感情のホイール
感情のホイール英語版をはじめてみたのは、今から一年ぐらい前。見た瞬間、アメリカに行ったならこれを手に入れようと思いました。
25年前の神戸の震災を機にマッサージを仕事にしようと思いました(私は神戸出身です)。何かあっても身一つで誰かにできることをと思ったのがきっかけ。そして311の震災でもボランティアでマッサージをしに行ったりしました。けれども、マッサージは人の慰めにはなるけれど、何かが足りないと感じました。私自身も精神的に堪えていました。
次に学びに行ったのはグリーフケア。上智大学で社会人向けに講座が開催されると知って、すぐに申し込みました。
グリーフとは「かなしみ・悲嘆」のこと。人は、自分の感情に案外気づいていないということ知った2年間でした。けれども、今ある感情に気づき、それを語ることができたら、自分の中でくすぶっているイライラモヤモヤも、「ああ、こういうことか」と自分で自分を理解でき、ひとまず落ち着くということも。
ヘレンケラーは視覚と聴覚の重複障害者でありながらも世界各地を歴訪し、障害者の教育・福祉の発展に尽くした人です。1歳半のときに高熱に伴う髄膜炎に罹患、かろうじて一命は取り留めたものの、聴力、視力、言葉を失いました。
ヘレンはしつけを受けることの出来ない状態となり、わがままに育ちます。自分の感情を表現するすべを持たないまま、彼女もからだであらわすしかなかったのでしょう。
私にも経験があります。自分が本当に求めているものをわかっていないから、イライラしたりもやもやして、周りにあたるということ。
ヘレンは6才の時、サリバン先生との出会いにより言語を獲得していきました。大学を卒業して「奇跡の人」といわれるまでになりました。大学を卒業したヘレンは全世界を周り、87歳の生涯をかけて、自分と同じような苦しみの人びとを勇気づけました。
ヘレンは、言葉を得たことで苦しみを知ったというような言葉を残しています。人には苦しみという感情がある、ということを知ったということだと思います。
感情を表す言葉を見つけたいと思っていたので、感情のホイールを見つけた時は「こういうのが欲しかった!」と思いました。そして持ち帰ったら日本語版を作ろうと思っていました。
感情のホイールは、自分で自分を知るツールになると思っています。もちろん、感情のホイールがすべてを言い表しているわけではありません。どの感情にも当てはまらないということもあるかとは思います。でも自分自身で自分を探る一助になると感じています。
さらに精油も使っていくことで、自分で自分をケアしていくことが可能になります。香りは脳に届きます。さらにホイールを使うことで意識の変容が促されます。なぜなら、言葉がその人の世界を作り出すからです。
肉体の傷を癒すように、精神の傷も癒されるのを私自身が感じています。