バンコマイシンの薬物動態は、患者群の年齢、性別、体格で影響があるか? (PMID: 7846752)

本記事は、主に医療従事者向けに記載をしております。
また、本記事の内容は、私個人が書いていることで、私の所属している施設などとは一切関係がないことを併せてご承知の上、記事をご覧ください。

はじめに

久しぶりの記事投稿です。

今回もまたもや性懲りもなくバンコマイシン (VCM)に関する論文を読みました。

これまでは、VCMのガイドラインの改訂の話や

体格 (主に肥満)で、VCMの薬物動態、投与量、安全性が異なるかどうか?に関する内容や、

VCMのトラフ濃度15-20μg/mLでの管理 vs AUCガイドでの管理の安全性に関する内容

頭部外傷の患者を対象とした、クレアチニンクリアランスに上限を設けたバンコマイシンの投与設計は妥当かを報告された内容

などに関して、記事にしてきました。

(私に儲けがでる訳ではないですが、是非読んでみてください)

今回は、バンコマイシンの薬物動態が、患者群の年齢、性別、体格によって影響があるかどうかについて検討した報告を読みました。

Ducharme MP, et al. Vancomycin pharmacokinetics in a patient population: effect of age, gender, and body weight. Ther Drug Monit. 1994 Oct;16(5):513-8. doi: 10.1097/00007691-199410000-00013. PMID: 7846752.

今回読んだ論文の内容をスライド1枚にまとめました。

画像1

今回読んだ論文は、TDM関連の雑誌では老舗の、「Therapeutic Drug Monitoring」という雑誌に25年以上前に掲載されている内容です。

今とは、投与設計に関する方法 (昔はノモグラムに基づいて投与設計を行なっていたと思われる)や、目標濃度の違いなどもあり、現在とは根幹が異なるであろうけど、バンコマイシンの薬物動態という意味では現在も利用可能なのかと思い、読みました。

あくまでも個人的な感想ですが、とにかく1センテンスが長い!

読んでいて、和訳する際に、前後の意味がわからなくなってきて困惑する場面が多々ありました・・・。自分の英語力の無さが原因だとは思いますが。

そんなことはともかく、本題です。

スライドにもまとめましたが、結論は、分布容積は、年齢、性別、体格により異なる点があったこと、これらの知見を考えながら投与設計を行えばうまくいくんじゃないかという内容でした。

画像2

画像3

でも、上記が論文内の結果の要約に関する図表ですが、対象が上記の割り振りで、これが適切な評価なのかは少し疑問です。。。

そりゃ年齢で、クリアランスは変わるだろうし、クリアランスが違えば、クリアランスを算出するのに使用している分布容積や消失速度定数が変わるのは当たり前な訳で・・・。

ということで、背景をならして比較されているともっとよかったなぁと感じましたね、正直。

今回は少しハズレを引いたような感じでしたが、勉強にはなりました。

今後も、読んだ論文を記事にしていこうと思います。

なお、Twitterをやっているので、そちらのフォローもしていただくと、しょうもないことをつぶやいています。
お仕事の依頼は、TwitterのDMからお願いしますね。

ではでは・・・。

よろしければサポートお願いします。 サポートいただいた費用で、論文の取り寄せ等に使わせていただき、記事を充実させていきます。