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恋×シンアイ彼女 感想

・前置き


こんにちは。Twitter等で弓川と名乗っている者です。
本稿は、エロゲブランドメーカーUs:trackより2015年にリリースされた作品 『恋×シンアイ彼女』の感想を衝動的に書いたものです。これをこのように書き始める20分前に読了しました。
久々にnoteに雑感を書くため前書きを長々とも出来そうになく、とりあえず早速書いていきましょう。
PCから書くので改行とかはPCで見やすいようにしています。スマホで見て下さる方がいましたらごめんなさい。


記事の性質上、該当作品のネタバレ成分が100%濃縮還元ですので、未プレイの方はブラウザバックを強く推奨します。ブラバしろ(脅迫)

・総評

よい作品だったと思います。
少なくとも酷評はしないし、かといって叩きつけられたメッセージや文章作品及びゲーム作品としての完成度に震えることもなく、つまり情緒が乱されるあまり正気を保てなくなることもなく。
私にとってはそんな感じの、よい作品でした。ここからなにかを敢えて加えるのであれば、奇をてらわずまっすぐに書ききった作品だと書きます。
茶化しとくとシーンバック機能がなかったのでそこで減点です。

・主張

先ほど読み終えた私から、この『恋×シンアイ彼女』(以下、恋カケ)を読み終えて様々なことを思ったであろう先人たちに書きたい一言があります。
「あなた方は、國見洸太郎を”どれほど"見ていたか?」
星奏にまつわるあれこれがどうだ、彩音√はこうだ、ナコチャンカワイイネ、その他√や登場人物はそうだ、挿入歌はEDはOPはBGMは云々…
あなた方は、國見洸太郎を、この物語に多く登場する個性的な登場人物の一人として、どのような人物であると認識して彼の輝ける日々を追体験した?

私にとって國見洸太郎はEmptyな存在ではなく、いわゆる「エロゲの主人公」的でもなく、責任知らずのクソデカい言葉にするともしかしたらヒロインの一人としても成立したかのような、そんな濃い人物に映りました。
そしてそれでいて尚、我々は……もとい、私は洸太郎を作品内に含めて物語の読者として俯瞰するのではなく、彼に感情移入し共に物語を歩むことでこの作品の真髄に近付くことが出来ると考えています。

洸太郎にはなんとなくでも星奏の挙動を理解した心がある


・本企画は、極めて王道で恥ずかしいほどのド直球。思わず目を覆いたくなるような、そんな恋愛ADVです。

嘘です。これに関しては釣り針で我々はお魚さんです。
具体的にどこが嘘かというと文全体の修飾先である「恋愛ADV」という部分です。確かに各ヒロイン√でイチャコラと恋愛してましたが、それは副次的なもの。この『恋×シンアイ彼女』というタイトルがあっても、ある面ではこのゲームの主題は恋愛ではないのでs…すみませんこれも嘘というか大きく出過ぎました。

「極めて王道」も「恥ずかしいほどのド直球」も、人によっては「目を覆いたくなるような」も本当ではあります。
これは「恋愛ADV」ではなく「國見洸太郎にまつわる"思いを人に伝えること"を主題に置いたノベルゲーム」でしょう。そしてその中でも”恋愛"という要素のウェイトを非常に大きくしてある作品であるといいますか、そんな感じで許して頂ければ……。

もし本当に「恋愛ADV」であるのならば(そして星奏が洸太郎の前に二度と現れないのが真であれば)、この物語はLast Episodeで洸太郎が星奏の「もう二度と会わない」の手紙を見て嗚咽を漏らすところで終わってBAD ENDが一番美しいです。それなら「こんな恋愛ADVが書きたかったんです」という主張も通るでしょう。
ンな主張なわけないでしょうけどね!誰ですか音楽にNTRれたとか抜かした御仁は!!それだったらそのあとからのGLORIOUS DAYSが流れてタイトルに戻るまでの全部は蛇足ですよ蛇足。実際蛇足に映ったのかもしれませんが。


・人物評価

・國見洸太郎
この作品は彼の物語です。公式サイトのIntroductionからも読み取れる通り、この物語は「國見洸太郎は恋愛小説を書けない」という点から出発しています。そこから手紙の代筆が企画されたり、ヒロインたちにメッセージを伝えたり、アルファコロンの後ろ2作が大衆にはそこまで響かなかったり、社会人になってから大衆への感動を捨てて一個人への短編を書く習慣をつけたり、感傷に浸りきったルポを最後に書いたりしています。
幸いなことに不足していたわけではありませんでしたが、結局のところ彼は「表現すること」という才覚に於いては実に不器用であったのです。

公式サイト読みをしてから今までずっと疑問に思っていることがあります。洸太郎の趣味特技には「小説を書く」と書いてあり、如月奈津子の同項には「物書き」と書いてある。洸太郎の好きなことには「物語を書く」とあり、奈津子にはそういったものが無い。その違いを設けられている意図を読めないままです。どういうことなのでしょうか?

私がこの作品に向けた数少ない失点の一つに、会長さん√の部誌のくだりがあります。共通や他のルートでは一貫して「特定の人に思いを伝えること」や、それこそが作中人物達の心を動かすのだという描写を描いていました。
会長さん√で凜花が奈津子に花壇を残せないか頼んだ途端に機嫌が悪くなって、洸太郎が奈津子を満足させられるようなものを書くくだりあったじゃないですか。あそこで最終的に奈津子はようやった的なことを言ってくれましたが、あの部誌に載せられた文章は「特定の人に思いを伝える」ものだったのでしょうか。それを奈津子は評価したのでしょうか。社会人になってから洸太郎を自分のとこに勤めさせて書かせた私的なノンフィクションルポをあのように評価してゴーサインを出した如月奈津子が。

最後に一つ。
この作品を、國見洸太郎を象徴するであろう言葉があります。


・姫野星奏
姫野星奏は幼少期から成人にいたるまで國見洸太郎を強く強く想い続けていた。ただの一度も忘れたことはなく、それでも彼女は音楽活動を続け続け、そして後には跡と痕しか残らなかった。そんな強い人間です。

彼女は洸太郎を利用するため御影ヶ丘を訪れたのか?そういった面があるのは肯定しますがそれは主目的ではなく、洸太郎に会いたいという望みを叶えることが…或いは「輝ける日々」の再発見が主ではなかったでしょうか?
星奏√以外では(私の覚えている限り少なくともゆい√と会長√では)彼女は御影ヶ丘を去らず、文芸部に所属し続けています。これは洸太郎との仲を深めなかったことで彼女の言う「星の音」を聴くことが出来なかったため作曲に戻ることが出来なかったと考えられます。しかし星奏√を読む感じ、メンバーからは「夏までの約束だったよね」みたいなことを言われています。

彼女にとっての優先度が本当に音楽>洸太郎であるならば、インスピレーションを授からなくともどの世界線でも彼女は音楽活動へと帰っていくのではないでしょうか?むしろ「洸太郎くんと居ても私に音楽的メリットは無いからいいや」と判断するのではないでしょうか?弓川そういう心はよく分かりませんが、なんにせよ星奏√で彼女が洸太郎の元を離れたのはLast Episodeでのルポ用インタビューの際に語られた通りではあるのでしょう。

果たして洸太郎と付き合わない彼女は学園に残り、仲間たちと共に輝ける日々を謳歌します。別に「洸太郎くんと一緒になりたい」わけでもなく、やはりグロリアスなデイズが彼女にとって重要なのでしょう。
そしてこれは…グロデイのメンバーと共にあった日々や借金の代償を支払うために奔走する日々であってもきっとそうではないでしょうか。上手く文章に出来ないのですが…姫野星奏に停滞は似合わないなと。幼少期に洸太郎からの手紙を外へ追いやったのは他ならぬ彼女の決断です。

ま何にせよ彼女は語らな過ぎました。作中人物達にも我々にもその中身を晒し出すことは…たぶんほぼ無かったんじゃないですか?Last Episodeで誓いの手紙を置いて去った時、そこには「動機」や「理由」がありませんでした。
結局のところ彼女は「表現すること」という才覚に於いては実に不器用であったのです。

・新堂彩音
新堂クンです。あるいは彩音クンです。なぜクン付けしてしまうのか。

滅茶苦茶不遜で雰囲気台無しなこと書くんですがこの告白シーンCGを見た時に宇佐美ちゃんなるキャラクターの18禁音声作品のイメージイラストがほんのちょっとだけよぎってしまいました本当にすみませんいうてそんな似てないです

彼女及び彼女との物語に与えられたのは…まあ。星奏√のアンチテーゼという役割でしょう。それはそう。そこに多くはもはや語れません。
でも大事なことですよ。彩音はちゃんと自分の思いを…想いをドストレートにかたちにしてぶつけました。そもそも高校進学に際してラブレターをしっかり書ける子ですからね。こと「伝える」という観点では作中イチの輝きを湛えているでしょう。

彩音√という物語はどうだったかと聞かれますと、極めて王道で恥ずかしいほどのド直球だったと思います。ここは実に恋愛ADVらしかった。正統派過ぎて透明すぎてクリア後は物足りなさが否定できなかったくらいです。
彼女は星奏とは対照的に彼女自身のモノローグが非常に多かった。何を考え、何を思い、どういう状態にあるのか。懇切丁寧に我々に教えてくれたツンデレぴゅあガールでした。
それと…アレですね。この物語は一番「万人受け」するシナリオだと思います。次点で会長√かな。ある程度恋カケにフォーカスしていたり新堂彩音のファンである方なら察しが付くかもですが、要はこういう事ですよねと↓

だからこそ、誰もが共感できるわけではない物語も輝く。

一応マイナスポイントにも繋がることも書いときますと、この彩音√は星奏√と…そしてゆい√とも比較するとあまりにも輝ける日々"でしかない"です。
綺麗ですよね、ええとても綺麗。綺麗で眩しくて輝いていて……さて、ここからどう続けようか。そんな感じの印象はあります。

さて、新堂クンに関してはまだまだ色々と書けますがボチボチ省略して…
このように彩音√の中では綺麗に完結した彩音さんですが、新堂彩音というキャラクターの人格は彩音√だけでは完成し得ないと思っています。共通はもちろんのこと、他のヒロイン達のルートにおける彼女の言動やムーブこそ彼女という存在の解像度をどんどん上げていったと思いました。
万人受けするシナリオを託された彼女ですが、この恋カケという誰もが共感できるわけではない作品を読んで心に爪痕を残されたユーザーさんは彩音が一番大好きなんじゃないでしょうか。そんな気がします。

・小鞠ゆい
私はここが一番刺さりました。なんでちみっこ電波系(※広義)のシナリオはこう…こうなのでしょうね?
抽象的なこと書くと「ゆい√は最も音楽的」でした。文章を読んだ時ではなく音楽を聴いた時のような感覚があります。
後で音楽の項でも触れますが、共通ED曲『東の空から始まる世界』や挿入歌『GLORIOUS DAYS』は(特に後者は星奏√/彩音√のモチーフであるとしても)ゆい√と非常に親和性があると感じます。

本当なら言葉を尽くしてどういうところに感じ入ったのか書きたいのですが、私は去年の夏前に某作品をプレイしたことでそれをすることは私の信条に反することを学んだので書けません。
※こうやって書くのは私にとって評価がすごく高いことを意味します。
書けないものは書けないものとして…ゆい√に込められた熱情は、新堂クンの√ほどではないにしろ星奏√の主張を支える上で必要性があります。

んでいつも通り某ブランドから他作品ながら持ってくるんですが、ゆい√はこんな感じがしました。あくまで感覚のお話ですが。

あとこの曲もよかったらどうぞ。GLIM SPANKY、いいですよ


・四篠凛香
会長です。弓川は正直者なので正直に言いますがここに関してはあまりパッとしなかったのでスルッといきます。
会長√の主張はゆい√と比較的近いものがありますが、会長というキャラクターに充てられた性質はどちらかというと星奏に近いものがありそうです。
髪飾り、愛の形。自己の内側を他者に向けて上手く送り出せない彼女にとって、信仰を捧げる偶像の存在は非常に大きなものだったのでしょう。
我々は内に持つ「愛」をどのように証明すればよいのでしょうか?皆が皆、新堂クンのように輝きに溢れているわけではないでしょうに。
シナリオ面では、個人的には犬探しの少女まわりとかでもう少し広げてほしかったなと思います。空っぽだというのならそのからっぽ性を主軸に思いを詰め込んでいってほしかったし、そうでなく内々にたくさんの思いが放出されていないならそれを放出する機会が見たかった。別に無かったわけではなかったですけど。

これは会長√やってる時になぜか保存してた1枚


・菜子ちゃん

こっからサブキャラ。ナコチャンカワイイネ
大学3回生貧乳ブラコン概念。クッソ人気高そうな子

・涼介
騎士クンではない。いわゆる悪友ポジ。
LEで洸太郎が高校教師の職を失った後に、それを予め知っていたにも関わらず自分からはかけずに洸太郎が自分にかけてくるのを待っていたのめっちゃ解釈一致って感じなんですがわかりません?

・志乃
アンポンタン!
キャラクターとして優秀。萌花ちょこさんの暴力。書けることは少ないが彼女の存在は洸太郎の輝ける日々に間違いなく不可欠だった。

・愛美さん
LEで登場してほしかった。きっとこの人やモネットも、洸太郎にとっての輝ける日々の一部なのよな。教師になってから?モネットじゃなく別のカフェに通ってるのよ、私の憶えの限り何の説明もなく!
ゆい√の話になるけど絵本グッズ化しないかな。流石にもう7年前だから無理か。ここ恋カケ以降出してないみたいだし作品として荒れたらしいし。

・如月菜津子
ちゃうちゃう!菜子ちゃんの菜やのうて奈良の奈!!!
人の縁ちゅうのは分からんもんで、洸太郎が社会人になって(恋愛的な意味を除いて)最も関係が広うなったのは奈津子でした。深くなったわけやなさそうなので「広くなった」「長くなった」「伸びた」いう語を使えるでしょう。
このやきうのおねえちゃんは字書きや人生の一個上の先輩として高校時代でも社会人でも洸太郎の導き手になっとります。それでも彼女はヒロインやのうて、きっと彼女は人間が大好きなのでしょう。

・精華
社会人の洸太郎から学生時代の星奏が投影されていた少女です。映画アルファコロンのアルファコロン役を務めた子役であり、高校生以降も役者として成功を収めています。そうでなくとも彼女は御影ヶ丘学園の生徒の一人で、洸太郎が顧問を務める文芸部に半年所属した存在です。
たぶんこの作品でなければLEにこの子と添い遂げる分岐は作れたのかもしれませんが、この作品の主人公は拗らせ感傷物書きボーイですので「彼の物語にその分岐は必要であるか」という視点に立つ必要があります。
それはそれとして…いち読者としては見たかったですけどね?


・音楽

音楽というか主に『GLORIOUS DAYS』の話。
この曲は洸太郎の一作目『さよならアルファコロン』から着想を得た星奏が作ったはじまりの一曲です。
グランドEDにも使われたこの曲は全体を通して明るい曲調で、少なくともBAD ENDの後に流れるような曲ではありません。
そんな星奏の曲ですが、プレイ時系列的にこの曲に先に焦点が当たるのは彩音√ラストでした。

この時点で彼女は表現者として成功している。

彩音√で流れた時、この曲は恋歌としての性質を帯びていました。歌詞としてはほぼそんなことは書いていないのに。
これは「恋愛=輝ける日々」が成り立つ場合にそのように聴こえるのだと私は思います。恋愛に限った話ではありません。この曲はどこまで行っても「GLORIOUS DAYS」であり、どういう形であれ輝ける日々を生きた、生きている、生きようとする人々のその時々の”素晴らしい世界”を映すのです。
対して星奏√もといLast EpisodeのグランドEDとしては彼女の決意・選択・覚悟・理想・憧憬と様々な輝きが煌めいている一曲になっているかなと。ここからも星奏は輝ける日々を追いかけていたといえると言いたい。
それにこの曲、明るいんですよね。未来に希望を持っている曲というか…なんというか。この作品がこの曲調でエンディングを迎えたってことに私はなにか意味を見出だせたらなと思います。

・BGMについて
ゲームクリアしてEXモードで鑑賞しようと思った時に驚いたんですが、全部の曲に作曲者さんのコメントがついてるんですね。ここは弓川ポイント3倍デーでした。全部挙げてると長々しくなるのでピックアップして書きます。

『とけかけの小豆アイス』
→新堂クンのテーマ曲。作中でネコになったのはゆいでしたが、ツンデレぴゅあガールな彼女にも(猫と戯れるCGがあるように)そういった属性の付与があると思われます。そのイメージにこの曲は非常に適合している。ころころとしており、起伏が大きいという意味で気分屋で、それでいて変わらないものもある。そんな感じのキャットソングです。井〇屋のあずきバーとてアイスなのです。

『alpha:』
→アルファコロン関連の回想が入った時の曲。作曲者さんのコメントがすべてだと思います。
アルファコロンはやはりα:なんですね。アルファすなわち…なんでしょうね。口笛でも聴こえてくるといいんですが。

『君は無音の中で』
→すみません記憶がかなり定かではないんですが、LEのなんかどっかのシーンでこの曲流れましたよね?たぶんインタビューの時かそうでない時か…後で録画見直そう。星奏が去って手紙を残したとこは『僕らが友達だった時代』ですよね。この曲かどうか不明なんですがなんか一ヶ所ここの曲すげえなってとこがあったんですが…。
それはそれ、私こういう胸を打つように打鍵するピアノの音が大好きなんです。シリアスはシリアスである故の重く感情を載せた音が良く似合う。


・CGについて

疲れたので足早にいきます。

これまではその輝きを鮮やかに思い出せたのに、今となっては色褪せぼやけている。
ゆい√刺さったって言ってる奴がこの2枚を挙げないはずがなく。
弓川は夕焼けと朝焼けのオタクなのでここは無条件に好きです。
彩音√で1枚だけ選ぶならこれでしょう。
この差分だと微笑してるんですよね

あと良かったなって思うのは共通パートの新歓祭後にモネットで打ち上げした時の1枚。あれ目線の動き方がすごい豊かだなって思ってたんですがCG鑑賞モードでは4枚しか差分ないんですよね。驚きました。


・ラストシーンについて

これのことです

ウルトラ雑of雑でクッソねじくれた解釈なんですが、これワンチャン二人とも死んだんじゃないかって見た時少し思いました。流石にそんなことは無し寄りの無しですが、まあまあちょっと聞いてって下さいよこの与太話を。

洸太郎と星奏は彼らの内の輝きを輝き尽くした…とか、そんなことを書いてみます。洸太郎は高校教師をやって精華を見送って、センチメンタル☆ルポルタージュを書いて首が飛んで、それでも書こうと『お前はアルファコロン』を(微妙な反応をしてた担当さんを押し切って)このタイトルでリリースし、そこで輝きは擦り切れて「ちょっと休もう」とその目を閉じた。
星奏に関しては彼女も擦り切れるほど輝ける日々を送ったと言えますが、それに加えて。洸太郎がグロデイルポを書くにあたってインタビューしたメンバーの様子に、私はちょっと違和感を覚えてました。なんか読んでて(えっこの語り方…いや泣くやん…まさか星奏死んで…?)とか思ってたんです。ただこれは私の感受性がバグってるだけだと思います()

それはそれとして。私の主観では桜とは"別れ"や"見送り”のソウルを宿す花です。決して”出会い”や”再会”ではないのです。その桜が春の季節にこうやってきれいに咲いていると、なんだか現世とは思えなかったんです。
そんなこんなも含めつつ、星奏があの誓いを掲げて洸太郎の元を去り、そして脚光を浴びることもなかったにも関わらずこのように笑顔で寄り添ってほしくはないなと思ったりしつつ。

       グロリアスデイズ 
目を覚ましたら美しい夢の続きが、俺を待っている

結論ただ単に私はそう見えたってだけですが、そう見えたってことを雑に書いてみました。本気でそう思ってるわけではないです。


・終わりに

良い作品だったと思います。恋カケをプレイしようと思ったのはTwitterのフォロワー様の影響が大きかったのですが、読後としては感謝をお伝えしたいと思うくらいには読んでよかったと思います。
恋カケは複数ライターによって書かれたものですが、このうち星奏√と彩音√とLE…つまりメインとなる物語は新島夕という方が書いています。
その新島夕さんについて寄稿を募った本を、上記したフォロワー様方が2022年11月の文芸フリマ東京にて頒布するそうですので、四国民の弓川ではありますが現地に行って御礼ついでに購入させて頂こうかなと考えています。

(後日追記分)
シンアイという言葉から親愛や信愛、真愛という言葉が現れ出でるのならば、私は彼女の恋に「辛愛」と名付けたい。
辛くても恋して。愛しているのに辛くて。
いいじゃないですか、そういうのも。

グロリアスデイズ…輝ける日々。私にもそういったものがありましたし、きっと今この瞬間もそうなのでしょう。
私には高校時代から関係の続く非常に親しい友人達が5,6人おります。discordには専用チャンネルがあり、毎日とまではいかないものの通話に入っていると誰かしら入ってきて駄弁ったりゲームしたり議論したりします。リアルでは今でも帰省すると一緒に飯を食ったり遊んだり、なんなら連中と会うために休みを合わせて帰る時もあります。
でもそれは永遠には続かないことを私は知っています。彼らはいつか私の元を離れ、それぞれのまた新しい日々を送っていく。今から見た高校時代がそうであるように、その時への少なからずの後悔が生まれるでしょう。故に無理のない範囲で、その後悔を埋めるように、高校時代からの日々で彼らと出来なかった今出来ることを、出来る限りやりたいものです。


そんな感じでひとつ。ここまでお読み頂きありがとうございました。



『GLORIOUS DAYS』