ARROWSはまっとうな箱をつくらない!」なんて言われてしまうのが怖かったので。

――なるほど。ちなみに、「気づき」というのは何かあったのでしょうか。

もう、謎解きという界隈にいて7年が経ちます。謎解きの会社にも関わらさせていただいて、独立して今また謎を作っています。そんな中で思っていたのが「全員に全く同じ体験をさせる必要があるのか?」ということです。

――「全員に全く同じ体験をさせる必要があるのか?」について詳しく聞かせてもらってもいいですか?

はい、「リアル脱出ゲーム」や「リアル謎解きゲーム」もそうですが、1つの物語を全員が同じようにたどり、そこで、成功・失敗が生まれる。これが大原則だったのですが、「本当にそうなのか」と。
過去に、物語の最後の解釈を委ねる作品は沢山ありました。しかし、物語の作者が意図的に「途中で通る物語の中身さえゲームプレイヤーに委ねてみたらどうなるだろうか?」、そんな作品を創ったらどうなるのか…?と思うようになってきました。

――過去の常識を疑ってみたわけですね。

そうですね。各チームごとによって重視する内容は異なるので、体験する内容もおのずと変わってきます。全く同じ選択をしたチームは2月5日現在で全体の4%のみです。自分たちで内容や中身を調整できるようなゲームバランスになっています。チームによって立ち寄ったチェックポイントや触れられた内容は異なってくる。それこそが、「自分だけの体験」を持ち帰っていただくための重要なポイントの1つではないかと考えたわけです。

――なるほど。今、「イマ―シブシアター」というのが流行っているようですがそれとはまた違うような感じですか?

どうでしょうか。個人的な話になってしまうのですが今作に限っていえば「イマ―シブ」とはまた違うかなと思っています。
そもそも「イマ―シブ」という単語自体の定義があいまいすぎるので難しいところではあるのですが…。自身でルートや何をするかを選択でき、物語に影響を与えるという意味では「イマ―シブ」なのかもしれないですし、ゲーム終了後のたったこれだけの選択では「イマ―シブ」ではないと言われるかもしれません。

この短い文の間に、イマ―シブと何回言ったか、もうゲシュタルト崩壊が起きそうです(笑)

――(笑) いきなり変な質問で失礼いたしました。

いえいえ。ちなみにARROWSが目指す先は何万通りとある「イマ―シブ」的なものになっていくことは間違いないかと思います。

――ちなみに、内容的にはどんなものがあったりするのでしょうか?

それは、遊びに来てからのお楽しみです。謎を解きたい人は謎を選択すればいい、遊びたい人は遊びを選択すればいい。クリアを諦めて全部楽しむのもありです(笑)

――分かりました。少し話を変えまして、今回は「鳥」が1つのポイントとなっていますが、「鳥」にした理由などがあれば教えてください。

いつもの哲学の話になってしまいますが、今回のテーマが「自由とは何か?」という問いをもとに作っています。
自由の象徴と言えば「自由の女神」か「鳥」。どちらをテーマにするかで悩みました。と、考えた時に「鳥」のほうがストーリー的にもとっつきやすくていいかなと。となると、過去2回から分かるようにその対比されるものを描くため、「不自由」を象徴するもの・・・ということで、鳥かごを意味するCageとなりました。

――なるほど、だからCageなんですね。

そうですね。今回のビジュアルなどにもしっかりと「自由」とは書いていないのですが、そういった意味合いを込めてます。過去にARROWSでは「自由」というテーマで【ESC-LABOからの脱出】という作品を創っていますが、前作は自由を最後まで描き切れなかった。もっともっと世界観に入れるような何かが必要だった。今回はそれを何とかつかみとったので、ある種のリベンジ作と言ってもいいかもしれません。

――過去の自分に対して、成長したところを見せられるような、そんなイメージでしょうか。

そうですね。少なくともこの頃よりかは成長しているところをお見せしたいなと。もっともっと、物語の中は自由でいい。おおざっぱでいい。そこにどんな文章を持ってくるのかは、主人公であるプレイヤーのみなさんあんおです。そして、同様に自分の人生も自由と選択が待ち構えている。そこにはたくさんの選択が待っている。この選択をしたらどうなるのか?後に後悔しないのか…。ちょっとした人生の一部を表したゲームと言ってもいいかもしれません。
ぜひ、このゲームで沢山の選択をした後に、皆さんの「自由」とは何か、どう思ったかぜひ感想で教えていただけると嬉しい限りです。

そして、自分自身もこれまで「当たり前だと思っていた」謎解きゲームの常識を少しずつ変えていけれる選択をしていき、もっと幅を持たせられるようにしたいなと。

――分かりました。ちなみに箱についてはいかがだったでしょうか?

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そうですね、これも初めてのチャレンジとなるので都内の至るショップを駆け回り箱という箱を買い集めてきました。そこから、どう組み立てていくかというのが問題でしたね。必然的に大きくなってしまうのでそれをどうコンパクトに抑えるのかも問題でした。

――駆け巡ったんですね。となると思い入れもかなり強いのではないかと。

実際に、触ってみればわかるかと思うのですが今回、色んなギミックがあります。そして、公演が終わった後によく見ると気付くことがあるかと思います。言葉と写真だけでは伝わらないので、ぜひ遊びに来てみてもらうことをお勧めします。

――ありがとうございました、続いてBOOM! in the Box ......

第4回
「BOOM! in the BOX」について

へ続く…



お知らせ

<PARALLEL BOX Series 全国ツアー2020>

2月11日(火・祝) 東京渋谷公演(Cage)
2月15日(土)   仙台公演(BOOM! in the BOX)
2月22日(土)   横浜公演(イーハトーブナイトメア・Cage)
3月  1日(日)   札幌公演(イーハトーブナイトメア・Cage)
3月21日(土)   福岡公演(Cage・TRAVELERS)

※各公演の詳細については各ページのリンクをご覧ください。

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