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アタッチメント
2020年9月3日より国立のギャラリー、アートスペース88にて、私の5回目の個展が始まります。
ギャラリーは2階建ての作りで、38点の原画を展示、関連グッズの物販も行うボリュームのある内容となっています。物販は作家在廊時のみになりますので、お越しの際はご注意ください。月/木11:00~16:00、火/金13:30~16:00、土/日13:30~18:00に在廊予定です。(9/9水は休廊です)
会場内にはところどころ解説をつけたボードなどもありますが、メインは絵を鑑賞することなので、長くなりすぎないように内容を絞っています。
今回のテキストでは、そこで書き切れなかったことなども含め、作品への理解がより深まるような内容になればと思います。(なるとは言っていない...)
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今回の展覧会のタイトルは「アタッチメント」です。
「アタッチメント」とは心理学等において用いられる主に親と幼い子の間に作られる「愛着形成」の概念と、器具や機械類の「取り付け装置」の2つの意味を持つ言葉です。それに由来し、展示会場は2つの構成に分かれています。
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1階のテーマは「愛着」です。
可愛いペットたちと心を通わせ仲良しになりたい!安全で快適で清潔な環境を作ってあげたい!楽しく幸せに暮らしたい!そのための「愛着を深める」ための日々のたゆまぬ努力をイメージした作品を主に展示しています。
爪切りへの恐怖が具現化した恐ろしい龍との戦いや
これは昨年、ツイッターでモデル募集をした作品です。
🐉【モデル募集企画 第2弾】🐉
— 武装せる動物 久保俊太郎 個展9/3〜 (@kuboshuntaro) August 29, 2019
討伐隊を結成し、恐ろしいドラゴンと戦います!
あらゆる武器を奪い、切断し、やすりで丸く仕上げるという未知の魔物!
うちの子を是非…という方、DMにて志願してください!
⭐︎8/30 23:59まで⭐︎
詳細は以下に続きます。
お読みください!
↓↓↓ pic.twitter.com/x0s3RWGamk
こちらからメイキングも見られます。(ざっくりですが)
モデル募集作品 第2弾
— 武装せる動物 久保俊太郎 個展9/3〜 (@kuboshuntaro) September 17, 2019
色塗り始めました pic.twitter.com/lyfRVeNZ8K
予期せぬ通り雨に打たれ、体を洗われながら踊らされたり
仲良く手を繋がされた天敵の動物同士のほのぼのとした絵など...
思わず笑顔になれる、とても楽しい空間になっています。
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2階のテーマは「つながり」です。
これまでのオーダー作品の回顧展と、物販がメインになっています。
オーダー制作は2015年からスタートし、5年が経ちました。その作品数は50を超えています。
DMにも使用したこのメインビジュアルは、オーダー作品を集合させたものです。我ながら、軍隊さながらのなかなか迫力のある密度が出てきたなと思います。
「歩兵」「騎兵」シリーズはひとつひとつの作品の積み重ねが、1匹1匹の兵士たちが徐々に大軍を成していくシリーズ作品であり、創作活動を支持してくださる方々がいなければ成立しないものです。そういう意味で、私と外の世界とを繋ぐ役割を持っているものでもあります。
オーダー作品は、完成後すぐに飼い主(ご注文主)様のお手元へ運ばれるので外で展示されることは基本的にありませんが、今回の展示のためにいくつかお借りすることが出来ました。ぜひ生の原画をお楽しみ下さい。
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心理学用語の「アタッチメント」とは、心理学者のジョン・ボウルビィが提唱した概念で、母子間の心の深い結びつきのことを言います。今日では母子関係に限らず、生涯にわたるパーソナリティの発達論とされます。
人が成長し自立するために必要なことは、親(それに類する存在)から「分離」するのではなく、強い「結びつき」を得ることなのだとされます。ひとが1人でいるためには、1人ではいられないということです。
絵を描くことは構想を考えるところから完成まで、その作業自体は往々にして1人です。しかしそれは作者がこれまで出会ってきたものや、いま応援してくださっている方々がいることで成立しています。当たり前のことですが、最近は頓にそのことを感じます。
今回のこの展示も、人と絵の、人と人の、繋がりが生まれるものであって欲しいと思います。私がアトリエに戻って1人で絵を描くとき、それが次の絵を描くための力になります。見に来てくださった方にも、絵について考えたり、楽しんだりすることを通して、この展示が終わっても何か心に結びつく物を残すことの出来る内容となれましたら幸いです。
どの作品も、細部までこだわって描いています。
お時間がありましたら、是非足をお運びください!
どうぞよろしくお願いいたします。