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メガバンク出身「マゾ兄やん」:銀行格付について解説します

今回は、マゾ兄やんさんから寄稿いただいた7つ目の記事をご紹介します。
私の自己紹介記事も、ぜひあわせてチェックしていただけると嬉しいです。

こんにちは。マゾ兄やんと申します。

新卒メガバンクに入社し、その後メーカー2社で海外勤務を経て、現在は商社でDX業務や投資業務などに携わっています。

谷本さんとはXで出会いましたが、同じ金融出身ということもあり、それ以来仲良くさせていただいております。

今回は「銀行の格付」ついて説明させていただきます。
一口に格付と言ってもさまざまです。今回はその中でも「銀行格付」について解説させていただきます。
格付全般について知りたい方はこちらの記事をご参照ください。

Xでも、私の考えを発信しています。
https://x.com/mazoNiiiiiiii


銀行格付の債務者区分

銀行格付の債務者区分

銀行の格付には債務者区分というものがあります。

融資先はお客様ですから「債務者」という呼び方は個人的にあまり好きではありませんが、こういうものだと理解していただければ幸いです。

銀行の格付について

【銀行の格付】
・正常先:業績・財務ともに問題なし
・要注意先:今後の管理に注意を要する
・破綻懸念先:経営破綻に陥る可能性が高い
・実施破綻先:実質的に経営破綻に陥っている
・破綻先:法的・形式的に経営破綻している
※金融機関毎に細かいルールは異なりますが、この5区分に分けることが一般的です

ここで重要なのは、

正常先>超えられない壁>要注意先

であることです。新規で融資を検討する際に、その会社が正常先なのか、要注意先なのかによって銀行担当者の負担が大きく変わります。正常先と要注意先との間には雲泥の差があります。

正常先と要注意先の違い

ちなみに正常先と要注意先の違いは、

  • 正常先:赤字ではないかつ、債務超過ではない

  • 要注意先:赤字もしくは債務超過である

と覚えておいてください。

もちろん、赤字や債務超過に該当すれば無条件に要注意先以下になるわけではなく、

  • 来年は黒字の見通しである

  • 今年の赤字は一過性である

  • 債務超過はまもなく解消される

などをしっかり説明することができれば、要注意先から正常先へ上方修正するプロセスもあります。(これも金融機関によって若干異なるところはあります。もちろん黒字でも要注意先に転落することもあります。)

正常先にも複数の区分がある

正常先にも複数の区分がある

最も融資を検討しやすい債務者区分は正常先です。

正常先の中でも複数の区分があります。私が働いていた銀行では、1~7の区分にわけていました。

【1~7の区分】
格付1:銀行全体でも数社しか存在しないウルトラ優良企業
格付2:超優良企業
格付3:超優良企業
格付4:売上数十億円規模の中堅中小企業では4が限界
格付5:中堅中小の優良企業はだいたい5。実質無借金の会社*が多い。
格付6:利益は出しているが借入は多い等、何らかの財務課題がある会社が多い
格付7:借入も多いし利益もあまり出てない等、赤字でなく債務超過でもない正常先ギリギリのライン
*実質無借金の会社とは現預金-借入金≧0の会社を指す

ここまでが正常先です。格付8以下は全て要注意先~破綻先に該当します。

この記事をご欄になっている経営者の方で銀行からの借入を検討している人は、銀行格付において正常先、つまり格付7以上と認定してもらえるように決算書を作り上げていくことが重要です。

格付を上げるためには?

格付を上げるためには?

では、自社の格付を上げるためにはどうすれば良いのでしょうか?

私が勤めていた銀行では決算数値のさまざまな部分に着目し、スコアリングするようなモデルでした。
細かく説明するとキリがありませんので次の2点が重要なポイントです。

①財務安全性(現預金と借入金)
②収益力(営業利益もしくは経常利益)

①財務安全性

①財務安全性とは現預金と借入金(現預金がほぼ全てと言っても過言ではありません)のことを指します。

現預金は月商の何ヶ月分あるか?現預金と借入金を比較するとどちらが多いか?等、要は現預金をたくさん持っていればいるほど貴社の格付は上がります。

②収益力

②収益力とは営業利益もしくは経常利益のことを指します。融資を受けるのであれば今の収益力で借入金をあと何年で返済できるか?などがポイントになってきます。また、収益力の定義を税引後当期利益としていないのは特別損益*を考慮しないためです。

*例えば、不動産を売却して利益が上がった場合、不動産売却益は特別利益に計上されることが一般的です。銀行はこのような一過性の収益はアテにしておらず、恒常的に入ってくる収入を重視しています。

決算対策

決算対策

上述の通り、現預金をできるだけ多く持っておくことは重要です。

融資を検討している経営者は決算月になるべく現預金を増やす対策が必要です。下記がその対策例です。

  • 販売先にお願いをして売掛金を早期に払ってもらう

  • 仕入先にお願いをして買掛金の支払いを待ってもらう

  • 資産計上されるものをなるべく購入しない*
    *一般的に10万円以上のものを購入すると経費ではなく資産計上されます

専門家に相談

専門家に相談

とはいえ、銀行担当者はこのようなことをベラベラと教えてくれません。分からないことは専門家に相談することが効果的です。

弊社では元銀行員を貴社の財務担当者として派遣しております。銀行に相談する場面で、社長のとなりに元銀行員がいる安心感を提供できるのが私たちの強みの一つです。

まずは、気軽にご相談ください。

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Note:note.com/mazonshacho


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相談に関する質問については、以下の記事でお答えしています。

お問い合わせは、DMもしくは問い合わせフォームからお願い致します。

※氏名・社名・業種・Facebook URL・メールアドレスなどを添えてお問い合わせください。

主に銀行融資関係(資金調達)のコンサルを行っています。

資金調達が出来た際の成功報酬は基本的に頂いておりません
理由としては・・・
・1度融資を利用する企業は、その後、2回目、3回目と利用があります。
・長いお付き合いをすることで、お互いの信頼関係を築くと共に、今後の資金繰りについて責任を果たすためです。
ですので、契約先とは最低でも毎月1回は定例でコミュニケーションを取らせて頂き、その都度、資金調達のタイミングや事業方針などについても議論をしております。

社長の望む調達金額を受けられる決算書の作成を得意とします。

銀行融資にはいくつかポイントがあります。
粉飾などによらず、目指す決算書にたどり着くよう、決算月の約半年前からすり合わせを行います。
このすり合わせとは、紙面による数字との睨み合いに留まりません。企業における営業活動など、包括的に関わっております。
これは、税理士や一般的なコンサルタントでは分からない分野です。

お客様によりますが、御社での私の名刺を作ってもらい、銀行対応全般をお任せ頂いております。
銀行対応において、代表者や責任者の方にご同席頂くのは、基本的に初面談時と契約時のみです。
融資実行までの中間の交渉は、全て私がお引き受けします。
(金融機関や個別対応でお受けできない場合もあります。)
CFO的な立ち位置で長きに渡りお役に立てればと思います。
創業融資のお問い合わせも多く頂いております。(R3年実績30社程度)

創業計画書の書き方にお悩みではないでしょうか?
大口の資金調達のコーディネートも行います。
これから事業が大きく成長する中で、どのように銀行と付き合おっていくべきかお悩みではないでしょうか?
収益物件購入、不動産業者、保険営業マンからのご相談もあります。

ご自身では分からない銀行のこと、たくさんあります。
銀行内には独自のルールや文化が満ちあふれています。

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