(9)片側顔面痙攣_辛さ限界&痙攣がバレないように工夫
症状が進行し、ピクピク痙攣に加え眉や頬、口元がギューと引っ張られるような引き攣れが以前より強くなってくると、辛さが増していきました。
※後日先生に確認したところ、最初は眼輪筋(目の周りのピクピク痙攣、その後目の周りの引き攣れ)、それが広がって口元の引き攣れも…というのは症状進行の王道コースということでした。
自分が写っている写真を見ると、顔が左右で非対称です。
笑顔を作ろうとしても、痙攣する方の顔は眉毛が下がらないので、目がおかしなことになっています。楽しかったはずの旅行や外出の写真を見ると、悲しくなりました。
仕事で同僚や取引先の人とお話しするのも苦痛です。右側の顔が引き攣れてピクピクしているんだろうな…相手は気づくかな?と思うと暗い気持ちになります。
他人に興味のないタイプの人や、話すときに顔をあまり見ない人には気づかれませんが、観察力のある人や顔をじっと見て話すタイプの人、ハッキリ言う性格の人には痙攣のことを指摘されます。
自意識過剰な場面も多々あったと思いますが、痙攣や引き攣れに気づかれるのではと思うと、人に会うのも嫌になりました。
引き攣れが起こると眉毛や目、口元が左右非対称になってしまうので、出来るだけバレないように、いろいろな工夫をしました。
おでこが出るヘアスタイルが好きでしたが、眉毛が見えにくいように前髪をカットしたり…
出来るだけ大きいマスクをして、顔を隠したり…
口元が引き攣れそうな時は、一生懸命唇を噛み締めました。
またコロナで在宅勤務になると、オンラインミーティングの際に顔が真正面から映ってしまうので、モニターを買ってパソコンカメラの位置をずらし、ひろゆきさんのYouTubeみたいに斜めから映るようにしました。
でもコロナが流行しだすとマスクができたので、顔が隠れてずいぶん心が楽でした。
真夏はみんなが「マスクを取りたい!」と言っていましたが、私は逆でした。
「コロナが終息したら、マスクを取らなければならない」と思うと暗い気持ちになるくらい、顔を出すことを辛く感じていました。
しかし…
ある日、病気のことを知っている元上司に偶然オフィスで会い、久々にみんなで楽しくお話したのですが、「目(の痙攣)が辛そうだった」と後から心配してslackをくれました。こんなに工夫してるのに、知ってる人が見るとダメなんだな…とガックリきました。これも手術を決意する一因になった出来事です。
また、「重病ではない」という扱いをされるのが結構辛かったです。
片側顔面痙攣は死なない病気です。
悪気はないことは分かっているのに、「痛みが無いなら良かったね」とか「命に関わる病気じゃないでしょ?」とか、「(美容整形のような意味で)保険適用できない手術だよね?」と言われた時は勝手に傷ついてしまいました。
自分としてはとても気になって辛いのに、他の人には分かってはもらえません。
どんな病気でもそうですが、この辛さは、患った人でないと分からないと思います。「痛くないし、気づかれないこともあるから、気にしない!」とは思えないのです。
ここには到底書ききれないくらい、思い悩みました。