ロティーナVS鹿島アントラーズ第2戦
こんばんは、今回は鹿島アントラーズとのルヴァンカップPO2戦目をおおまかに振り返っていきます。1戦目のレビューはこちらになります
ホームでの初戦では守備が442のアントラーズに対して343(もしくは3421)で配置的な優位を持って攻撃を仕掛けたエスパルスでしたが、結果は0-1での敗戦。とはいえチャンスも作れており基本的なやり方は変えないであろうアントラーズに対して同じ形で臨むと思われ、メンバーは変わりましたが実際に前回と同じ343で試合に入りました。(誤算があったとすればカルリーニョスの不在でしょうか。おそらく唯人のところにカルリーニョスが入って片山は逆サイドの前か西澤の位置に入っていたと思われます)
エスパルスの攻め手
ではエスパルスの攻撃面から見ていきます(主に前半)。こちらは先ほど言ったように基本的には前回と同じで
442で人に付いてボールサイドに寄ってくるアントラーズの守備を利用して逆サイドのWB(主にエウシーニョ)にサイドチェンジのパスを送って盤面を一気にひっくり返す狙いです。前半にも何度かこの形でアントラーズのゴール前まで迫っています。
ただし今回は2回目、アントラーズの方もエスパルスがこの形を狙ってくるのは分かっています。なのである程度アントラーズのSBは大外も気にします。その為、エスパルスが片側のサイドにアントラーズ守備陣を引き込めない時は
このような形で引っ掛かってカウンターを浴びてしまう場面も何回か見られました。(これはアントラーズの同点弾に繋がりますが、それはまた次回)ただ試合では「WBが空いているはず」という思い込みからくるエスパルスの選手の状況判断の悪さで起きているように見えました。
これとは別にサイドチェンジからWBを使うエスパルスの攻撃に対してのアントラーズの対策は主に2点で
1つ目は寄席を早くして同サイドで取り切ってサイドチェンジをさせない事。そして2つ目は
逆サイドに展開されてクロスを上げられても「最後に負けなければよい」という実にアントラーズらしいものでした。
じゃんけんで例えてみましょう。状況的にはアントラーズはグーしか出せない、それに対してエスパルスはパーで準備している状態です。グーは石・パーは紙と言いますが、紙だと包むしかできないので、包んで中身を溶かす紙としましょう(そんなんあるのか?)。そして全て溶かしてしまえばパーの勝ち、つまりゴールです。
普通でしたら包んで溶かしてパーの勝ちです。しかしアントラーズは①パーを出させる前にグーパンチで止める ②パーを出されて周りを溶かされても溶かされない芯を用意する の2点で対抗してきたと言えます(無茶苦茶な例え!)。単純なようですが今回はアントラーズ側もエスパルスが何を狙ってくるか分かっています。なので前回よりは対応がし易く、実際にWBがクロスを上げても決定機を作ることができませんでした。
石にヒビを入れる武器
こちらのやり方に対して強度という「らしい」対策をしてきたアントラーズですがそうは簡単にいきません。ロティーナ監督としてはアントラーズが特別な変化をせずに、こういった形で対応してくるだろうと予想していたはずです。(第1戦勝ってるし僕でもそう思う)
そのアントラーズに対するこちらの手は、高い強度で食い付いてくる相手を交わせる中村慶太の起用です(連戦なのでターンオーバー的な要素の方が強そうですが)。
エスパルスとしてはなるべくアントラーズを片側サイドに引き込んで逆サイドに振りたい。中村慶太が動きながら最終ラインからパスを受けたり、ボールを奪われずに食いついてくる相手を交わして時間を作れるのでアントラーズがそちらに寄り、エウシーニョへの効果的なサイドチェンジを行う事ができました。
またサイドに振るだけでなく自らの動きで中央を突破して決定機も。
こちらはspulse39さんのツイートを借りますが、前半エスパルスが攻撃で主導権を握れていたのは間違いなく慶太の存在がありました。おそらく交代で入った河井も同じような役割があったはずですがあまりできず(鹿島が攻め手を変えて主導権握ったのと、立田が入ったからてのはあると思いますが)。なので慶太の負傷交代というのはエスパルスにとってはかなり痛かったと思います。
アントラーズの攻め手
では次はアントラーズ側の攻撃についてですが、こちらは簡単にいきます。まず前半終わりくらいまでですが
前回と同じようにCB2枚とボランチ(かGKとか)のビルドアップに対して前3枚で合わせて制限してきて両WBがSBを捕まえにくるエスパルスに対して、アントラーズはこちらのボランチの脇、特に鹿島から見て左サイドを使ってまずは中央にパスを入れて崩そうとします。
SHの白崎が受けたりFWが降りてきたりしますが、空いてるように見せて中央はエスパルスが絶対やらせない部分なので、かなりここで引っ掛かっていて、こちらとしてはそこからカウンターに出ることができました(まあそこから点にはならないんですが)。
ということで後半はやり方を変えてきて、長いボールを多く使うようになります。それも単純にFWに当てるのではなく、特にDFラインの裏を狙ったり
エスパルスのWBがSBに出てくる事を利用してその奥にロングボールを送って3バックの1枚を引っ張り出して、競り合いからのボールを収めて中央に選手を走りこませます。
エスパルス側は前から制限かける時はボランチもやや前目に構える(相手ボランチがあまり降りずに、敢えてFWの裏に位置したからってのもありそう)ので明らかに遅れる事が多く、1対1に強いアントラーズに対してかなり危険な状態を作られていました(ただしこれで失点まではせず)。
ということで簡単に両チームの攻め方を見ていきましたが、詳しいレビューは他の方(エスパルス側ではなくアントラーズ側だと思いますが…)がやっていると思うのでそちらを参考にして下さい。
ちなみにこの試合の両チームの1点目は面白いと思ったので別で書こうと思います(たぶん)。
では今回はこの辺で、最後まで読んで頂きありがとうございました。