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イラスト未経験者が全力で半年間勉強したらどこまで描けるようになるかの結果発表

お久しぶりです。成人14歳(@arothir_illust1)です。
ここ最近noteの更新をしていませんでしたが、影に隠れてシコシコとイラスト作成に励んでおりました。

本格的にイラスト作成を開始してから、約半年という月日が流れました。マジで早いですね。あっという間の半年でした。

1月の中頃に「3年間でイラストの上達を目指します」という目標を掲げましたが、すでに期限の1/6を消費したことになります。

前置きはこれくらいで、さっそく半年間でどれくらいイラストが上達したかを見てみましょう。

まずこれが半年前に初めて描いたイラスト。

20220117心の中の人物

これが約半年後に描いたイラスト。

共感できない

どうでしょう?

最初の幼稚園児の父の日のイラストよりかは上手くなったのではないでしょうか?

半年間で描いたイラストは模写を含めず13枚くらいです。

成人14才

では、1枚1枚どのような考えで、どんな練習をして描いていったのか振り返りながら確認していきます。

半年間の成果を振り返る

成人14才

まずは1枚目。初めて0から描いたイラストです。

今見ると目を伏せたくなる完成度ですが、当時は「めっちゃ上手いやん」と本気で思っていました。途中コロナに罹ったこともあり2週間くらいかかった(無駄に)超大作でございます。

拙い部分は多分に、幾重にも、相当数見受けられますが、この時点で人体のバランスはそこまで悪くないと思います(腕を除く)。

もしかしたら、最初の1ヶ月はイラストをほぼ描かずに、人体のバランスをひたすら勉強していたのが良かったのかもしれません。

クロッキーや適当に写真を見て身体のバランスを模写する練習をしていました。また、「脳の右側で描け」という教本もかなり良い影響だったと思います。

こちらの本を実践したおかげで「見る力」が養われたのかと。

イラストは「資料」がとても重要と言います。その資料の構造、構図、バランスなどを解釈し、出力することで良いイラストが出来上がるとのこと。

この「解釈」というのに「見る力」はとても役立つと感じました。正しく見ないと正しく解釈はできないので、資料とは違うイラストになってしまうからです。

要は料理をするときに「正しい味覚」がなければ、万人が美味しいと思う料理は出来ないよ。ってことですね。

カウントダウンclip

2枚目。

これもまた目をそらしたくなるイラストです。

こちらも完成までに3週間くらいかかっていますね。全てELDEN RINGがいけない。

この絵の失敗した点は、自分なりに描いてしまったことがあげられます。

1枚目を完成させたとき、着色が全く上手くいかず塗りの勉強をしようと思い立ちました。そこで、色々な着色の教本を購入しましたが、何を書いてあるのかサッパリわからずに断念。教えを全て無視して自分なりに着色した結果がこれです。

以後、なるべく「自分なり」を封印しようと決意します。

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3枚目。

影が意味わからないことになっているイラストです。光源がしっちゃかめっちゃかでどうなっているのかサッパリわからない。君、ベッドから浮いてない?

ただ、この絵は今までのように自分なりに描いた物ではなく、自分で写真を撮影したり、影の付け方の動画などを何本も見て勉強しながら描いた物です。

結果は残念でしたが、この「調べながら描く」という考えは間違っていないと思います。

もちろん、以前から資料集めはかなりの時間をかけて行ってきました。1枚のイラストを描くのに、だいたい20枚くらいの資料を集めています。

ただ、問題だったのが、「どうやってこのイラストが描かれたのか」までリサーチしなかったことです。

考えてもみてください。「鼓味田鶏」という中華料理をレシピを調べず実物を見ただけで作ることができるでしょうか? たぶん、というか絶対にムリですよね。(ちなみに鼓味田鶏はカエル炒めです)

イラストもこれと同じで、ただ完成したイラストを見るのではなく、どうやってこのイラストができたのかまで調べる必要があります。

たとえば、このイラストの場合は、YouTubeなどで「制服 描き方」「髪 描き方」「シワ 描き方」などを逐一調べて描き上げた物です。

このように調べながら描いていけば、知識として描き方を蓄えることができますし、実りのある練習にもなります。その時は下手でも経験値は手に入ります。

まぁ、結果としてこのイラスト失敗しているわけですが、この時吸収した知識が後々活かせるわけです。たぶん。

ゆび切り少女

4枚目。

「僕には色彩センスがないんだよ!」と開き直ってモノクロで描いたイラスト。

よせば良いのに「背景をちゃんと描くぞ」と意気込んだ結果3週間以上かかりました。ホントは写真をイラスト風に変換する機能を使って描こうと思っていたのに、しっくりこなかったから仕方ないね。

また、影についても前回上手く描けなかったトラウマから人物にほぼ影を描かないという画期的なウルトラCで解決。

木材のディテールを描き込むのが一番楽しかったイラストです。

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5枚目。

2時間でどこまで描けるかを実験したイラスト。serial experiments lainの主人公「lain」の二次創作。

今までは数週間かけて何度も何度も修正して完成させていたので、その時以上の実力でイラストを描いていました。逆に言えば、短時間で描くことで本当の実力がわかります。

というわけで、このイラストが当時の本当の実力です。合掌。

あの夏へ

6枚目。

3カ月上達方で漫画家「高畠エナガ先生」の絵柄を真似ようと色々と実験しながら描いたイラスト。

高畠エナガ先生は、独自なデフォルメ感を出すめちゃくちゃ個性的なイラストを描く漫画家でした。(惜しいことに数年前に亡くなっています。)

そのため、いくら真似ようと頑張っても全然上手くいかない。

デフォルメって基礎をしっかりと固めた上でするべきものなので、現状の僕のレベルだとただ崩れたイラストにしかなりません。

ここから数ヶ月は何を描いても違和感があり、何をやっても上手くいかないスランプのような心境に陥ります。

ワンコインガールキャラクター案2

7枚目?

高畠エナガ先生の漫画を読み直していたら、「漫画描きたい」と急に思い立ち、ストーリーを練りつつキャラクターデザインをしてみた。

ストーリーは完成したのだが、現状の画力では100%描けないので、持ち越し。

キャラクターのモチーフは巫女服×ナース服。どうしてこんなデザインなのかも設定はあるけど、ただあるだけです。

夏への扉

8枚目。

高畠エナガ感を残しつつ描こうと足掻いた結果がこのイラスト。

マジでムリ。着色が上手くいかない。影が理解できない。死にそう。

合計5回も色を塗り直している。

知人に相談したら「エアブラシで塗るな」とアドバイスをもらい目から鱗が落ちる。

というのも、今回「フィギュアの塗装ってイラストにも活かせそうだな」という解読不能な思考を巡らし、YouTubeでガレージキットの塗装動画を見てイラストの色を塗っていた。マジでバカ。

ここら辺は描くのが辛すぎてあまり記憶がない。

女子高生とハンマー2

9枚目。

高畠エナガ先生の絵柄は諦め、mebae先生のイラストを参考に描いた。

また、このイラストから「わからないことは描かない」という考えを身につける。というのも、今までは一気に全部をやろうとしすぎていた。

資料を見ていると、「この線は理解できるけど、ここはわからない」「この影はわかるけど、ここの影はどうしてだ」と、今の自分では理解できない箇所が必ずある。

今までは、その「よくわからないもの」も無理矢理理解しようと努め、何度も修正していた。だけど、結局わからないものはわからない。そんな状態でイラストを描いても上手くいくはずがない。

なので今回はとてもシンプルに描いてみた。今の自分でわからないことは省き、わかるものだけで描いた。

「ここの影がわからない」→描かない

「足どうやって描くんだ」→描かない

「色塗れねえ」→塗らない

もちろん、今後ずっと描かないという訳にはいかない。じゃないと成長できないし。

ここで言いたいのは、1歩ずつゆっくりと着実に成長していこうといういこと。

「今回のイラストは『影』をしっかりと理解しながら描こう」

「今回はのイラストは『足』を中心に描こう」とか、1つ1つ課題を見つけてイラストを描いていった方が結局成長が早い気がする。

一気に全てを吸収するのは僕にはムリなので、じっくりと描いていくことにする。

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10枚目。

「咥内」を課題に選んで描いたイラスト。それ以外はほぼ描いていない。

描く内容を絞ったおかげか、スイスイと2日くらいで描けてとても楽しかった。自分的には結構上手く描けたと思う。

壊れてないと壊れちゃう

11枚目。

「顔」をテーマに描いたイラスト。

今まで目元とかにあまり力を入れずに描いていたが、今回は目の描き方を重点的に調べながら完成させました。

これも2日くらいで完成させた。

こわれた

12枚目。

「首回り」をテーマに描いたイラスト。

廃屋カーネル様を参考に鎖骨や首を描き込んでいきました。鎖骨を描き込むのが本当に好きで、とても楽しかったイラストです。

また、このイラストを描いている途中、廃屋カーネル様が逝去されました。僕がイラストを描こうと思った切っ掛けの人だったので、ショックが大きくしばらく手につきませんでした。

僕のような絵描きもどきが言及するのもどうかなと思ったのですが、少しでもこんな素晴らしいイラストを描く人がいたということを知って欲しいので、ここに記載します。

本当に本当にありがとうございました。

共感できない

13枚目。

半年間の総決算ということで、今持てる力を全て注ぎ込んだらどうなるかを試したイラストです。

今までは髪の毛をあまり描き込んでいなかったですが、今回は描き込んでみました。そうすると一気に見栄えがよくなったので、「髪の毛」「指」「首筋」は描き込むと見栄えがよくなる三種の神器だと思います。

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1枚目と比較すると明らかに上手くなっていますね。前よりも真っ直ぐ線を引けるようになっていますし、ポージングも自然になっています。

「自分がどれだけ成長したのか」というのを定量的に判断するのは難しいですが、感覚的にはだいぶ変わったと感じています。

ラフを描く速度も速くなりましたし、想像した完成図にかなり近いクオリティで出力することが出来るようなりました。

未経験者が真剣にイラストの勉強を頑張ると、半年間でこれくらい描けるようになるという1つのサンプルモデルです。この調子で、半年、1年、2年と精進していきます。


一番成長した練習はなんだったのか

この半年間は人体解剖学を学んだり、ひたすら身体のパーツを描いたりみたいな地道な「練習」をほぼほぼしていません。最初の1ヶ月間は教本を読みながらクロッキーなどしていましたが、その後はずっと本番環境で描いていました。ぶっちゃけ、3カ月上達方も全然守ってない。

イラストを描く→下手な箇所を探す→上手く描けているイラストを模写する→次のイラストを描く→下手な箇所を探す→以下ループ

みたいな流れでイラスト制作をしていました。しかもべつに毎日イラストを描いていたわけではありません。仕事をしているので平日は3~4時間くらいですし、休日も遊びに行くことが多くて描かない日も多かったし、ELDEN RINGが出た時期は全くイラスト描いていなかったし、週に1日くらいは何もしないで映画を観たり漫画を読んだりする日を設けています。

ただし、1枚のイラストを描き上げるのに何度も何度も修正を繰り返します。線画を描いたら翌日確認して、違和感があるところとを修正します。修正したらまた翌日確認。違和感ががなくなるまで繰り返しました。

根気の要る作業でしたが、結果としてこの練習方法が自分には合っていたんだなと思います。練習方法って人それぞれなので、これが他人におすすめできるかは甚だ疑問ですが、僕はこの方法でイラストが多少上達しました。

あと、明らかにここから変わったなと思ったのは、「描けない物は描かない」という引き算的な考えを手に入れたときからでしたね。先述しましたが、今の自分では理解できない物を描かない方が結果として上手にイラストが描けます。

このおかげで力を入れて描きたい箇所に集中でき、知見を広げることができました。いやホントにこの考えは大事なのかもしれない。全てを完璧に描くんじゃなくて、イラストの一部分を完璧に描く。これを繰り返して完璧に描ける部分を増やしていき、最終的に全部を完璧に描けるようにすればいい。

1枚1枚死ぬ気で描くよりもこちらのほうが気が楽だし、何より描いていて楽しいです。自分の成長も実感できるので、メリットばかりだと思います。

まとめ:初心者でも頑張れば半年でそこそこ描けるようになる

これからイラストの練習を始めようと思っている人、今まさにイラストの勉強を頑張っている人、そして今後の自分のために「アカギの金言」を捧げます。


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