「アラウンド・カオス」物語1
これは、とある賃貸アパート「アラウンド・カオス」(仮)で起こった物語である。法律では裁けないカオスっぷりをご堪能いただきたい。
なお、筆者の実体験に基づいた物語だが、企業や人物の名前は架空で、あくまでも筆者視点のストーリーである。
序章 その名は「アラウンド・カオス」
はじめに、この物語の登場人物を紹介したい。
レナ不動産(オーナー):複数のアパートを経営するレナを代表取締役とする同族会社。地元では有名な資産家。親族で多角的経営を行う。
日本住宅マネジメント株式会社(管理会社):入居者を第一に考える管理会社。資本金1億円、従業員300名の中堅企業である。
オーナー・ファースト社(仲介業者・管理会社):全国の管理会社ランキングで名を連ね、CMでも有名な不動産管理会社・仲介業者。資本金5億円、従業員数3,000名をほこる大企業である。
マーレ=佐々木(入居者):D2号室住人
山本レン(入居者):D1号室住人
鈴木マサ(入居者):C1号室住人
茅野 外:C2号室住人
非常識的に卓越した人が活躍する時代である。いったい、どこに正義があり、誰がまっとうなのか、皆さんの目で確かめていただきたい。
第1話 分岐
いよいよ、茅野が地獄の賃貸アパート「アラウンド・カオス」に一歩踏み入れる日がやってきた。
ファースト社(仲介業者)・金古(案内人)と内覧へ向かうべく、車中でのやり取りから物語は始まる。 @2018年3月下旬
(車中)
金 古:「これから向かうアパートの管理会社がすごいんです!」
茅 野:(管理会社がすごい???)「どういう意味ですか?」
金 古:「オーナーにさまざまな提案をして蘇させるんですよ」
「カメラ付きインターフォンに変えるとか…」
茅 野:(普通では? 儲けるためでしょ?)「へぇー、すごい」
隣人トラブルに迅速に対応するとか、修繕が速いとか、入居者目線の内容かと思った茅野だが、このときの違和感を大切にしていれば、地獄に行くこともなかったのに…。
(内覧中)
金 古:「さぁ、どうぞ」
茅 野:「ありがとうございます」
金 古:「こちらが、浴室です」
茅 野:「?」
金 古:「・・・」
茅 野:「真っ黒ですね…」
金 古:「・・・」
茅 野:「シャワーの穴も真っ黒…」
金 古:「・・・」
茅 野:(これは、冷蔵庫か)
金 古:「・・・」
茅 野:「冷蔵庫の中も外も真っ黒ですね…」
金 古:「・・・」
(突然、電話をかける金子)
金 古:「お世話になっております。…」
茅 野:(管理会社かな?)
金 古:「すぐに、掃除に来るそうです」
茅 野:「わかりました。こちらが居間ですね」
金 古:「どうぞ、どうぞ」
茅 野:「かなり、広いですね。ロフトがあるから広く感じるのか」
金 古:「・・・」
茅 野:(反応薄いな…)(壁紙に人の手垢がいっぱい…)
金 古:「・・・」
茅 野:(とりあえず、写真撮っておくか…)
金 古:「そこは、撮らなくていいですよ」
茅 野:(?)「そうなの?」
金 古:「・・・」
茅 野:(掃除に来てくれるなら、ここでいいか)
ひととおり内覧を終えた茅野。掃除をすることを前提に気に入ったようだ。完全に、茅野の失態である。掃除しようがしまいが、入居させてしまえば、管理会社やオーナーの勝ちである。掃除させてから契約すべきだったにもかかわらず、(このときは気づいていないのだが)非常識が強みの彼らの言葉を信じるとは。彼らの完全勝利である。
※後日談があり、茅野の部屋だけでなく、ほかの部屋も酷かったらしい。
次回、第2話 迷入
▼ 賃貸暮らしの方、賃貸住宅のオーナーをはじめ、この物語のオーナーや管理会社についてご意見がございましたら、コメントを残してください。特にこれまで嫌な思いをした経験のある方と情報共有できれば嬉しいです。
・「私なら内覧で判断している」
・「私も同じような対応するかも」
・「このような管理会社を選びたくない」
・「入居者を適法に追い出すいい方法だ」 など