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「アラウンド・カオス」物語10

これは、とある賃貸アパート「アラウンド・カオス」(仮)で起こった物語である。法律では裁けないカオスっぷりをご堪能いただきたい。

なお、筆者の実体験に基づいた物語だが、企業や人物の名前は架空で、あくまでも筆者視点のストーリーである。


<登場人物>

  • レナ不動産(オーナー):複数のアパートを経営する代表取締役レナ。

  • 日本住宅マネジメント株式会社(管理会社):入居者を第一に考える管理会社。資本金1億円、従業員300名の中堅企業である。

  • オーナー・ファースト社(仲介業者・管理会社):全国の管理会社ランキングで名を連ね、CMでも有名な不動産管理会社・仲介業者。資本金5億円、従業員数3,000名をほこる大企業である。

  • マーレ佐々木(入居者):D2号室住人。

  • 山本レン(入居者):D1号室住人

  • 鈴木マサ(入居者):C1号室住人

  • 茅野 外:C2号室住人


序章 その名は「アラウンド・カオス」
第1話 分岐
第2話 迷入
第3話 呆然
第4話 遮断
第5話 狂喜
第6話 逆流
第7話 再来
第8話 崩壊
第9話 濁流
第10話 白塊


第10話 白塊

天井崩壊から一夜明けた。水道業者が修繕に来るということで、茅野は外泊先から戻った。玄関ドアの前にある共有部分の廊下にある蓋を開けると、排水管が見える。@2020年9月

業者茅野は、蓋を開けた先の空洞を眺めていた。

業 者
:「これが原因ですね」

茅 野:「これはひどい」「水を流す前に、ふつう確認しませんか」

業 者:「確認します」

共有部分の廊下にある蓋を開けると、各部屋から流れる水が集まる溝がある。排水管の先端の部分を「トラップ」と呼ぶらしい。

正常なトラップは、下向きになっており、水が自然に流れ出るが、今回のトラップは上向きになっていた。素人が見ても、しばらくこの状態であればゴミが溜まり、水が流れなくなることがわかる。

水は上から下に流れるのである。水が排水溝に流れず、詰まった原因を確認してから水を流すものである。

そして、このトラップから出てきた物体が、次の写真である。

白塊

いったい、何年分の汚物の塊だろうか。洗剤や油、ゴミなどが固まったものらしい。

呑気な茅野も、さすがに天井が崩落して、落下物によっては命にかかわることだっただけに、ただ事ではないと感じたようだ。

茅野は、このときから、物事を正確に把握するために、電話での連絡を止め、メールでやり取りすることにした。日本住宅マネジメント株式会社は、記録を残しておらず、それを理由に、あいまいな回答を続けていた。

さて、ここまで読んだ方は、これだけの事件が起きながら、あるべき人物の姿がないことにお気づきだろうか。このカオスを生み出している張本人はいっさい、出てこないのである。


シーズン1最終回、第11話 逃亡

▼ 賃貸暮らしの方、賃貸住宅のオーナーをはじめ、この物語のオーナーや管理会社についてご意見がございましたら、コメントを残してください。特にこれまで嫌な思いをした経験のある方と情報共有できれば嬉しいです。

・「私なら内覧で判断している」
・「私も同じような対応するかも」
・「このような管理会社を選びたくない」
・「入居者を適法に追い出すいい方法だ」 など




 

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