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ひとかけらの青





朝7時.........



朝、肌寒い体育館.........







ガラガラッ

○○:おはよ


咲月:あ、おはようございます!


○○:今日もはやいね?


咲月:1on1で先輩に勝てるようになるんです!


○○:まだ言ってたのね。笑


咲月:勝つまで言います!


○○:そっか。笑







1年前.........


残り30秒、46対47  私たちのチームは相手を追いかける展開だった。


「咲月!こっち!」


手を挙げて先輩がボールを待っている


咲月:はい!


バシッ


咲月:あっ.........




ボールは相手にスティールされ、無情にもシュートはリングの中へ



ピーー


試合が終わった




咲月:ごめんなさい.........グズッ


紗耶:いいから、気にしない気にしない!


咲月:でも.........グズッ


紗耶:みんな咲月のせいで負けたなんて思ってないから、切り替えよ?


咲月:はい.........






それでも自分がチームを負かしてしまったという責任感から.........



咲月:このままじゃだめだ.........



と思い、朝自主練をする事に









ガラガラッ


○○:シュッ


スパッ


咲月:綺麗.........


○○:あれ、女バスの.........


咲月:あ、菅原咲月です.........


○○:井上○○、よろしくね


咲月:あの.........


○○:ん?


咲月:私もここで練習していいですか.........?


○○:もちろん


咲月:ありがとうございます!









○○:シュッ


スパッ


咲月:あの.........


○○:なに?


咲月:シュートってどうやったらそんな綺麗に入りますか?


○○:ちょっと打ってみて?


咲月:はい



シュッ




スパッ


○○:え、言うことないじゃん。


咲月:た、たまたまです!


シュッ



スパッ


○○:ほら、上手いよ?笑


咲月:もう.........








それから2人で朝練を続けていくうちに.........


咲月:井上先輩!


○○:なに菅原さん


咲月:1on1で勝負してください!


○○:いいけど.........絶対負けないよ?


咲月:じゃあ.........負けたら言うこと1つ聞いてくださいね!


○○:良いけど





シュッ


スパッ




ダムダム




シュッ




スパッ





○○:ま、こんなもんかな?


咲月:鬼め.........


○○:ふふっ笑


咲月:またリベンジします!







そして今に至る.........


咲月:今日こそは負けませんよ!


○○:はいはい。笑



咲月攻撃からのスタート、ボールを一旦○○に渡しリターンする


咲月:(私は小さいから.........低めのドライブと緩急で.........)


咲月:キュッ  ダムダム


○○:..................


咲月の狙いが上手く行けばシュートを打つことも可能だったかもしれない






それは自分のついたボールが足にあたりバランスを崩さなければ、の話だが


咲月:うわぁ!


○○:あぶない!





ギュッ




咲月:あれ.........痛くない.........


○○:大丈夫?


咲月:(あれ私.........井上先輩に抱きしめられてる?!)


咲月:ごごごごめんなさい!!!


○○:大丈夫だよ。笑


○○:それに菅原さんってちっちゃくて収まりが良かったし。


咲月:..................


○○:顔真っ赤だけど大丈夫?


咲月:は、はい.........




咲月:(中途半端になるから恋なんてするはずじゃなかったのに.........)




○○:.........ん?





咲月:(こんなのずるいじゃん.........)




咲月:井上先輩。


○○:ん?


咲月:彼女っていますか.........?


○○:?いないけど


咲月:じゃあ.........好きな人とかいるんですか?


○○:いるよ。

咲月:っ..................そうですか。


○○:俺、飲み物買ってくるね?


咲月:はい.........






咲月:まぁ.......諦めつくいい理由になるか。


咲月:あ.........



咲月の視線の先には○○の上着が.........





咲月:最後に少しだけ.........




○○の上着を手に取り、においを嗅いでみる。




咲月:.........いいにおい。クンクン




咲月:ここから自販機まで少しあるし.........着てもバレないよね.........





咲月は○○の上着を着てみることに





咲月:井上先輩に包まれてるみたい..................







○○:ピトッ


咲月:ひゃぁ?!


○○:ふふっ笑


咲月:井上先輩.........井上先輩?!


○○:うん、ただいま。


咲月:えっと.........これはその.........


○○:菅原さんって変態なの?笑


咲月:そ、そんなことないですけど.........


○○:じょうだんだよ笑


咲月:もう.........


○○:他の男にやったら勘違いされるから、気をつけなよ?


咲月:井上先輩だからなのに.........ボソッ





○○:時間的にもそろそろあがろっか


咲月:最後にひと勝負してください!


○○:いいよ


咲月:(勝ったら告白する.........負けたら諦める、これくらいじゃないと中途半端になっちゃうよね)





咲月の攻撃からスタート。



○○にパスをし、リターンを受け取りスタートする



咲月:ふぅ.........


咲月:(やってきたことを思い出せ.........)


咲月:ダムダム


低めに左右に揺さぶって.........





緩急をつける.........

咲月:ダム  ダム


○○:あ.........


咲月:シュッ



スパッ





咲月:入った.........


○○:負けちゃったか.........笑


咲月:勝っちゃった.........


○○:それじゃあ1つお願い聞いてあげるけどなんかある?


咲月:えっと.........


○○:うん


咲月:井上先輩のこと.........その.........





咲月:す.........


○○:..................


○○:うん?


咲月:な、名前で呼んでもいいですか!






咲月:(言えなかった.........)




○○:いいよ、そしたら俺も咲月って呼ぶね?


咲月:っ..................


咲月:○○.........先輩.........


○○:なんか一気に距離近くなったかもね、嬉しいよ。笑


咲月:(その笑顔がずるいのに咲月呼びなんて慣れないよ.........)





○○:あ、そうだ咲月


咲月:は、はひ!


○○:ふふっ笑慣れないね。笑


咲月:そ、そんなことないです!


○○:そっか、ねぇ咲月


咲月:はい.........?


○○:好きだよ?


咲月:え、




咲月:えーーー!!?!?!


○○:だからさっき咲月も好きって言おうとしててくれたら嬉しいなって思ったんだけど.........


咲月:(バレてる.........)


咲月:ギュッ


咲月:こ、これが私の答えです.........


○○:そっか。ギュッ


咲月:わ、私バスケも疎かにしたくなくて.........


○○:部活の時はってか学校では隠した方がいいかもね


○○:オフの日とかは外で遊んだり出来ればいいかなって


咲月:ですね.........


○○:なんか変?


咲月:いや.........実感がなくて.........


○○:ギュッ


咲月:?!


○○:これでも.........?ナデナデ


咲月:..................じ、実感しましたから.........


○○:ふふっ笑









キーンコーンカーン


咲月:やばっ!


○○:じゃあまた部活でね!


咲月:○○先輩!


○○:なに?







咲月:チュッ


○○:え..................え?!?!


咲月:ほ、他の女子に目移りしないようにおまじないですから!


○○:..................




咲月:それじゃあ一限間に合うようにしてくださいね!


ガラガラッ



○○:...........................







○○:やばっ!行かなきゃ!









fin.........




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