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自己流アイドルライブ撮影の話②~使用機材2~

そしてフルサイズへ・・・

 DC-G9と40-150mm F2.8 PRO、いくつかの単焦点レンズで2020年8月まで約2年撮り続けました。2020年2月で推しが卒業したのでアイドル現場から遠ざかり、ポートレート撮影と星景撮影に傾倒しました。そしてそこで行き詰りました。

 暗所(高感度ノイズ耐性)に強くボケが大きいカメラが使いたいと思うようになり、フルサイズミラーレスカメラの検討を進めることになります。また、オートフォーカス性能も重視したところ、総合的にSONY α7IIIが最有力となりました。

 さすがに3台目の検討ともなると撮影目的に合わせてカメラを選ぶようになります。また、手持ちの機材を売ればわずかな追加資金で買い替えが可能という見積もりによって買い替えを決行したのです。

 ポートレート撮影用にSEL55F18Z、汎用性の高い高倍率ズームレンズA071を購入しました。A071は星を撮るにしても撮れないことはないけど適したレンズとは言い難いので、後日星景撮影用のレンズF050を購入することになります。

2020年9月、知人のSNSでライブの特典会でポートレート撮影があることを知ってひさしぶりにライブに臨みました。機材は上記3点セットです。ライブ会場は、講演会を行うようなホールで照明が暗く、背景も真っ黒という厳しい環境でした。いくつかのグループが撮影可能だったのでα7IIIとA071で撮影を試みましたが、ノイズが目立ち、被写体が暗く潰れてしまい、満足のいく写真を得ることができませんでした。

 特典会での撮影は広いロビーで行われ、明るくはないけど撮れないことはない環境で救われました。

SONY α7III + SEL55F18Z

 2020年12月、以前通っていたグループが公開オーディションを行い、撮影チャンスがあると聞いて再びライブを撮影します。望遠レンズがA071しかないため、ポートレート撮影用に購入し使用頻度の高かったSEL85F18を持ち出して臨みました。

 結果は芳しいものではありませんでしたが、ここで得られた「85mmで結構撮れるぞ」という経験が後々まで影響を及ぼすことになります。

 2021年2月には以前通っていた上記とは別の現場で珍しく撮可ライブを行うと聞き、もしかしたら今後も撮可ライブを続けるかもしれないとの思いから、A071を売ってF2.8通しのズームレンズを購入します。

 A056はライブ撮影目的として良い選択でした。
 以下、よかったと思う点を挙げます。

  • フルサイズのF2.8通しズームとしては軽くて(810g)小さい

  • SONY純正の70-200mm F2.8と比較して価格が半分程度

  • AF駆動が高速(タムロン初のリニアモーターフォーカス機構(VXD) を搭載)

  • フィルター径が67mmで他のレンズと使いまわしやすい

 A056(70-180mm)に加えてポートレート撮影用の55mm、星景撮影用に購入していた20mmの3本でライブ撮影に臨みました。

SONY α7III + 70-180mm F2.8 : SS 1/500 : ISO1600 : 82mm
SONY α7III + 70-180mm F2.8 : SS 1/500 : ISO1600 : 172mm
SONY α7III + Tamron 20mm F/2.8 Di III : SS 1/500 : ISO1600 : F2.8
SONY α7III + SEL55F18Z : SS 1/500 : ISO1600 : F1.8

 ボディ1台に対してレンズ3本を交換しながら撮影するのはとても大変ですが、単焦点ならではの写りの良さを知ってしまうとズームレンズだけでは現像時に物足りなさを感じることがありました。ここで得た経験をベースに55mmまたは85mmと70-180mmの組み合わせでライブ撮影を行うスタイルが確立していきました。

SONY α7III + 70-180mm F2.8 : SS 1/500 : ISO1000

 α7IIIとA056(70-180mm)、SEL85F18(85mm)の組み合わせで2021年は約40回のライブ撮影を行なっており、1回のライブでA056とSEL85F18のレンズを交換しながら撮影し、後で撮影データを確認すると写りの差が気になることがありました。

SONY α7III + SEL85F18 : SS 1/320 : ISO1600 : F1.8
SONY α7III + 70-180mm F2.8 : SS 1/320 : ISO320

 「背景のボケ度合い」と「ピント面のシャープさ」です。
 A056(70-180mm)の写りに不満があったわけではありませんが、SEL85F18(85mm)で撮った写真がとにかく気に入っていたのです。

 ライブ撮影と並行してポートレート撮影もしており、そこでもSEL85F18をメインに使用していたため「もっと良い85mmレンズならもっと良い写真が撮れるのでは?」と考えるようになりました。

 そして検討の末、SEL85F18を売ってSIGMA 85mm F1.4 DG DNを購入しました。

 このSIGMA 85mm F1.4 DG DNは現在も使用しているレンズで、大きな不満もなく一番長く使い続けています。以下、良いと感じている点を挙げます。

  • ピント面の解像感が良く、そこから前後へグラデーションで溶けるようにボケていきピント面が浮き上がるような写真を作りやすい。

  • レンズの長さが短い(96.1mm)

  • コスパのバランスが良い

  • 85mm F1.4の単焦点レンズにしては軽い(625g)

 一方、使い続けた上で「う〜ん」と思う点も挙げておきます。

  • フードカバーが大きくてかさばる

  • ライブ撮影時はオートフォーカスがちょっと遅いと感じる時がある

  • フロントキャップが付けづらい

 F値1.4のピント面はとても薄いため、ピントが瞳から少しでもずれると瞳はおろか顔全体がボケてしまいボツ写真になってしまうデメリットがあります。α7IIIの瞳AFは優秀ですが対象の動きが速いライブ撮影では瞳AFが外れたり遅れたりすることもあるので、その辺は設定でカバー(F値を絞ってピント面を厚くする)できるところはする、できないと思っても割り切って撮るだけ撮ってみるという学びを得ました。

SONY α7III + SIGMA 85mm F1.4 DG DN : SS 1/400 : ISO250 : F1.4
SONY α7III + SIGMA 85mm F1.4 DG DN : SS 1/8000 : ISO100 : F1.4
SONY α7III + SIGMA 85mm F1.4 DG DN : SS 1/320 : ISO640 : F1.4
SONY α7III + SIGMA 85mm F1.4 DG DN : SS 1/400 : ISO640 : F1.4

 α7IIIとA056(70-180mm)、SIGMA 85mm F1.4 DG DNで完成したかと思ったライブ撮影機材ですが、2021年末にα7IIIの後継機種が発売されます。

 ライブ中にA056(70-180mm)とSIGMA 85mm F1.4 DG DNを何度も交換して撮るのが大変で「もう1台ボディがあれば・・・」と常々思っていました。ボディ新品価格約30万円にビビりながらも「AIを活用して高速・高精度・高追従に被写体をとらえるAF技術を採用」という謳い文句を見て「AFが向上するなら」と2022年初に購入を決意します。

 それから1年ほどはα7IIIとα7IVの2台体制でライブ撮影をしていましたが、推しの被写体が相次いで卒業したこともありライブ撮影から少し距離を置くようになりました。機材もα7IIIやA056など一部整理して、現在はα7IVとSIGMA 85mm F1.4 DG DNでたまにライブ撮影をしています。

 最後に、α7IIIと比べてα7IVが優れていると体感した点を挙げます。

  • 瞳を認識するAFの精度が高い。特に横顔で感じた。

  • CF Expressカードによる高速書き込みで連写が余裕。

  • 画素数が2400万画素(α7III)から3410万画素(α7IV)に増えたため、トリミング耐性が上がった。

 自分の場合はこのくらいだったので、正直α7IIIのままでも不自由はしませんでしたが、かといってα7IVで後悔したということもありません。ただ、新機種は所有していて気分が良く、次々と撮影意欲が湧くのは確かでした。

SONY α7IV + 70-180mm F2.8 : SS 1/4000 : ISO200 : 180mm : F2.8
SONY α7IV + SIGMA 85mm F1.4 DG DN : SS 1/320 : ISO250 : F1.4
SONY α7IV + SIGMA 85mm F1.4 DG DN : SS 1/500 : ISO100 : F1.4

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