(8)片側顔面痙攣_ボトックス注射の辛さ
最初は痙攣が緩和されたことである程度満足していたボトックス注射ですが、症状が進行するとともに、辛さや不満も感じるようになりました。
※下記は、私個人が感じていたことで全ての方がそうとは限らないと思います。一例としてご参照ください。
■注射箇所の説明
ボトックスを受けた数年間、毎回困ったことは「ここ打ちますか?」「ここは気になりますか?」と打つ際に結構聞かれることです。
先生が痙攣の様子を見て、よしなに注射してくれると思っていたのですが、ある程度自分で判断してお願いしないといけないのです。
正直、全ての箇所が気になりますが、先生はあまり打ちすぎないようにともおっしゃいます。
ここは打ちますかと聞かれても、そこが注射して効果的な場所なのか、自分ではよく分からないのです。かといって、「自分だとよくわからない」と言うと「では打つのはやめておきましょう」という流れになってしまうので、自分の痙攣の把握や伝え方に苦労しました。
動画や写真を撮って先生に伝えることもありました。
■まぶたがしっかり閉じられない
痙攣を緩和するのにちょうど良く注射を打ってもらうと、ボトックスの効果が発揮されている期間は、しっかりまぶたが閉じられなくなりました。
閉じているつもりでも、注射した付近(私の場合は目頭側)はしっかり閉じられておらず、眼が乾燥したり、洗顔時に水がはいってしまい、いつも充血していました。
目薬を処方してもらえますが、結構不快でした。
■ピクピクには効くが、ギューには…
片側顔面痙攣を発症して比較的初期に気になっていたピクピクとした痙攣は、ボトックス注射で緩和された実感がありました。
しかし症状が進行し、眉毛周辺や頬、口元にギューと引っ張られるような引き攣れが強くなってくると、効果をあまり感じられなくなりました。ボトックス注射が1番効いているはずの期間でも、引き攣れの緩和を明確に感じた事はあまりありません。
■出血すると一時的にアザのような跡が残る
痙攣している箇所に注射するからか、うまく注射されず出血したことがありました。
ボトックスの先生がすぐに気づいて、しばらく押さえて止血してくださいましたが、目尻にアザのような跡が黒く残ってしまい、一週間ほどとれませんでした。
先生も「(隠すために)濃いめのアイシャドウなどで工夫する必要があるかも」とおっしゃっていました。
また止血などで結構時間がかかり、私の後の外来の待ち時間がますます延びていて、次が老齢の方だったので心苦しかったです…。こうやって待ち時間が延びていくんだなと身に沁みました。
■お金がかかる
美容目的のボトックスではないので保険適用ですが、一回の施術で1万円以上かかります。
年3回打つとすると、何年も継続したら大きな金額です。
この注射で痙攣が緩和されるので感謝はしつつ、正直これがなければ〇〇が買えるのになぁ…と何度も思いました。
不満ばかり書いてしまいましたが、ピクピクする痙攣には効果が感じられ、ボトックスの先生には手術後の現在でも心から感謝しています。この注射をしてもらえなかったら、痙攣へのストレスが何倍になっていたか、想像もできません。手術の決心がつくまでの対処療法としては、受けて良かったと強く感じています。