「アラウンド・カオス」物語9
これは、とある賃貸アパート「アラウンド・カオス」(仮)で起こった物語である。法律では裁けないカオスっぷりをご堪能いただきたい。
なお、筆者の実体験に基づいた物語だが、企業や人物の名前は架空で、あくまでも筆者視点のストーリーである。
<登場人物>
レナ不動産(オーナー):複数のアパートを経営する代表取締役レナ。
日本住宅マネジメント株式会社(管理会社):入居者を第一に考える管理会社。資本金1億円、従業員300名の中堅企業である。
オーナー・ファースト社(仲介業者・管理会社):全国の管理会社ランキングで名を連ね、CMでも有名な不動産管理会社・仲介業者。資本金5億円、従業員数3,000名をほこる大企業である。
マーレ佐々木(入居者):D2号室住人。
山本レン(入居者):D1号室住人
鈴木マサ(入居者):C1号室住人
茅野 外:C2号室住人
序章 その名は「アラウンド・カオス」
第1話 分岐
第2話 迷入
第3話 呆然
第4話 遮断
第5話 狂喜
第6話 逆流
第7話 再来
第8話 崩壊
第9話 濁流
第9話 濁流
天井が崩壊し、午後3時に業者がやってきた。今回は3人組だ。ボスと中堅、ときおりボスから指導を受ける新人という構成だった。彼らは、近くのホームセンターで購入した"天井"を貼り付けに来たのだ。@2020年9月
茅 野:「二階で作業するのですか」
業者A:「はい、上から高圧洗浄で一気に、( ̄ー ̄)」
茅 野:「では、この部屋では作業しないのですね」
業者A:「はい、もし御用があれば、お出かけになっても構いませんよ」
ということで、茅野は2時間ほど外出することにした。朝から天井が振ってくるし、大量の水は流れてくるし、管理会社は何もしないし…。茅野は少し天井のない場所に行きたかった。茅野が戻ってきたのは、午後5時ごろだった。
しばらくすると、茅野は異変に気付いた。ここで皆さんに異変を紹介しよう。
あらゆる排水口から濁流が押し寄せてきた。では、なぜ、こんなことが起こったのでしょうか。実は、あの業者、天井が崩壊した原因を十分調べずに、高圧洗浄機で大量の水を二階から流し込んだのだ(詳しくは次回)。
部屋中、ひどい悪臭だ。
すぐに管理会社に連絡し、対応するように依頼した。新たな業者がやってきたのは、午後8時ごろだった。ここではクローザーと呼ぶことにしよう。クローザーは野球でいう、試合を締める役割のある立場である。
クローザーは、浴室や玄関を行ったり来たりして、作業していた。
クローザー:「ゆっくりしていてください」
1Rの部屋である。ゆっくりできるはずがない。待つこと、2時間…。様子を見ても、進展していないようだった。
茅 野:「どうですか」
どのような回答だったか覚えていないが、モヤモヤしたことだけは覚えている。クローザーは管理会社に何度も電話しているが、管理会社は定時退社しているらしい。…反応がない。
茅 野:「どういう状況ですか」
クローザー:「私、専門業者じゃないんです」
茅 野:「???」
なんと、日本住宅マネジメント株式会社は適当に空いている業者を寄こしただけだった。夜0時を過ぎ、日付が変わったので、帰ってもらうことにした。クローザーではなく、クリーナーだったのだ。
濁流により、午後3時からの工事が適切だったか怪しくなった。匂いもひどい。茅野は外泊することにした。
皆さんは、この物語が過去の物語だと思っているかもしれません。しかし、茅野はまだ、このアパートに住んでいます。空き部屋があり、恐ろしいことに、入居者も募集しています。
この物語はまだまだ続きますが、皆さんがこのカオスに足を踏み入れないことを願っています。
次回、第10話 白塊
▼ 賃貸暮らしの方、賃貸住宅のオーナーをはじめ、この物語のオーナーや管理会社についてご意見がございましたら、コメントを残してください。特にこれまで嫌な思いをした経験のある方と情報共有できれば嬉しいです。
・「私なら内覧で判断している」
・「私も同じような対応するかも」
・「このような管理会社を選びたくない」
・「入居者を適法に追い出すいい方法だ」 など