「読んだ本の感想を書いてみませんか?」と提案されたので「天明の絵師」について書きます
本はほとんど読んだことのなかった自分が活字だらけの本を面白いとおもったのは、つかこうへいさんの本を図書館で読んでからです。なぜその本を手に取ったかというと、表紙の絵がなんとも印象的な絵だったからです。和田誠さんという方の絵だったと思います。やっぱりその後も、その表紙の絵が気になり、星新一さんのショートショートと呼ばれるものを発見し、ブックオフでまだ100円やら50円で本が売っていたころによく購入して読みました。なにやらとんでもない前提でお話がはじまり、思いもよらぬ皮肉なオチがついてたまらなく、こんなお話をかんがえられるなんて!と才能というのでしょうか、その創作力がうらやましかったです。中学生のころに、星新一さんのちょっと真似をして2,3作書いてみた思い出がありますね。へぼへぼな書き物でしたが。
さて、司馬遼太郎さんの「天明の絵師」の感想は、とてもよいです。この作者の短編は(短編以外もあるのでしょうか?まだよく知りません)どれを読んでも一気に読みたくなります。最後を知りたくなるのです。どのように締めくくるか?この話は絵師 呉春という人のはなしでした。とても器用な人でいろんなことに特化できる才能のある人とのこと、読み始めてお話を想像しました、呉春は、そのまま、その才能を生かしてトントンと有名にお金持ちになり、そして、才能におぼれて落ちていく、というストーリーを思い浮かべていたのですが、ぜんぜんちがいました。貧乏な絵師 蕪村先生に弟子入りしたが、貧乏くらしで長く世間に認められることもなく、蕪村先生の娘にも相手にされないのかされていたのか、みすぼらしく描かれていました。なんだか、読んでる方がもやもやとさせられます。ところが、天明の大火事で住処を失い、お寺に避難、そこで絵師 丸山応挙という大先生に運命の出会いをして、大成功をおさめるというお話、最後にはオチもついており、現在では、その作風は評価されていない、という作者の思いもつけられていた。
このまま司馬遼太郎さんの短編を読んでいくと、読み切ってしまうのがさみしいですね。
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