まろうどの神 アラハバキ(氷川神社)
アラハバキ。
かつて東北から関東にかけて信仰されていた謎の神。
この名前のもつ響きが妙に気になった。
力強くて、どっしりと下半身、特に子宮(丹田)あたりにエネルギーを感じる。
ミシャグジやソソウと同じく、縄文神と言われているらしい。
これは大地のエネルギーだろうか。
それとも山のエネルギーなのだろうか。
岩や鉄のような硬さがあるような気もする。
日本神話に出てくるような神様とは全く違う名前。
各地の神社によく祀られている神々が日本に定着する前に、その地で静かに人々の暮らしを守っていた土着の神なのだろう。
そのアラハバキが大宮にある氷川神社に祀られていると知って、いそいそと出かけて行った。
客人神(まろうどの神)。
文字通り「客人」として境内にひっそりと祀られている。
静かに、けれど強いエネルギーを放ちながら。
強い。
それが第一印象だった。
お社から放たれるエネルギーがものすごく強いのだ。
本殿よりも数段強く感じる。
「荒々しさ」とはまた違うエネルギー。
どちらかというと「雄々しい」の方が近いかもしれない。
力強いけれど、どこか優しさを感じる。
一瞬でアラハバキという存在に魅了された。
「客人神」とされているが、本来この地はアラハバキが信仰されていた土地なのだろう。むしろ「追いやられた」神なのだと思う。
日本神話をひっさげてやってきた人々にとっては、アラハバキのこの力強いエネルギーは脅威だったのではないか。だから完全に追いやることもできずに体よく「客人」として境内の端にひっそりと祀っているのではないだろうか。
そんなことを考えながら、東北にアラハバキを探しに行こうと思った。