![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/151171394/rectangle_large_type_2_69e3c4a2588683f3c70e1257d01cc212.jpeg?width=1200)
自己流アイドルライブ撮影の話③〜良い写真を撮るための試行錯誤とは〜
アイドルのライブ撮影を何年か続けてみて思うのは、客観的に見て良いと思われる写真を撮るには相応の時間と機会が必要で、継続するためにはモチベーションの維持とメンタルコントロールが大事だってことです。特にこのアイドルを撮影する趣味は感情を揺さぶられることがよくあります。楽しむために行なっていたのに、気がついたら被写体に対して疑心暗鬼になったり、他の撮影者に対して嫉妬してしまう。誰しもが経験する可能性のある複雑な心理状態であると言えます。
アイドルという存在が、単なる被写体ではなく、自分を含む多くのヲタクにとって特別な存在であり、感情移入しやすい対象であることが大きく影響しているためです。
そのため、自身のネガティブな感情によって撮影から離れたり、「自分の写真に需要はないんだ…」などとSNSで病み散らかすカメコが後を絶ちません。
そもそも、カメコは何のためにアイドルのライブ写真を撮っているのでしょうか?
人によって様々な目的や理由があると思いますし、一つとは限らないと思います。例えばこんな目的(理由)があるのではないでしょうか。
推しやかわいいアイドルの写真を撮りたいから
アイドルのライブ撮影が楽しいから
SNSでたくさんの反応(いいねやリポスト)を得たいから
SNSのコミュニティで共有したいから
副業にしたい(実績を作りたい)から
推しが世間に見つかるきっかけとなる写真を撮りたいから
撮影を通じて推しから特別な存在と認識されたいから
撮影したアイドルの親族に見て欲しいから
私自身の撮影理由や知り合いの話、SNSで見かけた話からこのような理由が挙げられます。この内、1と2以外は目的達成のために「客観的に見て良いと思われる写真を撮る」ことが必要になってきます。1と2はSNSにアップしないなら撮った写真を個人で鑑賞して楽しむことで達成(自己完結)できます。
ただ、撮るだけ撮って自己完結してしまうと、アイドルや運営、イベンターがライブやイベントを撮影可能にした意図(情報拡散)から逸脱している状況(現場ではステージに向けてカメラやスマホを構えている人がたくさんいたのにSNSでぜんぜん見かけない)になり、撮影可能にする意味がないと判断されてしまう可能性もあります。
良い写真を撮るには試行錯誤の連続
とはいえ、他人の目的に対してダメ出しするつもりはありません。3〜8やそれらに類する目的をお持ちなら自分以外の他者から良いと思われる写真を撮る必要が出てきますので、良い写真を撮るために自分が考えていることを書き留めておこうと思います。
・とりあえず撮る。とにかく撮る。
写真家ヘレン・レヴィット氏が自身の経験を元に語ったとされる「あなたがカメラを手にして撮る最初の10000枚はクズだ」という有名な言葉があります。写真技術を習得し、自分らしい表現を見つけるためには、とにかく多くの写真を撮ることが重要であることを示唆していると私は解釈しています。
単に10000枚撮ればよいという話ではなく、最初の10000枚は練習であり、その過程で様々な試行錯誤を繰り返すのですが、設定、構図、照明、位置取り、撮影データ編集(現像)など多岐に渡ります。
ここで設定や構図などについては触れませんが(そういう記事は検索するとnoteやブログでたくさん出てきますので必要な方はひとまずそちらを参照してください)、個人的に大事にしているのは「毎回一つだけ撮りたいイメージを持つ」ことです。
撮りたいイメージがあることで具体的な試行錯誤が可能になります。
例えば「推しの落ちサビで横顔を撮りたい」であれば、落ちサビは立ち位置0番で前を向いて歌うと思いますので、必然的に「位置取りは上手端か下手端の前方に陣取らないと横顔が撮れない」といった思考が働くと思います。
「こうすればイメージ通りに撮れるのでは?」という仮説が出来たら実際に撮ってみて検証します。今回の例題は割と撮りやすいと思うのですが、もしかしたら照明が強すぎて推しの顔が白飛びしているかもしれないし、推しの近くにいるメンバーが半目になっているかもしれないし、歌っている最中の推しがずっと目を閉じていて瞳オートフォーカスが効かずに詰んだかもしれません。撮影に失敗はつきものです。
そうすると「次回、同じ失敗をしないためにどうすれば良いのか」を考えるようになります。ネットで調べたり、AIにアドバイスをもらうなど対策を講じたら再度撮影に臨みましょう。
撮影に慣れたきたら「推しは歌っている最中ほぼ動かないからシャッタースピードを遅くして、その分ISOを下げて高感度ノイズを減らしてみよう」など、経験と共に思考の幅が広がっていきます。撮りたいイメージを複数にすることも出来るようになります。
そうは言っても、「撮りたいイメージ」がなかなか思い浮かばないこともあります。
これはインプット量が足りないことが大きな要因ですので、自分の場合は
地上アイドルのライブ映像を見る
知らないカメコが撮った知らないアイドルのライブ写真を見る
これでインプット量を増やしています。
「地上アイドルのライブ映像を見る」のは、見ているとライブの流れの中で「おっ!」と印象に残るシーンがいくつも出てきます。カメラが切り替わったタイミングで演者に寄っている画は印象に残ることが多く、良いと思ったら一時停止してメモ(写メ)するようにしています。
「地上アイドルのライブ映像」としたのは、高画質な映像が特徴であり、撮影から編集まで複数のプロが携わっているため、品質の高いコンテンツが多いからです。
「知らないカメコが撮った知らないアイドルのライブ写真を見る」は知らない方が客観的に写真を見ることができるためです。良いと感じた写真は、何が良いと感じたのかを言語化した上で、ブックマークや保存しておきます。見つけ方としてはハッシュタグが手っ取り早く「撮可」や「会場名」が有効です。
以上、客観的に見て良いと思われる写真を撮るには相応の時間と機会が必要だという内容で書いてきました。
とにかく試行錯誤の連続で、知識と経験の積み重ねです。試行錯誤の10000枚で一人前だとしたら、私はまだ2000枚程度だと思います。
ただ、この試行錯誤を継続するにはなかなかの根気が必要です。
そこで重要となってくるのが強い目的意識とメンタルコントロールだと思っています。
次回はそこをフォーカスして記事を書こうと思います。
余談ですが、闇雲に連写して良い写真が撮れることもあります。それは運がよかったのであり実力とは言い難いですが、逆に「なぜこんなに綺麗に撮れたんだろう」と考えるきっかけになることもあるので、撮りたいイメージ以外は感覚的に(適当に)撮ることも多いです。