つまみ食いした論文 (Leonard MB, et al. Vancomycin pharmacokinetics in very low birth weight neonates. Pediatr Infect Dis J. 1989 ;8:282-6. PMID: 2657617.)
本記事は、主に医療従事者向けに記載をしております。また、本記事の内容は、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。
久々の投稿ですが、現在、業務多忙+未来の色々な発表の準備をしています。
未来の発表に関連して、論文をつまみ食いしている最中です。
タイトルを記載している要旨の内容のみ記事にしていきます(某国内医薬品メーカーの感染関連の論文要旨の英訳のようにです)。
あくまでも英語素人な一病院薬剤師がソフトに頼りながら和訳しているので異訳等があればご了承ください。
超低出生体重新生児におけるバンコマイシンの薬物動態
要旨
超低出生体重児 12 例を対象に塩酸バンコマイシンの薬物動態を検討した。妊娠年齢(平均±SD)は25.9±1.3週で、試験開始時の体重は769.2±151.5gであった。バンコマイシンは、10人の患者に1日1回14.2±3.2mg/kgを1日1回、1人の患者に1日2回、1人の患者に1日36時間ごとに、平均10.5±4.9日間、60分かけて注入した。連続採血を行い、濃度時間データをADAPTコンピュータプログラムを使用して、ワンコンパートメントオープンモデルに適合させた。妊娠後の年齢とバンコマイシンクリアランス(P 0.005未満)、およびバンコマイシン消去半減期と血清クレアチニン(P 0.01未満)の間には有意な正の相関が認められた。血清クレアチニンとバンコマイシンクリアランス(P 0.005未満)、受胎後年齢と血清クレアチニン(P 0.005未満)、バンコマイシン半減期と受胎後年齢(P 0.01未満)の間には負の相関があった。これらの知見に基づいて、1000g未満の乳児にバンコマイシンを15mg/kgを24時間ごとに投与すると、許容される治療範囲内の濃度が得られるはずである。このような感受性の高い集団では、患者間のばらつきが大きく、腎機能が継続的に成熟しているため、バンコマイシンの濃度を頻繁にモニタリングする必要がある。