キューバの話(1)
2019年の2月、キューバに行った。
卒業旅行として行った。
「早くキューバに行かなければ」
キューバを夢見る人なら1度は零すこの言葉。
私ももれなくその言葉を使った1人だ。
私の勝手な計画では、
卒業旅行は親友と2人でアメリカ横断をするつもりだった。
そう、まさに映画「テルマ&ルイーズ」のように。
ただ実際私が憧れていたのは、自身が卒業論文で取り上げた小説「オン・ザ・ロード」さながらの旅だったのだが。
どっちにしろ、結果的にこの計画は崩れた。
卒業旅行シーズン時期、私には他に海外旅行に行けるほど仲の良い友人や恋人はいなかった。よって自然と卒業旅行は無くなってしまった。
が、私はキューバに行きたい。(あと、テキサスにも)
その思いはずっとあった。
大学4回生の冬休み。
実家に帰った時、自分の部屋から手帳を見つけた。
大学入学前に書き出した「在学中に行きたいところリスト」が目に入った。
・スペイン
・メキシコ
・キューバ
・ブラジル
・カリフォルニア…
ラテンアメリカやスペイン語圏の中にある「カリフォルニア」が妙に浮いた存在に思えて笑みをこぼす。
行ったところにチェックを付け、自作のそのリストを眺めていると、ブラジルとキューバに心をグッと奪われた気がした。
あれ?めちゃめちゃ行きたい…
まずは友人のいるブラジルを調べた。
イグアスの滝は死ぬまでに見たい、なんなら今すぐ見たい景色No.1だ。
そしてもちろん友人にも会いたい。
加えて、オウロ・プレットという小さな都市に行くことも。
これは高3の時から夢みていたから絶対に訪れたい。
なんて地図に訪問場所をマークしていると、
国内で3回も飛行機に乗る計算になった。
これではとてつもない金額になるぞ。
それにブラジルはポルトガル語が公用語。
いやいや、地元で飛行機取れるか自分…と不安になり泣く泣く断念した。
それからキューバについて調べ始めた。
行先はあちこち行きたかったが、ぐっと堪えてハバナ一択にした。
大学4回生まで、私とキューバとの関わりはあまりなかった。
大学2回生の時に「キューバの映画ポスター展」を見に行ったのと、バイト先でブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの音楽、「7days in Havana」を流していたのを流し聞き、流し見した程度だ。
それだけなのに、全く関わりがないと思ったことがない。
本当に不思議だ。
なんだか初めてではない、旧友のような懐かしさがキューバにはあった。
あくまでも私の感覚だ。あてにはならない。
それでも、無関係なんて言いたくないと思わせるなにかがある。
さっさとAirbnbで部屋を取り、飛行機をとった。
利用するのはアエロメヒコ航空ときたら、
問答無用で乗り換え地はメキシコシティ国際空港。
メキシコにも行けて(空港から出てない)、キューバにも行ける贅沢…
最高の卒業旅行じゃん…と1人興奮して浮き足立っていた。
さぁ〜鳥取から旅立つぞ