経営者保証の解除は本当に必要?解除要件やメリット・デメリットを解説
こんにちは。元銀行員 勤続10年、法人融資営業をしていた谷本と申します。
現在は独立して、主に中小企業の財務担当者のアウトソーシング事業を行っています。
「経営者保証を外す方法を教えます!」
こういうセミナーを開催しているコンサルの方々を時々見かけます。
確かに経営者の方々にとっては興味のある分野ですね。
私もそう思います。
今回の記事では、元銀行員として経営者保証を外すことついて、どう思うのかをお伝えします。解除の要件やメリット・デメリットも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
経営者保証とは
経営者保証とは、中小企業が金融機関から融資を受ける際に、経営者個人が会社の連帯保証人となることを指します。
企業が倒産して融資の返済ができなくなったときには、経営者個人が企業に代わって返済しなければなりません。
経営者保証は要件を満たせば解除できます。ただし、解除することが必ず正解とは限りません。
経営者保証を解除する3要件
経営者保証を解除する要件は、以下の3つです。
法人個人の一体性の解消
財務基盤の強化
財務状況の適時適切な情報開示
3つの要件を満たすと、経営者保証は解除できる可能性があります。
ただし、上記3つの要件に加えて、金融機関によっては独自基準を設けている場合もあるため注意が必要です。
経営者保証解除のメリット・デメリット
経営者保証解除には、メリット・デメリットがあります。ここでは、それぞれの内容を詳しく解説します。
メリット
経営者保証解除の最大のメリットは、経営者自身の財産を守れること。
自身の会社の連帯保証人になっていると、何かあった際に自分で金銭を負担しなければなりません。
経営者個人で所有する資産を処分し、返済に充てるケースもあります。
その点、経営者保証の解除を行うと自身で負担する必要がなくなり、経営者自身の財産を守れます。
デメリット
経営者個人の信用力で補完していた保証がなくなり、借入の条件面が一部悪化する可能性があります。
これによって、キャッシュフローの悪化や金利の上昇などがあっては本末転倒です。
経営者保証を外すことは本当に必要?
ここからは、本当に経営者保証を外す必要があるのか、私の考えをお伝えさせていただきます。
無理に外す必要はない
経営者保証を外すことは本当に必要か、よく考えてみてください。
【経営者保証は業績が上がってくれば自動的に外れるもの】
私としてはこの一言に尽きます。
社長の保証を外すために仕事をしている訳ではなく、資金調達は事業を発展させるための手段でしかありません。
保証を外すことにどんな意味があるのでしょうか?
無理に保証を外せば、以下のようなトレードオフがあるかもしれません。
返済期間が短くなる
金利が上がる
こんなとき、どのように考えますか?
前向きに事業を拡大していきたいのであれば、望まない条件を突きつけられる可能性もあるのです。
銀行から提案がない=保証解除は妥当ではない
「社長、今無理に保証無しの交渉をするときではありません。」
このように伝えさせて頂く機会が多々あります。
実は、銀行はそれぞれ定期的に金融庁へ代表者保証なし融資の取扱い件数について、報告を行っています。
また、各金融機関内部にて本部から支店へ保証なしの取扱いができる企業がないか、チェックが入ることもあります。
つまり、銀行は保証無なにできるなら切り替えたいのです。
もし、保証無しでの提案がない場合は、解除の要件を満たしていないと考えた方が良いでしょう。
繰り返しになりますが、無理な保証無しでの融資要請は借入条件の改悪に繋がりかねません。
上記のように、代表者保証を外す交渉をしている時間があったら、ぜひ業績の拡大に注力して頂きたいです。
その先に財務の良化、保証なしを含めた融資条件の良化が待っています。
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