20230518
泣きたくなるほど純粋で愛らしい彼女の手記を読むと、とてつもなく微笑ましい感覚に襲われる。それは自堕落で唯一、人間の肉体を持っているだけの己のような人間にしか理解できない状態。
己の手記を見返す事にしよう。どれもこれも生々しい本当に血の混じったインクを使って、丸く円を描いた雫と共に滲み出ている。拙く丸い文字がつらつらと、震える手で何度も書き直しているようだ。時には、真っ赤なペンを使用して殴り書きとでも言うのだろうか。B4びっしり描いたと思えばそれは全て上から多くのバッテンで文字が見えないように消されている。己の感情の起状に己が追いつかず、結果的に痛めつけるしか方法が出てこなくなる。
頼りたくとも頼れない。守ってもらいたくとも守られてはいけない。どこかで漠然と何かを制御する自分。それは己に対する自己防衛とでも言ってみる。ただもう、不安になりたくないの。自分が怖くて痛めつけるようになりたくないの。
でも本当はね、
自分の好きな人に守られたいって、頼ってみたいって思うんだ。
本当は、私一人じゃ生きていけない。
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