山形vs磐田(後編)山形得点レビュー
こんにちは。前編では試合前までの観戦記を書いていきましたが、この後編では山形の得点シーンに焦点を当てながら試合のレビューをやっていきたいと思います。
まずは両チームのフォーメーションです
山形は442、磐田は3421になります。そして山形がボールを保持した時には
主に右SBの半田が前に上がって後ろが3枚(3人必要ない時はCBの2枚)のSHが外に開く形になります。
磐田の守備はWBが下がった541の形で行いますが、チーム全体で動くというよりはこの形から個々の選手が状況を判断して近くの選手を捕まえにいく感じでした。なので山形がピッチに広く選手を配置する為、人に付く磐田の守備陣も5バックとはいえ広がった状態であることが多く見られました。
山形の得点シーンを考察
それではまずは山形の先制点を見ていきます。ポイントは磐田の3バックの左の山本義道になります。山形のSBの半田がボールを持ったところで中央にいた藤田息吹がこの位置に動きます。これによりCBの山本義がスペースを空けて前に出てきます。
この時、磐田のWBの松本は外の中原を見る役割があったと思いますが、視界に入ってきた藤田に気を取られて対応が遅れます。ここから
中原はPA深くまで切り込んで林にマイナスのクロス。前回に挙げたウォーミングアップでやっていた通りの形で先制点を奪います。
続いて2点目を見ます。こちらも山形の右サイドから
GKから繋いで磐田の前線の守備を軽く交わして右サイドにボールを持っていきます。ここではSBの半田がインサイドのレーンに位置します。早いテンポでボールを回されたので大津は間に合わず
中原から半田にパスが渡ったところで先程と同じようにCBの山本義が前に出てきて同じスペースが空きます。ここから山形はそのスペースを使って
半田が林にパスを入れてその落としを中原が受けてカットインからゴールを決めます。
この山本義が前に出てくる事によってできるスペースを山形はずっと狙っていてTwitterでも挙げましたが、こちらは20分のシーン
得点の時と同じように山本義を意図的に引っ張り出してそこを狙っています。ついでに2点目も
先制点の時もそうですが、同じように右サイドを攻略しているのが分かると思います。
この山本義が前に出てしまってスペースを空けてしまう事ですが、これは山本選手が悪いわけではなくて先程書いたように、磐田の守備のやり方からくるものなので選手としてはどうしようもないです。本来ならシャドー(大津)かボランチが見るか、山本が出ても大井がカバーできる位置にいるようにチームとしてコンパクトで組織的な守備をするべきなんでしょうが、これまでの磐田の話を聞いているとそんな感じでもないので…(まあそれで首位にいるのだから間違っているとは思いませんけど)そんな磐田の守備の弱点を山形はきっちり分析して完璧に右サイドを攻略した得点でした。
後半は押し込まれて逆転されてもおかしくない試合展開で、特に後ろの選手は頭でやろうとしている事に身体がついていかないような感じで消耗していてパスミスも多くありましたが、それでも「守り切る」ではなく「点を取りに行く」チームというのを全員が分かっているかのように戦っているように見えました。
結果、そのまま2-1で山形の勝利。特に後半は課題はあると思いますが、やるべきことをやって掴み取った勝利だったと思います。
山形のサッカーに期待して観にいった試合でしたが、期待以上のものが見れた試合でとても楽しかったです。得点シーンも素晴らしかったですが、磐田の前からのプレスを交わしていく場面も何度もあり、その度に拍手していました(磐田のプレスもちょっとアレだけど…)。そして勝った後のクラモフスキー監督の嬉しそうな姿がとても印象的でした。ほんと観に行って良かったと思います。(※注 エスパルスサポ)
では今回はこの辺で、読んで頂き有難うございました