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RADEON RX7000シリーズの配信画質

2024年4月ごろ、ご厚意によりAMD RADEON RX7600をお借りしてテストする機会が得られたので配信エンコードを主に色々動かしていました。

AMD Radeon™ RX 7600 Steel Legend 8GB OC

お借りしたのはこちら、AMD Radeon™ RX 7600 Steel Legend 8GB OC

RDNA3世代グラフィックスカードとなっており、RDNA2となるRX6000シリーズの後継機種であり配信者にとっての目玉は近年実装が進み始めた「AV1エンコード」が利用できる点にあると思います。


各種エンコードによる配信画質テスト

今回行ったのは幅広いエンコード形式で配信可能なYoutubeにて、各形式
ごとに複数ゲームタイトルで比較を行ってみました。

各タイトルごとに配信を行い映像をアーカイブに記録していますが、数が膨大なため、スクリーンショット撮影から簡単な比較画像も製作しました。

動画のアーカイブについては再生リストを製作してあるので、そちらへのリンクも掲載しています。

テスト条件と内容

配信ソフト:OBS Studio Version 29.1.3
グラフィックドライバー:AMD Software : Adrenalin Edition 24.3.1

エンコード形式:H.264,H.265,AV1ごとに各条件で配信

配信画質:1280x720,1920x1080,2560x1440
フレームレート:60固定
映像ビットレート:4000,6000,8000Kbps

配信形式:ゲーミングPC+配信PCによる2PC配信方式
※PC構成は後述している内容を参照

ゲームタイトル/配信内容
ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON
アリーナランクA7「G2ナイル」と対AC戦
撮影は開始前のインターミッションとAB移動中で画質比較

Pal World
拠点で軽作業後、フィールドをダッシュ移動して塔ボス「ゾーイ」戦
撮影は伐採中とフィールド移動中で画質比較

theHunter: Call of the Wild
アウトポストからバギー及び徒歩での移動後、川沿いをスコープで索敵
撮影はバギー前での待機中とバギー移動中で画質比較

ゲーミングPC側の構成

ゲーミングPC構成

CPU:AMD Ryzen 9 5900X + DeepCool AK620WH
GPU:SAPPHIRE NITRO+ AMD Radeon™ RX 6900 XT
M/B:ASRock X570 Taichi
RAM:CORSAIR VENGEANCE RGB PRO 3200MHz 16GBx2(32GB)
System Disk:WD SN850 NVMe 1TB
Game Disk:WD SN750 NVMe 2TB
Storage Disk:WD SN750 NVMe 2TB
PSU:Seasonic PRIME PX-1000
CASE:Fractal Design Define 7 Compact Light TG White
FAN:Lian Li UNI FAN SL120 WHITE
OS:Microsoft Windows 10 Pro

配信PC側の構成

配信PC構成

CPU:Intel i3-10105 + SAPPHIRE S360-A
GPU:AMD Radeon™ RX 7600 Steel Legend 8GB OC
M/B:ASRock Z590 Taichi
RAM:KLEVV BOLTX 3200MHz 16GBx4(64GB)
SSD:WD BLUE SN570 500GB
PSU:ANTEC NEO ECO GOLD 650W
CASE:長尾製作所 オープンフレーム ver. ATX
OS:Microsoft Windows 10 Pro

Capture Card:AVerMedia Live Gamer DUO - GC570D

・ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICONでの各画質

H.264,720Pでビットレートごとの画質
H.265,720Pでビットレートごとの画質
AV1,720Pでビットレートごとの画質


H.264,1080Pでビットレートごとの画質
H.265,1080Pでビットレートごとの画質
AV1,1080Pでビットレートごとの画質


H.264,1440Pでビットレートごとの画質
H.265,1440Pでビットレートごとの画質
AV1,1440Pでビットレートごとの画質


・Pal Worldでの各画質

H.264,720Pでビットレートごとの画質
H.265,720Pでビットレートごとの画質
AV1,720Pでビットレートごとの画質


H.264,1080Pでビットレートごとの画質
H.265,1080Pでビットレートごとの画質
AV1,1080Pでビットレートごとの画質


H.264,1440Pでビットレートごとの画質
H.265,1440Pでビットレートごとの画質
AV1,1440Pでビットレートごとの画質


・theHunter: Call of the Wildでの各画質

H.264,720Pでビットレートごとの画質
H.265,720Pでビットレートごとの画質
AV1,720Pでビットレートごとの画質


H.264,1080Pでビットレートごとの画質
H.265,1080Pでビットレートごとの画質
AV1,1080Pでビットレートごとの画質


H.264,1440Pでビットレートごとの画質
H.265,1440Pでビットレートごとの画質
AV1,1440Pでビットレートごとの画質


各エンコード方式ごとの配信アーカイブ

なお、こちら画像の元となった配信アーカイブは以下のバナーをクリックすると各再生リストに飛ぶようリンクを貼ってあります。


各エンコード方式でテストをやってみて

Youtubeで現在利用できるGPUエンコード形式としてH.264,H.265,AV1の
3種類で条件を変えながらやってみましたが、純粋な画質としてはH.265形式が最も抜きんでてる形でAV1が思ったより振るわないと思いきや
4,000~6,000kbps帯での画質はH.265に並ぶかやや上回る結果も出ており
ネットワーク事情により高いアップロード帯域を利用できない配信者にとってはなかなか有用な形式ではないかと思います。

ただ今回のテストを行っている際に気になった部分として、比較的画質を出しやすい静止画の状態でも一定周期ごとのブロックノイズを発する場面が目立っていました。

この現象は3種のエンコード形式全てで見受けられ、AV1,H.265の2種は画質が出しやすいこともありそこまで致命的ではなかったのですがH.264では
圧縮率に劣る分、先のブロックノイズとの相乗効果で非常に低画質な物となっていました。

なお、この現象についてはテスト中に用いたドライバーがAMD Software 24.3.1と現行の24.5.1(24.5.29現在)より2段階ほど前のものなので、現在では解消されている可能性があるのと1世代前のRadeonであるRX6000シリーズ(RDNA2世代)では一切発生していなかった事をここに明記しておきます。


最後に一か月ほどでしたがRadeonの最新機種であるRX7600をお借りして色々試せたのは大変面白かったですし、前世代のRDNA2であるRX6000シリーズとの違いも確かめられ非常に有意義でした。

今回のテストで特に気になっていたAV1エンコードも現状ではYoutubeでしか利用できませんが、今後普及が進むごとに恩恵を受けられる人も増えていくでしょうし同時に事情も変わるのではないかと思います。

それでは( 'Θ')

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