おまけ(おいたんの呼び方)
(この話は親同士が再婚した後の話だが、正確にいつのことだったかは覚えていない。妹2が赤ちゃんの頃だったとは思う。)
おいたんのことはずっと「おいたん」と呼んでいた。
何度も言うが妹はザ妹キャラなので、早々に「パパ」と呼んでいたが、私は頑なにわざと「おいたん」と呼んでいた。
あんなクソみたいな、乳触ってきて気持ち悪くてすぐキレてすぐ物を壊す人でも、私にとっての父親は実の父であるあの人だけなのだ。
だからおいたんのことを「お父さん」とは呼びたくなかった。
あのような父に義理立てする必要はないと思うが、というか義理立てしたわけではないが、実の親ではない人を実の親を呼ぶ時の呼び方で呼ぶのが嫌だった。(呼ぶ呼ぶくどい)
ある日の夜、母に呼ばれた。家には私と母の二人きりだった。
母「あんたさ、おいたんのこといつまでおいたんって呼ぶの?」
私「なんで?だめなの?」
母「だめっていうか、傷ついてるよ多分」
私の方が傷ついてるよ色々と…。
この人、私の気持ち優先してくれないんだ。おいたんのこと優先なんだ。
(あとから思えば、妹2が物心つく前においたん呼びをやめさせたかっただけ。妹2にとってはおいたんは実の父だし)
…とは言えなかった。母とぶつかれなかった。私の気持ちについて、母に言えなかった。
というか、私の気持ちを知ろうという姿勢すら見えなかったので、言う気力もなかった。
私「実の父親がいるのに、お父さんって呼ぶのは抵抗あるし混乱するよ。それに、あの人はみなみちゃんのお父さんでもあるんだよ?(これ読んでる人は忘れてるかもしれないけどこれがけっこう衝撃的なことだと思う)
普段からお父さんって呼んでたらみなみちゃんの前でも呼んじゃうでしょ。みなみちゃんはどう思うかな。」
なぜか泣きながら話した。
私がお父さんと呼ばない理由、なんでわからないのかな。そんな気持ちだった。
親の心子知らずって言うけど、逆だよ。自分だって子供の頃あったのに、なんで子供の気持ちわからないの?
伝わらない。何も。
母「無理にとは言わないけど、せめてパパってライトに呼ぶことはできない?」
もうほんとにだめ。こいつと話したくない。
おいたんが自分から「いつかパパって呼んでほしい」とか言うのとは理屈が全然違う。
私「努力するよ」
そんなこと、努力するような事柄か?
くだらな。
自分の中で色々冷めたのを覚えてる。
でも結局は「傷ついてるよ」の言葉に負けて、パパと呼ぶようになった。
今でも呼んでいる。