151:代車がやってきた!ヤァヤァヤァ!
二等兵は、自動車運転免許を一応所持している。
右下肢の痺れがあるため業務での運転は一切できないし、家の車でも長距離旅行の時にちょこっと高速を走るくらい。
でも、運転するの、結構好きだったのである。
■代車はFit!
仕事から帰ってきた弟が、「ただいまー」と言ったかと思ったら、「いってきまーす」と出て行った。
何事ぞ、と思ったら、車検のためにディーラーへ行くという。
しばらくして帰宅した弟は、「ちっちぇー!!」と笑いながら帰ってきた。
出したのはシビック、代車はフィット。
そりゃまあ小さいですわね。
ハンドルもそりゃぐるんぐるんでしょうね。
――ちょっとお姉ちゃんにもみーせーて!!
中を見てみると、昔のFitより格段に居住性も上がっている。
シートが固いのは仕方ない。小さいし、シビックとは値段も違うし。
運転してみたいなー、どうかなー、いいかなー。
弟に「おねえちゃんコンビニまであれ使っていい?」と聞いたら、「いいよー」とのことなので、なぜかワクテカ顔の母が助手席にぴょんっと乗ってきたので、二人でコンビニへ行くこととなった。
弟からはあたりめを頼まれた。がってんしょうち。
■小回りきいて乗りやすい
Fitに乗ったのは久しぶりだ。
ていうか、車の運転自体が久しぶり。
でも忘れてないもんだなー、と思いながら運転する。
アクセル遊び多いなー。
ブレーキも結構遊び多いなー。
あっという間にコンビニに到着して、駐車の儀。
苦手な方で入れるしかないとこしか空いてなかったけど、まあサイドミラーとバックミラーさえあれば、全然平気。
切り返しなしの一発OK。
ギアをPに入れ、勘は鈍ってなかったぜ! とガッツポーズをすれば、母が笑いながら小さく拍手してくれた。
ちなみに、我が家で車庫入れが一番うまいのは、母である。
「おねえちゃん、全然ちゃんと運転できてるわよ!」と興奮気味の母が、「おねえちゃんが上手に運転できた記念」と称して、弟の財布でダッツを買っていた。
母、財布持ってないっていうね。
■言ったな―?
自宅の車庫入れなんて、今まで運転してきた我が家の車(全部セダン)のサイズからしたら余裕のよっちゃん。
縦列駐車だろうと、車庫入れだけは免許取りたての頃に嫌というほど毎日練習させられたので、得意なのである。
高速も父に超練習させられた。
ちんまり駐車して戻ると、風呂上がりの弟が「どうだった?」とニコニコ聞いてくるので、「小回り利いて乗りやすいね!」と答えると、弟が言った。
「もし姉ちゃんが車通勤するようなところに仕事決まったら、俺がFitをプレゼントしてやるよ」
え、なにそれ超豪気じゃん。
どうした、宝くじでもあたったか。
どうせ、私がそういうところに就職しないだろうと思ってのことだろうけれど、もし本当にそうなったら、遠慮なくたかってやろうと思う。
母が嬉しそうな顔をして、「おねえちゃん全然運転上手よ!車庫入れも一発だし!」と言ったら、弟は「すげーじゃん」と笑っていた。
久しぶりに車を運転できたこともそうだけど、たったそれだけのことで笑ってくれる家族がいるのは、本当にありがたいなあ、と思う。
だって、免許持ってるんだから車なんて運転できて当たり前なんだもんね。
本日の体重: もはや見たくない。