「身旺」と「身弱」はどちらが「運」が良いのか。
四柱推命では、生年月日と生まれた時刻から、「命式」をたてます。そして、「命式」の全体像を見てその人の気の「景色」を、日々巡る気と「命式」の関係を見て「運気」を捉えていくのです。
生まれた日の「干支」が、最もその中で大事な場所です。その人の「軸」となります。これを「日柱」と言います。
それから、「日柱」の十干はその人の「頭」。これを「日主」と言います。
「頭」が大きいか小さいか、または、強いのか弱いのかで、周囲の気との関わり方が変わってきます。
「頭」が強い場合は「身旺」(みおう)、弱い場合は「身弱」(みじゃく)と言います。
「身旺」は、日主そのものが強い場合、それから命式内の地支・蔵干から受けている影響により気の供給が多くあり、そのために、日の五行が強められている場合の二つのタイプがあります。
一般的には、「身旺」の人は、力強く体力があり、運が強いと言われます。非常に頑丈な「石頭」を想像してみてください。障害物がやって来ても、力強く頭突きをしながら突き進む姿が浮かびますよね。このように、周囲の影響されることなく自分の道を進めると考えるわけです。
一方「身弱」は、日主そのものが弱い場合、それから、日主が、命式内の地支・蔵干から受けている影響により、気の供給が期待できない、または奪われるために、日主の五行が弱められている場合を言います。
一般的には、「身弱」の人は、虚弱で不健康であり、運が弱いと言われます。
それどころか、「身弱」は、やる気がない、体力がない、持続力がない、仕事運も金運も弱い・・・なんて、散々な解釈をされていた時代もあります。しかし、今はその限りではありません。「身弱」だからこそ、周囲の応援を味方につける「柔軟性」があり、周囲を巻き込む力があると考えることができますよね。いわゆる「人たらし」のタイプ。一人の力はたかが知れています。「身弱」の場合は多くの力に守られて、または賢く利用しながら進んでいけるわけです。
ではなぜ「身旺」が「吉」で「身弱」が「凶」だと考えられていたのかというと、昔は「一族が永遠に勝負に勝ち続け、子孫が繁栄する」ことが最高の「吉」と考えられていたから。「陽」である「男」が外の敵と戦い、「陰」である「女」が内の家と子供を守るのが「あるべき姿」とされていました。なので、「弱い男(身弱の男性)」は散々な言われようだったし、「強い女(身旺の女性)」も同じでした。
それでは改めて、それぞれの特徴を見ていきましょう。
<身旺タイプの特徴>
吉凶の振り幅が非常に大きい。
積極性がある。
リーダータイプ。
自己主張ができる。
<身弱タイプの特徴>
周囲の波の影響を受けやすい。
惰性に流されやすい。
環境に染まる。
柔軟な対応ができる。
それぞれのタイプが、良い面を出し、力を合わせて行くのが最も「吉」です。実際に一代で事業を立ち上げ大きくしていった人は「身弱」のタイプもけっこういらっしゃいます。「時代」の流れを、流れる前に察知する肌感覚と、それに合わせて行動する柔軟性が長けておられるんだと思います。
「身旺」と「身弱」を判断する方法として
①日主と地支の力関係を観る。増す関係は「身旺」抑える関係は「身弱」とする。
②月令を得ているかどうか。得ている場合は「身旺」とする
③巡る気による強弱
この3つを重点に読み解いていきます。
まずは①から。日主を取り巻く五行が、日主と同一である、または、日主を生み出す場合は、日主は強いです。
ただし、大運などの影響もあるために、一時的に「身旺」や「身弱」となる場合もあるので、決めつけることはできません。「命式」そのものは、「身弱」でも、大運の影響を受け「10年限定身旺」になる場合もかなりあります。
②の「月令を得る」とは、日主の干支の五行と、月の十二支の持っている五行が同じ場合、日干支と月十二支とが調和し、パワーが増すことを言います。「根がある」「根を張る」とも言います。(通干・透干)また、「時勢を得る」とも言われます。
その時の気の勢いの追い風を受けて、思考、行動、などが活発となりやすいのです。つまり、「季節の恩恵」を受けているため、日主が強められます。これは、「身旺」の命式であるかどうかの、もっとも重要な判断材料となります。
<月令を得ている場合>
・甲・乙の日干支(木)
亥月 子月・・・水の気(冬)
寅月 卯月・・・木の気(春)
・丙・丁の日干(火)
寅月 卯月・・・木の気(春)
巳月 午月・・・火の気(夏)
・戊・己の日干(土)
巳月 午月・・・火の気(夏)
丑月 辰月 未月 戌月・・・土の気(土用)
・庚・辛の日干(金)
丑月 辰月 未月 戌月・・・土の気(土用)
申月 酉月・・・金の気(秋)
・壬・癸の日干(水)
申月 酉月・・・金の気(秋)
亥月 子月・・・水の気(冬)
ただし、これだけで終わらないのが四柱推命の難しいところ、そして、面白いところでもあるんです。
考慮する特殊な事例があります。
・日柱が木(甲・乙)で命式に「亥・卯・未」がある場合は、三合木局となり「木」が強まる
・日柱が火(丙・丁)で命式に「寅・午・戌」がある場合は三合火局となり「火」が強まる
・日柱が金(庚・辛)で命式に「巳・酉・丑」がある場合は三合金局となり「金」が強まる
・日柱が水(壬・癸)で命式に「申・卯・辰」がある場合は三合水局となり「水」が強まる
以上のことを考慮して、五行のパワーバランスを紐解いていかなくてはいけないのです。
それから、最高の揺らぎない特殊事例として
日柱が土(戊・己)で命式に「丑・辰・未・戌」が揃っている場合は土局となり、この場合は、いかなる時にも無条件に「身旺」とします。
次に③です。
巡る気は、日主に影響を与えます。「頭」に風が吹いてくる感じですね。心地良い関係だと力を与えてくれるし、攻撃的であれば「頭」の力が奪われてしまいます。なので、時期により強さが変わります。
実は、現場の占い師は、この影響の「景色」を読んでいます。「恩恵を受けやすい」月に「良い時期ですよ」と伝えているんです。
で、結局、「身旺」と「身弱」のどちらが「運」が良いのかと言うと・・・・どっちもどっち。身も蓋もないですね。。。
占い的に考えて「運」の良い人とは
・ブレない「自分軸」を持っている
・柔軟に考え行動し続ける
「命式」を知り「気」の巡りに合わせて、外に自分の「気」を、言葉や行動を通して、出し続けていく人だと思います。
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