「アラウンド・カオス」物語6
これは、とある賃貸アパート「アラウンド・カオス」(仮)で起こった物語である。法律では裁けないカオスっぷりをご堪能いただきたい。
なお、筆者の実体験に基づいた物語だが、企業や人物の名前は架空で、あくまでも筆者視点のストーリーである。
<登場人物>
レナ不動産(オーナー):複数のアパートを経営する代表取締役レナ。
日本住宅マネジメント株式会社(管理会社):入居者を第一に考える管理会社。資本金1億円、従業員300名の中堅企業である。
オーナー・ファースト社(仲介業者・管理会社):全国の管理会社ランキングで名を連ね、CMでも有名な不動産管理会社・仲介業者。資本金5億円、従業員数3,000名をほこる大企業である。
マーレ佐々木(入居者):D2号室住人。
山本レン(入居者):D1号室住人
鈴木マサ(入居者):C1号室住人
茅野 外:C2号室住人
序章 その名は「アラウンド・カオス」
第1話 分岐
第2話 迷入
第3話 呆然
第4話 遮断
第5話 狂喜
第6話 逆流
第6話 逆流
ここは、非常識な者たちが集まるアパートである。非常識のなかに、常識があれば、常識が悪なのである。さて、そんな「アラウンド・カオス」で生活する茅野は、日ごろから違和感を抱いていた。 @2019年某月
(かぽっ、こぽっ、かぽっ、こぽっ)
(かぽっ、こぽっ、かぽっ、こぽっ)
(かぽっ、こぽっ、かぽっ、こぽっ)
時折、このような音が聞こえる。部屋を見渡しても、異変は見当たらない。浴室の排水溝が、少し汚れている気がする。使ったあとの汚れとは違う感じだ。砂が混ざっている。しかし、原因はよくわからなかった。
このような状況が数ヶ月続いていた。
たまたま、本当に、偶然だった。
浴室の排水溝から水が逆流しているのである。上階でシャワーを使っているような音がする。石鹸混じりの水が逆流していたので、原因は明らかだった。茅野はすぐに管理会社に電話した。
茅 野:「もしもし、水が逆流しています」
日本住宅マネジメント管理会社:「わかりました。担当者に伝えておきます」
報告は済んだ。あとは、管理会社が適切に対応するだろう、と相変わらず常識的に考えてしまう茅野だった。
数日、1週間経っても、管理会社から連絡は来ない。しかし、それ以降、逆流している様子はなかった。
茅 野:(上階から点検したから、ここには連絡来なかったのかな?)
茅野は呑気である。ここは油断をした者が損をする世界である。しかし、違和感がなくなったのも事実であった。
実は茅野が入居してから、2022年4月に管理会社が変わるまで、一度も、掃除しているところを見たことがない。4年間一度もだ。これは管理会社ではなく、オーナーが依頼していなかったことが、あとでわかるのだが…。そりゃ、誰にも会わないはずだわ。
次回、第7話 再来
▼ 賃貸暮らしの方、賃貸住宅のオーナーをはじめ、この物語のオーナーや管理会社についてご意見がございましたら、コメントを残してください。特にこれまで嫌な思いをした経験のある方と情報共有できれば嬉しいです。
・「私なら内覧で判断している」
・「私も同じような対応するかも」
・「このような管理会社を選びたくない」
・「入居者を適法に追い出すいい方法だ」 など