「アラウンド・カオス」物語8
これは、とある賃貸アパート「アラウンド・カオス」(仮)で起こった物語である。法律では裁けないカオスっぷりをご堪能いただきたい。
なお、筆者の実体験に基づいた物語だが、企業や人物の名前は架空で、あくまでも筆者視点のストーリーである。
<登場人物>
レナ不動産(オーナー):複数のアパートを経営する代表取締役レナ。
日本住宅マネジメント株式会社(管理会社):入居者を第一に考える管理会社。資本金1億円、従業員300名の中堅企業である。
オーナー・ファースト社(仲介業者・管理会社):全国の管理会社ランキングで名を連ね、CMでも有名な不動産管理会社・仲介業者。資本金5億円、従業員数3,000名をほこる大企業である。
マーレ佐々木(入居者):D2号室住人。
山本レン(入居者):D1号室住人
鈴木マサ(入居者):C1号室住人
茅野 外:C2号室住人
序章 その名は「アラウンド・カオス」
第1話 分岐
第2話 迷入
第3話 呆然
第4話 遮断
第5話 狂喜
第6話 逆流
第7話 再来
第8話 崩壊
第8話 崩壊
入居前に原状回復工事や修繕をせず入居させる点を除き、そのほかについては想定の範囲内と考えるかもしれません。皆さんは、今回の出来事も耐えられるでしょうか。@2020年9月
午前8時過ぎたころ、部屋にいた茅野は、今までにない音に気付いた。
(メシッ、メシメシッ、メシッ)
(メシッ、メシメシッ、メシッ)
音の出所を探すが見当たらない。10分ぐらい経っただろうか、ロフト上の天井が裂けているのに気付いた。
裂けた状態を保っているのではない。裂け続けているのだ。
天井が裂け続けていると、何が落ちてくるか不安になる。上階の家具が全て落ちてきたら、大事故である。
茅野は、天井のうめき声とともに、大きくなる空洞を眺めながら、急いで管理会社に連絡した。
茅 野:「天井がーーーーー!!」
茅野は、その状況を何と伝えていいかわからなかった。相当焦っていたのだ。深呼吸して、落ち着いてから、状況を説明した。
日本住宅マネジメント株式会社:「承知いたしました。担当に伝えます」
茅 野:「とにかく、早く来てください。天井が崩落します」
電話したのが、午前8時過ぎ頃に亀裂を見つけてから、午前9時ごろまでの間である。2時間後の午前11時になっても、連絡は来ない。
さて、肝心の天井はというと、天井から水があふれだし、ロフトに水が溜まり、物置内やテーブル、床などが水浸しである。
このような状況でも、上階の住人は水を使っているため、茅野は管理会社に連絡した。
茅 野:「上階の人に、水を使わないよう伝えてもらえますか」
日本住宅マネジメント株式会社:「それが、電話がつながらなくて」
茅野が午前8時に電話してから、管理会社は茅野に一度も、対応についてアドバイスしていない。ほったらかしなのである。茅野は仕方なく、自ら上階へ行き、事情を説明したうえで、しばらく水を使わないようお願いした。
業者が来たのが、午後3時である。茅野が連絡してから6時間後だ。しかし、この話は、これで終わらないのが「アラウンド・カオス」なのである。
次回、第9話 濁流
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・「私なら内覧で判断している」
・「私も同じような対応するかも」
・「このような管理会社を選びたくない」
・「入居者を適法に追い出すいい方法だ」 など