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アイドルの話をしよう②

1980年代末~1990年代半ばに何を聴いていたのか

 さて、前回に引き続きアイドル遍歴を書いていきますが、1990年代になるとちょっと事情が変わります。そう、世は1980年代末から徐々に始まった"アイドル冬の時代"へと突入するのです。かくいう私も1990年代のアイドルに関する当時の記憶がほとんどありません。
 1980年代の音楽に対する情報元が主にTVやラジオだったことは前回触れました。アイドル楽曲だけでなく、演歌もニューミュージックもフォークもロックもポップスも全部ごちゃ混ぜで提供されていたんですね。そんなわけで、今でも『北酒場』とか『みちのくひとり旅』なんかはカラオケ行っても余裕で歌えちゃうわけですけど。
 そんな中、1980年代半ばに彗星のごとくシーンに登場したのが渡辺美里でした。ヴォーカリストの声に魅了されるってこういうことか!と初めて思ったのは渡辺美里でした。そして、美里からの流れでTM NETWORKや大江千里などエピックソニーレーベルのアーティストを知ることに。そのうち、生で、LIVEで(当時はまだコンサートという言い方だったかな)音楽を聴きたい!と思うようになります。中でもよく足を運んだのは佐野元春でした。1980年代末からは第二次バンドブームもあって、アイドルに触れる機会はかなり失われてしまったのでした。

1990年代前半のアイドル

 こうした事情もあってリアルタイムで捕捉できなかったわけですが、後にこれがなかなか芳醇な時代でもあったことが分かるわけです。リアタイで応援していた方々には本当に申し訳ないですが、罪滅ぼしがてら紹介しましょう。
 まずは1980年代の「おニャン子クラブ」的な展開をしていた「乙女塾」から。アイドル史を語るうえで絶対外せないというCoCoです。中部地方中心にココストアというコンビニチェーンがかつてありましてね。たまたま名前が同じだったからか、CMに出演していた記憶があります。私のお気に入りはこちら。

『なぜ?』(1991年リリースの2ndアルバム『STRAIGHT』より)

 映像は武道館のLIVEですけど、ファンのコールすげえな!この曲は作編曲が亀田誠治ですよ。一度聴いたら忘れがたいイントロといい、所々に挟まってるギターサウンドといい、いい仕事してますなー。3:05あたりからの落ちサビ、「瀬能あづさ、歌うまっ!」ってなりますね。

 同じく「乙女塾」出身のribbonも忘れてはいけません。3人とも歌うまかったですよねー。そうそう、永作博美がアイドルだったってみんな忘れてませんか?中でも印象的なのは3rdシングルで夏っぽいこの曲。

『あのコによろしく』(1990年7月リリース)

 映像は日比谷野音でのLIVE。ファンが盛り上がってて楽しそうだなあ。イントロのとこで、リゾートにお忍びでやってきたスターみたいな演出で登場するのいいですよね。この曲、むっちゃ明るい曲調なんですけど、詞の内容は失恋した女の子の心情を歌ってるんですよね。「君はもうひどいひとだけど 好きなように笑う方がいいよ」って、むちゃくちゃ切なくないですか (´;ω;`)ウッ…

 続いては東京パフォーマンスドール(TPD)。アイドル史的には、TPDが切り拓いた"LIVEハウスでの定期公演"というスタイルが、2000年代終盤にAKBの劇場公演スタイルに受け継がれるということになります。正直なところ、『恋しさと せつなさと 心強さと』(1994年リリース)で篠原涼子がブレイクするまでTPDについては全く知らなかったです(汗)。そんなわけで小室哲哉がらみでこの曲を。

『キスは少年を浪費する』(1993年5月リリース)

 この曲が入ってる6thアルバム『MAKE IT TRUE ~Cha -DANCE Party Vol.6』は、後になってわりと聴いた記憶があります。TPDはソロ曲もふんだんにあって、個々のキャラをそれぞれ押し出していた感じがありますね。それもあって、篠原涼子がポーンと飛び出てしまうわけですが。個人的には6thアルバムの1曲目『Whoopee Day's』から2曲目の『キスは少年を~』の曲間ナシの繋ぎがしびれますね。アルバムの最後に入ってたTKバラード『MAKE IT TRUE』もおススメです。

 奇しくも取り上げた3組がすべてグループアイドルとなりました。やはり、ソロで立ち向かうにはなかなか難しい時代だったのかもしれません。ここでは取り上げませんでしたが、高橋由美子や中嶋美智代はかなり健闘したと言えるでしょう。ちなみに"アイドル冬の時代"については、吉田豪さんと絵恋ちゃんがラジオで話してる内容を書き起こしてる方がいらっしゃったので参考までにひとつ……。
YBS『909 Music Hourz』(2018年3月)
 わはは!むちゃくちゃ面白い!こういう切り口もアリですな!他にも「乙女塾」出身ではQlairなんかも忘れがたいですが、ひとまずこんなところで。
 1990年代後半にはついに「モーニング娘。」が現れますね。ちょっと長くなりそうなので、そのお話はまた次回ということにしましょう。ではでは!

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